タイトル:「紅葉山」見っけ隊
探究領域:時空因縁
セントラルアイディア:「場の観察から私たちの生活が見えてくる。
」
[1年生]
100個以上の「みっけ!」から「これは!」と気になる、深めたい発見を選び、ひたすらそれにまつわる「?」を掘る1週間になりました。
?を掘る作業は個人ではなく、?を掘るときの重要な観点を共有するという意味でも、全体で協力しあいながら行います。
ここでいくつか子供たちが選んだテーマと、それにまつわる今週の大発見を紹介したいと思います。
紅葉山公園に存在する木や草などの植物に、よーく見ると実はナゾの番号が付いていることを発見したTくん。しかも、その番号札は『グリーンアドベンチャー』という不思議な言葉が書かれたものと、全く何も書かれていないもの、また、そもそも番号札が付いていない木もあることに気づき、番号にはどんな意味があるのか、またなぜ札が付いているものと、付いていないものがあるのかについて探究することに。
4週目に行ったフィールドワーク中に、通称「公園の人」である警備員さんに出くわしたので、このナゾの番号札について聞いてみると、
「あー、番号の付いている木には説明があるはずだよ。これで、この植物の特徴を知ることができるはずなんだけど。。。あれ、説明がないものもあるね、中野区の公園管理課が知ってるはずだから、聞いてみるといいよ!」
と教えてくれたのです。
そこで、Tくんと一緒に中野区のホームページの中にある、公園管理課のページを見てみることに。電話番号のほかに、お問い合わせフォームがあったので、ここでTくんの疑問をぶつけてみることにしました。
メールを送り、さぁ終わり。ではないのがみっけ隊。そのホームページには、公園の概要と設備の説明が書いてあったのですが、なんとそこに気になる記述が。。。
公園にある設備の中に、<滝>があるとのこと。みっけ隊員たちは見たことも、音を聞いたことすらありません。そもそも、そこに滝はあったのか?
そこで、スタッフが紅葉山公園に併設されている図書館に情報を集めに、足を運んだところ、公園の設計時に作成された計画書を発見。
そこには、どんな経緯で、どんな目的でこの公園がつくられたの記載と、完成イメージ図があり、なんとそこには「滝」がきちんと描かれていたのです!
次の授業で、すぐさまこの計画書を配布し、「滝」があったことを報告すると、全員が驚愕し、すぐに現場である公園に滝の場所を確認しに行きました。
すると、池にある毛虫がたくさんいる「崖」について探究しているKくんが、「もしかして、僕が登っている崖、もしかしたら、、、、滝だった?」と気づいてしまったのです。
Tくんの探究活動が、Kくんの発見につながった。。。!
誰が何を考え、どんな発見をしたかを全体が知っておくことで、お互いに発見を助長しあうことのパワーを見せつけられたかのようでした。
その日の午後、昨年同じ場所でみっけ隊を行っていた2年生に話を聞くと、「去年は滝があった!でも流れている時と、流れていない時があった!」との情報を入手。
今回は、思い切って、この滝の真相を公園管理課に電話で直撃することに。
担当者の返答は
「滝はありますが、今ゴミが詰まってしまっていて、故障していて、水が流せない。再開の見込みは立っていない。」
とのことでした。
あ、あの池に溜まっているゴミが原因で詰まってしまったのかな?
子供たちの発見の連鎖は止まること知りません。
どのようにすれば?が解けるのか、道筋や手立ては見せたり、導くものの、そのプロセスを全て子供と共有することで、彼らもやってもらった、やらされているという受動的な姿勢を持たないと感じています。
さぁ、来週は最終週。これらの発見を、いかに「私たちの生活、誰かの生活が見えてくる」に繋がげていくか、探究はまだまだ続きます。
AN ES
※TCS2016年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。