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インターステラー 時空を超えて

タイトル: 銀河鉄道に乗って
探究領域: 時空因縁
セントラルアイディア:創造の原動力が想像である。

[5・6年生]

探究領域、時空因縁の最終章は、時間=歴史=過去〜現在という枠を超えて、未来と今と過去とを縦横無尽に行き来します。時間の壁を越えるタイムトラベラーです。もちろん、空間についても、中野、東京、日本、世界、地球を飛び出て、宇宙空間、さらに高位の次元へと広がります。時空をあちこち飛び回りながら、私たちの「因縁」が世界をどう編み上げてゆくのか、思いっきり想像 imagineします。

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もはや「社会」を考えるならば、時空の制約に縛られていてはどうにもなりません。「因縁」とは「関係性」のこと。世の中の事柄は単なる「因果」ではありません。さまざまな「偶然」と呼ばれるものによって、因果の鎖がちょっとずつズレてゆきます。その「偶然」を引き起こす大きな存在が「人間」です。そこに「自然環境」の影響もからんできます。いろいろな要素がたまたま出会い、思わぬ方向に進んでしまう。それが「よいこと」をもたらすだけでなく「悪いこと」も引き起こします。戦争、環境破壊は人為的なものですが、地震や火山の爆発、台風、旱魃など自然の猛威によって私たちのくらしは大きく左右されます。その素には、人の欲望というものがあり、さらに大きく撹乱するわけです。こうした「因縁」の渦の中で、わたしたちはいかに生き、よりよい社会、幸せな世界をつくってゆくのかを、既存の枠に縛られることなく大胆に発想しよう!というのが今回のテーマのねらいです。

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想像=イマジネーション=ファンタジーというと単に荒唐無稽な世界をイメージするかもしれません。しかし、世の中の「困難」を乗り越え、「危機」に挑戦してゆくときに大事なのは

そんなことあるわけないじゃん!

というとらわれを捨てること。そうではなくて、

こうしたら面白いじゃねえ?

という、ちょっとばかばかしく見えたり、あり得そうもなかったりすることをまず想像することがカギです。それは、現実とは異なる、もうひとつの理想世界を見つめ、信じ、なんとかそんな世界を実現したいな!と悪戦苦闘しようとする意識の働きです。現実だけに閉じていたら、今のレベルから脱することはできません。イノベーションがこれだけ騒がれている今、子どもの感性をくもらせることなく、とはいえ、お子ちゃまのレベルから抜け出て、よりよい社会づくりのためにどうしたらよいか真剣に考える探究こそ、小学生に必要なのです。

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では、具体的にどんな探究をするのかと言うと、宇宙SF劇をつくり、それを自ら演じる!というミッションを追究します。質の高いアウトプットを目指すとなれば、やはり、これぞお手本!という本物の作品に触れる必要があります。そんな作品として、このテーマ学習のためにうってつけの名作が生まれたばかり。みなさんの中にも、すでにご覧になって、結構、感動し、はまってしまった人もいるのではないかと思いますが、その作品こそ『インターステラー』です。

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初日は、約3時間の大作を見ることからスタートです。子どもたちの中には、前から見たかった!と思っていた子もいました。そうでない子も「宇宙兄弟」を始め、宇宙を舞台にした話にひかれる「男子連中」なので、興奮気味。

ただ、これ、内容がすごく深く、人間模様も、科学的事実も、ストーリー展開も複雑で、大人でもついてゆくのが大変な作品。途中で飽きちゃったり、うとうとしちゃうんじゃないかな?と危惧していました。ところが見事にそんな予想は裏切って、最後の最後まで一気に集中を持続したまま見てしまいました。

でも、内容はチンプンカンプンなんじゃない……そうだとしても難解だから仕方ないなと思っていました。しかし、この予想も見事にくつがえし、次元をどう抜けたか、どんなトリックを使っているか、どうしてこういうストーリー展開になったのかということを詳細に記憶しているではありませんか。

ということで早速、次の段階に入り、インターステラーという映画の構造を丸裸にします。料理で言えば、とにかく名シェフのつくった味を生み出す素材の選び、調理方法を完全に後追いすることです。

いったい子どもたちはインターステラーを発想のスプリングボードとして、換骨奪胎した、自分たちらしいストーリーをどうつくってゆくのか。この子どもたちのノリ・雰囲気からすると相当期待できそうです。どんな作品ができるか乞うご期待です。

RI

TCS2015年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。

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