【探究領域】時空因縁
【セントラルアイディア】未知のフロンティアの開拓は、私たちの未来を広げる。
<テーマ学習> レポート week 2
先週、ブラックホールについて調べてみると、ブラックホールに入ると体がスパゲッティになってしまうということや、光さえも飲み込んでしまう天体であることなど、地球に住んでいる私たちには想像しづらい状況が宇宙では起きているらしい…ということを学んだキッズたち。同時に、じゃあなぜブラックホールができたのか?など、新たな疑問が出てきました。
そこで、テーマの第2週目は、「星の一生」を学ぶところからスタートしました。
「太陽とかも死んじゃうなら、じゃあ地球もいつか死んじゃうのかな?」
「いや、これは恒星の一生だから、地球は違うんじゃない?」
など、今学んでいることと、もともとキッズたちの持っている先行知識が重なって、学びがより進んでいきます。
そして宇宙にある星(恒星)の一生や、ブラックホールの誕生について学んだ所で、もう一つ、初日に話題に上がっていた地球外生命について学びました。今回は既に学問として研究が進んでいるアストロバイオロジー(宇宙生命学)について学びつつ、現在わかっていること、まだわかっていないことを調べていきます。現在までの調査研究によると、
・太陽系に地球外生命はいないことは明らかになっている
・現在の宇宙に行くための技術を考えると、太陽系以外にいるかもしれない地球外生命に会うことは難しい
・太陽系以外にもハビタブルゾーン(生存可能な環境)があり、そこに地球外生命がいるかどうかの調査を進めている
・地球外生命探しに向けて、光や電波、赤外線によって生き物がそこにいる痕跡を探そうとする研究は進められている
ということがわかっているとのこと。
「えーーー地球外生命には会えないのかー」
「アストロバイオロジーで(地球外生命が)いないってわかってて火星にもいないんだったら、(自分たちが地球外生命に会うのは)もう無理なんじゃない?」
と、ちょっとガッカリした様子のキッズたち。でも、今わからないということと、この先もずっとわからないということはイコールではありません。
研究が飛躍的に進み、未来が変わる可能性だって大いにあるわけです。そういった一見無謀にも見える仮説の立証を積み重ねてきたからこそ現在がある。それをより具体的に感じてもらうべく、実際の宇宙についての研究がどのように行われているのかを映像を見ながら調べていくことにしました。
今回視聴したドキュメンタリーは、国際宇宙ステーションの挑戦の中でも日本の技術や運用実績の20年間を追ったもの。日本の実験棟「きぼう」や補給機「こうのとり」の開発という、日本の有人宇宙開発にフォーカスをあて、このプロジェクトに関わった当時の関係者の証言から波乱万丈の軌跡を振り返っていきました。
少しずつ、宇宙のこと、そしてその宇宙を知ろうとしている人たちの存在を知ることで、宇宙という存在がリアルになってきたキッズたち。次は、実際に仕事にしている人に質問してみよう!ということで、宇宙ステーション 日本モジュール”きぼう”の運用管制官も務めていた増田さんにゲストにお越しいただき、実際の仕事の様子や、宇宙開発についてお話をお伺いしました。
管制室のリーダーや、宇宙服の開発研究を行っていたという増田さんに対して、
「宇宙服につけたい機能はありますか?」
「増田さんが宇宙のことで解明したいことは?」
という開発分野についての質問や、
「宇宙で使用される科学技術の元になるアイディアはどこからくるのか?」
など、次々に質問が飛び出し、あっという間に予定時間が終了。その後のグループワークに残ってくださるとのことなので、そこでも質問をたくさんさせていただきました。
そして最後に、増田さんからのちょっとしたサプライズ。増田さんが小学校の頃に描いた宇宙をテーマにして描いた絵を見せてくれました。
描いたのは小学校5,6年生だったそうですが、その頃から宇宙に想いを馳せていたという増田さん。
「宇宙に向かう鉄道を描いたんだけど、きっとたくさんお金が必要だから世界中からお金を集めて駅を作ってる設定なんだよね」
と説明してくれました。素晴らしい絵と構想の着眼点に「おぉぉぉ」と唸るキッズたち。アウトプットである宇宙SF劇への刺激ももらったのではないでしょうか。
そして次は、そのインプットも活かしつつ、グループワークで、
「宇宙に住むとしたら、どんなことが課題で、それをどうやって解決すればいいか?」
について話しあってまとめました。
行ってみたいけど、住むのは嫌だ、というキッズたち。
今の生活と比べれば、未知の空間での生活は不便であることは明らかです。でも、だとすると、地球を離れたりするなんて、とても不便そうな未来が想定される中、地球以外の活動に視野を向けるのはなぜなのか?ここを改めて考えていく必要があります。
このモヤモヤを持った状態で、来週はSF映画「インターステラー」を鑑賞していきます。「なぜ人は宇宙にいくのか?」その一つの選択肢が、この映画でも提示されていることもあり、映画を見ることでキッズたち自身が考えるきっかけを作っていきます!
YH
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(参考) TCSテーマ学習について、以下よりご覧ください。
・2021年度 年間プログラム(PDF)運用版
・テーマ学習一覧表(実施内容)