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「お互いさま」T2-G1G2 テーマ学習 レポート2

【学年】1年生2年生
【探究領域】共存共生
【セントラルアイディア】 種は互いに影響し合って生きている。

<テーマ概要>
テーマ学習「お互いさま」2〜3rd week

これまでに生き物たちの中には絶滅の危機に瀕している”絶滅危惧種”がいることや、その原因の一つが在来種(=もともとその土地で生きている生物)の存在が外来種(=もともとその土地にいなかったが外国や他の土地から連れてこられた生物)に脅かされているということにあることを知った1・2年生。

2・3週目は実際に身の回りにある身近な自然を観察し、そこに住む『在来種』と『外来種』を発見していきます。

まず最初のフィールドワークは井の頭公園にある池と水生物館へgo!

井の頭池は以前と違って水草が生い茂り、透明できれいな水の中に生き物たちの姿を見ることができます。ここ数年の”かいぼり”による水質改善事業の成果ですね。水草が蘇るとそこに住む小さな生き物たちが増え、それを食べる在来魚たちもまたそれを狙うカワウやカイツブリなどの在来種の鳥たちも姿を見せます。

真ん中の木の上に珍しいアオサギが休んでいます。見えますか?

カワウたちもたくさん見ることができました。かいぼり効果は目に見えて大きいですね。在来魚と外来魚のバランスも大分戻ってきているとのことです。

水生物館には井の頭池や日本の川に住む生き物たちが展示されています。派手さはありませんが、日本の水辺に住む在来種たちはなんとも癒し系で子どもたちも釘付け。

この写真はウグイに触れるコーナーです。

東京の在来種であるトウキョウダルマガエル。野生ではなかなか見られる機会がありません。

かわいらしい渓流に住む在来種たちの水槽と仕切りを隔てると錆び付いた空き缶やボトルなどのゴミと一緒に大きくて強そうなオオクチバスやブルーギル、カミツキガメなどの外来種の水槽がありました。

「この亀たちはこのゴミと同じように捨てられたんだね。」とポツリとつぶやくYくん。

それを受けて「なんかこの魚たちみんな悲しそうな顔してるよ。」とMさん。

たしかにどんよりしたこの水槽はなんとも言い難いどんよりムードが漂っていました。子どもたちの感性は素晴らしい。

もちろん井の頭池だけじゃなく、さまざまな地域でそれぞれの生態系において在来種と外来種の関係性や都市化などが原因でこのような問題は起きています。

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3週目はアロワナ・ピラニア・ブラックバスなどなんと200種類以上の外来魚が住むタマゾン川こと”多摩川”にあるおさかなポストを訪問しました。

外来種は生態系に影響を与えるだけではなく、河川に新しいウイルスや病原菌を持ち込む可能性があるため、自然環境コンサルタントで「タマゾン川」の著者でもある山崎充哲氏はこの”おさかなポスト”を立ち上げ、飼うことができなくなったペット(外来種の魚・亀など)を引き受けるポスト(施設)を設立しました。

まずは山ちゃんこと山崎氏に元気に挨拶し、山ちゃん自作の紙芝居で川にまつわるお話を楽しくお聞きしました。

水槽にはたくさんのコイや金魚、その他にもたくさんの種類の魚たちが飼われています。

質問タイムではLさんが口火を切ってくれました!What a great challenge! 外部の方を相手にりなが大きな声でトップバッターで質問することができたことにまず感激でしたが、質問も素晴らしかったです。

「外来種と在来種は一緒に暮らすことはできないの?」

この質問にそれまでは小さな子ども扱いをしていた山ちゃんの目が変わりました。

「いい質問だねえ。日本の在来種は外来種たちに比べて体も小さく、弱っちいからすぐに食べられちゃって一緒の場所にはいられないんだよ。だから外来種は捨てないでね。最後まで飼ってあげて。」

Lさんの質問を皮切りにそれぞれの子どもがこれまでの2週間でモヤモヤと気になっていたことを山ちゃんにぶつけます。

「どうして外来種は日本にやってきたの?」
「それもいい質問だ!大きく3つの理由があるんだよ。一つはペットとして。二つ目は食用。そして三つ目が外国から日本にとどく荷物にくっついてきちゃう。」

「なんでもう日本にいるのに外来っていうんだろう?」
「う〜ん!それもいい質問だ!外、つまり違う土地から連れてこられると外来種になるんだよ。でも鳥やマグロみたいに遠くから日本に自分の力で来られる生き物たちは外来種って言わないんだよ。まいったな〜。みんなすごいねえ!山ちゃん本当に驚いているんだよ。よくいろんな学校にお話ししに行くんだけど、みんなの質問は4・5年生がしてくるような質問だよ。みんなすごいぞ!」

さらに質問は続きます。

「ぼくは捨てるんじゃなくて外国に戻せばいいと思うんだけど、先生はどう思いますか?」と一年生のEくん。
「それもいい考えなんだけどね、実は一度外国から日本に連れてくると日本にしかない菌がついちゃうからもう元いた国には返せないんだよ。病気が広まったら大変だろ?」

「え〜、かわいそう・・・」と子どもたち。

話を聞く眼差しは驚くほど真剣です。

ほかにもまだまだ子どもたちの質問は溢れ出てきて終わりを知りません..。

最後にやまちゃんを囲んで記念撮影。

お忙しいところ快く今回の訪問を引き受けてくださった山崎さんどうもありがとうございました!

現地・現人・現物に出会うために足を運ぶことは探究の醍醐味の一つ。特にその道の達人たちから聞く話には机上では感じられない熱とともに本物の知識と出会えます。

「この多摩川にはね、なまずもいるんだけど実はなまずは外来種なんだよ。誰かが江戸時代にここへ連れてきたようなんだ。江戸時代から住んでるんだけど外来種なんてちょっと変な話だよね。けれどね、その辺の線引きがとても難しいんだよ。」と山ちゃん。レッドデータの編成などを手がけているので絶滅危惧種や特定外来生物の線引きを行うのも山ちゃんのお仕事。

「みんながよく知ってるミシシッピアカミミガメ(ミドリガメ)も特定外来種に指定するかどうかでものすごく議論があるんだよ。お祭りでよくもらえたりするんだけど、実は大きくなるし、大きくなると噛む力がとても強くなるんだ。それで飼えなくなってよく捨てられちゃうんだけどね。寿命も長くて50年くらい生きるんだよ。だからさ、もし山ちゃんが今から飼ったら山ちゃんより長く生き続けるんだよ。だから飼えないだろ?その生き物のことをちゃんとまずは知ってからじゃなきゃ簡単に飼えないよね。それでもし特定外来生物に指定しちゃうと一般家庭では飼えなくなるから処分するか捨てることになる。そうするにはペットのアカミミガメが多すぎるよね。ちゃんと飼ってくれればいいんだけどねぇ。。。」

考えれば考えるほど複雑な要素が絡み合った問題だと感じさせられます。そしてそのアカミミガメと在来種の関係にももちろん大きな影響が現れているわけですからね。

派手な外国産のクワガタやカブトムシを景品代わりに配ったり、それが森に増えて地元の森を守っている人や在来生物たちが困ったりと、まあ人間てどれだけとっちらかしちゃってるんでしょうかね?本当になかなか奇妙奇天烈な生き物です。

そんな人間の一人として生態系は様々な因果関係が織りなしていることを痛感します。

子どもたちも身の回りの生き物たちが住む世界や生き物同士の関係性をもう他人事だとは誰も思っていません。

テーマ学習もいよいよ折り返し地点。

ここからさらに自分とつなげていくつかの生態系について考えていきます。

YI

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