【探究領域】共存共生
【セントラルアイディア】禍福は糾える縄の如し。
<テーマ学習レポート> week 1
このテーマ学習では、私たちが住んでいる地球の自然について恩恵と脅威の両側面があることを知り、自然災害が発生するメカニズムについて学びます。
そのような特徴を持つこの自然環境について視野を広げた上で、「もしも災害が起きたら自分はどう動くのか?」という”防災”について仲間たちと共に考え続けていきます。
さて、1週目はそれぞれの子どもたちが”自然のこわさ”・”自然の恵み”という言葉を聞いて思い浮かぶことについて話を聞いていきました。
”自然のこわさ”で連想するイメージとしては「野生の犬」・「ピラニア」・「海の中・・・深いところが怖い/サメ/毒クラゲ」・「おおかみやヘビ」・「トゲトゲの葉っぱ」などのように動植物たちのこわさ、「雷」・「火事」・「大雨」・「津波」・「台風」などのように自然災害に関するものも挙がってきました。
1・2年生の複学年で学んでいると、単学年での授業以上に先行知識のバラつきが大きく、そこがダイナミックで面白い学びを創っていける要素の一つでもあります。
「津波」というキーワードが出てきても「あー!たしかに!」と言う声も聞こえてきますが、一方で「なにそれ?どういうこと?」という声も同時に挙がります。
「津波っていうのはね、高い波のことだよ。TCSくらい高い津波もあるみたいだよ。」と2年生が説明してくれます。そこに別の子が「0m地点より波が上がってくることだよ。」と付け加えましたが、その説明に多くの子が「???」という顔をしています。
そこで私が海抜と標高の話を、9月に登った富士山の標高と合わせてしたところ子どもたちは納得の表情をしてくれました。
「台風」の話では先日の台風19号での実体験や家族・親戚から聞いた話、またニュースで知った情報などをたくさん話してくれました。
台風がきっかけで川が氾濫したり、家が浸水したり、土砂崩れが起こったり、ダムが決壊してしまうことにも繋がっていくこと。
子どもたちの近所でも目黒川や荒川、神田川、多摩川などが氾濫しそうで避難警報が出たことなどを一生懸命話してくれました。
ある子が、「ぼくは自然で怖いのは、サムライの剣が怖いな。」と発言してくれました。この発言をきっかけに”自然”の定義について話が展開していきました。
「剣は鉄でできてるから、鉄は地球にある石から作っているから剣は自然でしょ!」
「じゃあテーブルも筆箱もミサイルもパソコンも自然のもの?」
「そうだよ!」
「ちがうよー!」と一気に頭ぐるぐる状態の1・2年生たち。
そこである子が、「人が自然のもので作ったのはその通りだけど、人が作ったものは人工っていうんだよ。」
「じゃあ人がいなくても自然にあるものを自然てことにしようよ。」
「そうだね。そうしないと全部自然になっちゃうじゃん。宇宙も自然だし。」
というような議論の末、全員納得で自然と人工についてみんなの頭が整理されて、改めて2枚目の模造紙にどんどん発言が重ねられていきました。
”自然のこわさ”について考えた次は、「では、自然はこわいだけなのだろうか?そんなはずはない。では”自然の恵み”っていうとどんなことが思い浮かぶ?」
ということで”自然の恵み”と聞いて連想することをどんどん発言してもらいました。
すると、「台風一過・・・晴れてあたたかくてピカピカのお日様。プールにも入れる」・「海・・・魚いるし、おもしろい。釣りもできるし、泳げるし、潮干狩りもできる!」・「野菜・・・食べられるし、ポーランドのサランラップは野菜でできてる!」・「花・・・きれいでいいにおいだし、ハチミツが採れる。」➡︎「ということはハチミツを運んでくれるハチや蝶も恵みだね!」➡︎「でもわたしたちは巣を壊してハチミツをぬすんじゃってるんだよ。。。」・「葉っぱ・・・きれいでとりたくなる。二酸化炭素を吸って酸素を出してくれる。」・「私は”自然の恵み”は人の心、気持ちだと思う。だって気持ちがあるからこの世界が生まれてるって思うから。」・「山・・・のぼりきるとうれしいから。」・「川・・・水が飲めるから。」などなど。
話は尽きないほどに一人の発言からまたイメージが広がったり、深まったりを繰り返しながら自然の表と裏の両面について一人では考えきれないほど多面的に考えることができた1週目となりました。
YI
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(参考) TCSテーマ学習について、以下よりご覧ください。
2019年度 年間プログラム(PDF) ・ テーマ学習一覧表(実施内容)