タイトル:静かなともだち
探究領域:万象究理
セントラルアイディア:見れば見るほど見えてくる。
[1年生]
テーマタイトルは静かなともだち。
「静かなともだちって誰?」
「みんな静かじゃないよ。」
ともだちになりたいのは葉っぱたちのこと。
しゃべれないし、動けないし静かでしょ。
「えー、静かじゃないときもあるよ。」
「クシャクシャとか音が出るよ。」
「乾いているときと濡れているときは音が違うよ。」
「グシャグシャって感じ。」
「風が吹くとカサカサってするよ。」
早速、葉っぱについて知っていること、イメージしていることなど、
子どもたちのprior knowledgeが出てきます。
「葉っぱは落ちると掃除される。お父さんはいつも掃除してる。」
「掃除して集めると山になって登りやすい。」
「布団にもなるよ。」
掃除されるってことは、葉っぱは邪魔者ってこと?
「紫蘇とかは食べられるよ。おだんごにもできる。」
「野菜の葉っぱもあるね。トマトの葉、ニンジンの葉とか。」
「フルーツと葉っぱって仲間なのかな。」
出てくる言葉から繋がり、過去に経験したことや疑問が浮き上がってきます。
「花と葉っぱは枯れちゃう。」
「♪芽が出て、膨らんで、花が咲いて、枯れちゃって・・・。」
「枯れたら死ぬってことだよ。」
「じゃあ、落ち葉の山は葉っぱのお墓だ。」
「葉っぱって一人暮らしなのかな?」
落ち葉が死んだ葉っぱなら、生きているときはどうなっているのかという疑問に
繋がったのでしょうか。葉っぱには生きているのと生きていない葉っぱがあると
子どもたちは認識していました。
そこから、葉っぱは一人で生きているのだろうかという話題になってきます。
「水は必要でしょ。」
「土も必要だよ。」
「葉っぱのおうちは木だから木も必要。」「草とかは木がないから違うけど。」
「モミジはなんで色が変わるのかな。」「変わる順番はいつも決まっているのかな。」
「イチョウはハートの形。なんで?」
ともだちになるために、いろいろ知りたいことが出てきます。
けれど、静かなともだちは話してはくれません。
「どうやれば、どんどん知っていくんだろう?」
葉っぱとともだちになるための手段は「観察」。
セントラルアイディアを提示します。
「外に葉っぱ見にいく?」
「行きたいな。」
そこはもうちょっと我慢してもらい、まず、見ていない状態で、葉っぱの絵を描いてみます。
「葉っぱには線があったな。」
「えー。描けないよ。」
「ちょっと違うなー。」
描こうとすると思い出すこともあり、また、見えていないことに気づくこともあります。
「まだ、ともだちじゃないからかー。」
いよいよ、紅葉山公園に出発!
「モミジじゃない葉っぱでも線があったよ!」
「Mハウスって自分の名前つけてたけど、本当は葉っぱハウスだったんだ!」
葉っぱに着目して見ていくと、発見が増えていきます。
紅葉山公園で見っけ隊をしていたときには見えなかった新たな発見です。
「ともだちになるには、まずは挨拶しないと。」
「大切にしないと。」
葉っぱを観察していくため、これから葉っぱ採集をしていきます。
生きている葉っぱをむやみに取ることは「大切にする」ことに反してしまいますが、
ここは、申し訳ない気持ちを持ちつつ、3枚だけ採集することにします。
押葉作成のために2枚、観察用に1枚。
木がおうちの葉っぱに限定することにして、
採っていくための手順を決めました。
1.「こんにちは。」挨拶をする。
2.「お名前は?」名札があるか確かめる。
3.「どこから生えてるの?」「おうちは?」
枝と葉っぱのつき方をカシャ、おうちをカシャっとiPadで撮影する。
4.「失礼します。」葉っぱを3枚もらう。
「こんにちは。ぼくの名前は○○です。」
「どこから生えてるの?」
話しかけています。
「おうちはどこ?」
「あ、こんなところにあった。」
後ろに立つ大きな木が、落ち葉のおうちでした。
「葉っぱにクモがついてる。」「ともだちなのかな。」
「葉っぱに穴があいてる。」「虫が食べた跡だ。」
「葉っぱは痛いのかな。」
「人間と葉っぱは違うから痛くないかもしれないよ。」
戻ってきてから、自分がどの場所で見つけて採集した葉っぱなのか、
ワーキングマップに記録していきます。
観察用に採ってきた葉をじっと見ていきます。
観察その1「目で見る」。
フロッタージュを使って全体像を浮き出して見ていきます。
「線がいっぱいある。」
「葉っぱは凸凹なんだ。」
次に、見たものをそのままスケッチしていきます。
「見れば見るほど、描くのが難しい。」
「葉っぱの緑って、色鉛筆ではできない緑だと思う。」
「紅葉山公園といったらモミジでしょ。」と言っていた子どもたちでしたが、
実際に公園に行ってみると色々な種類の葉っぱがあることに気づきます。
「見っけ隊のときより見つけられるかな?」
見つける種類もさることながら、ひとつの葉っぱからも見つけることは
まだまだたくさんあるようです。
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