【探究領域】自主自律
【セントラルアイディア】私たちはかけがえのない存在である。
<テーマ学習レポート>
自分が生まれるまでのことや、生まれたときの話は、自分では覚えていないもの。だけれども、周囲の家族にとっては、かけがえのない喜び満ちた話が盛り沢山。9人の温かなエピソードをみんなで聞いていきました。
そのあとで、2冊の絵本を紹介。『たいせつな あなたへ』には、自分たちが話したこととつながる箇所がいくつか出てきます。
「おじいちゃんが飛び上がって喜んだのと似てる。」
「おなかを抱えてそっと歩いたのと同じだ。」
「お母さんも5回くらいキスすることあるよ。」
「はやく、会いたいって、(インタビューシートに)書いてあった。」
などなど。自分たちと重ねては、すばやく反応していました。
『あくたれラルフ』には、ついついいたずら度合いが増してしまう飼い猫ラルフではあるものの、ほかのネコにはない持ち味があり、家族に愛されていることが描かれています。
「お父さんやお母さんは怒っても、それは大好きってことでしょ。」
「怒られると嫌われてるって思っちゃうこともあるけど、おうちの人はみんな自分たちのことが好きだと思うよ。」
「好きなもの食べれて、ソファーがある家があるって、存在している喜びとつながるのかな。」
といった感想が出てきました。自分たちなりにテーマとのつながりと考えて聞いていた様子であります。
生まれてきたことを祝福され、今いることに価値がある。それぞれに持ち味があって、仲間としてこのスクールで出会えたことは、実はとっても偶然でラッキーなこと。そう話を加えました。
それぞれおうちの人が自分の持ち味をどう思っているのか、また自分ではどう思うのか、また、生まれたときと今とでは興味が同じか違うかといったことも、話したり聞いたりして、お互いのことをより知るきっかけとなりました。
そんな中で、「心の中も一緒じゃない。」という発言があがります。
詳しく話を聞いていくと次のような意見でした。
体を測ると、みんな違う長さだったり、同じところもあったりする。それと同じで、心の中で考えていることや、同じことを考えても出てくる言葉が違うこともあるから、そう思った。
身体測定をして、インタビューの話を共有し、それぞれの「気持ち」にふとアンテナが動いたのでしょうか。「前から、そう思っていた。」とのことでしたが、それは、まさに物差しでは測れない部分の特徴を指していました。
自分がどんな心でどんな行動をすることが多いのか、この発言を機に、身体的特徴に続いて、性格的特徴について考えていきました。
考えるときの手立てとして、様子を表す言葉をいくつか紹介。語彙を増やす機会になります。
自分に当てはまる言葉を使ったり、思いついたことを理由つきで記していきました。
自分の性格を記すとともに、仲間の性格にも着目。どんなふうに見えるのか、あるいは聞いて知ったことの中で印象に残ったことを書いていきました。
付箋に書いて、その人のシートに貼り付ける作業が、子どもたちにとって、メール送信と同化したようで、
「あ、メッセージが届いた。見にいこう。」
「メール送ったよ。」
「手紙っぽくしてみよ。」
「これ、ラブレターだね。」と楽しみながら、お互いの特徴を書き合いました。
自分から見た自分、親から見た自分、友達から見た自分。どれも自分であります。たくさん記録し、集めた情報をもとに、プレゼンで伝えたい「自分」を選んでいきます。
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(参考) TCSテーマ学習について、以下よりご覧ください。
2019年度 年間プログラム(PDF) ・ テーマ学習一覧表(実施内容)