タイトル: 人の心を動かすストーリー
探究領域: 意思表現
セントラルアイディア:多様な表現の組み合わせが人の心を動かす。
[6年生]
「人の心を動かす」
今回のテーマでは、5年間で積み重ねてきた「意思表現」の探究の総決算として、「映像作品」での表現を追究します。
「人の心を動かす」とは、どのようなことを指すのでしょうか。
今回のテーマ「人の心を動かすストーリー」の参考書籍でもある高崎卓馬著の『表現の技術 ーグッとくる映像にはルールがある』には、こう書かれています。
ー感情を動かすために絶対必要な要素、それは「オドロキ」です。
ーすべての人は笑う直前に驚いているのです。
人の心が「動く」ためには、その人の感情の振り子をまずは動かす必要があるということです。
たった一人の6年生、意思表現の探究ということで、まずは、「今までに心を動かされた映画、映像作品」について語ってもらいました。
彼が選んだのは「フォレストガンプ」です。
フォレストガンプはまず「バスを待つ主人公が自分の人生について、バス停で会う人に語る」そんな回想をしてゆくまでのシーンから始まります。
ストーリーの内容は、
・「上手く立てずいじめられていた幼少期にあった少女との出会い」
・「青春時代にラグビーで活躍すること」
・「ベトナム戦争で上官を救うヒーローになる」
・「野戦病院で卓球をし続け、卓球の世界チャンピオンになること」
・「エビ漁を始め、なかなか上手くいかなかったものの、親友と再会し大成功すること」
・「反戦運動としてアメリカ全土をマラソンし、仲間が増えること」
・「そして最終的には、やればできる、ということを気づかせてくれた発端をつくる少女が大人になり、彼女との幸せな家庭を築くこと」
それらの詳しいストーリーについてあらすじを追って語ってもらいました。
「フォレストガンプ」のどこに心を動かされたのか、それは、
「やりたいことをやろうとおもうととことん追究する人生」
である、そこに響いたと教えてくれました。
そこで使われている様々なストーリーを描くための工夫、例えば、
・「回想でポイントを絞って描いていること」
・「急展開を起こす登場人物の出現」
など、ストーリーの描き方の要素も幾つかあがってきました。
では、ストーリーの幕構成にはどのようなものがあるのでしょうか?
『表現の技術』そして『ハリウッド・ストーリーテリング』にはほぼ同じことが書かれていました。
ー すべての映像作品はおよそ3幕で構成されています。
ー ・問題の提起(発端)
ー ・問題の複雑化(葛藤)
ー ・問題の解決(解決)
では、古典のストーリーがどのような3幕でできているのか、を分析していきます。
例えば、シンデレラは?サルカニ合戦は??
卒業生が作ってきた映像にも、サルカニ合戦を別のコンテキストで描いたものがあり、卒業生のものを見ながら分析しました。
来週は、「好きな映画」はどのようなストーリーになっているのか、3幕に分けて分析するところから始めます。
ストーリーを構成する秘訣とはどんなものか?そして、その映画のシーンで使われている表現技法、音楽、セリフ、映像には、どんな工夫が凝らされているのでしょうか?考えてまいります。
TY
※TCS2015年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。