タイトル:My Hero Story
探究領域:意思表現
セントラルアイディア:「考えや思いはストーリーで相手に伝えることができる。」
[3・4年生]
それぞれのMy Hero Wallが完成してきました。
あとは、原稿に起こしていきます。
作文のストーリーラインは、次のように設定しました。
①ヒーローとの出会い
②ヒーローのすごいところ
③ヒーローから何を学び、どう生きていくか
Wallに書いてあることは、主に②の部分です。
①と③では自分の考えや思いを書くことで、ほかの人には書けない、自分だけの作文にしていきます。
「ラセターさんのようなアニメクリエイターになりたい。」
その一行で話が終わってしまっています。
きっと、まだまだ思いはあるはず。突っ込んで聞いてみると・・・。
そのためには、どうすればいい?
「弟子になる。」
弟子になるには、何が必要かな?
「英語ができるようにならないと。」
英語の時間の自分を振り返ると、もっとよくできることある?
「今は、動きに反応しているだけ。わからないから聞いてないことが多いかも。」
ラセターさんのすごいところは、スタッフの心に寄り添うことができること。
そのためには、「聞く」ということは、ラセターさんに近づく第一歩だということにつながっていきました。
③の部分は、簡単に書こうとすれば、軽い言葉になってしまいます。
「私は、マザー・テレサのようなすごい人になり、将来の夢、動物園の飼育員をするとき、
私は、動物園のマザー・テレサになりたいです。」
すごい人になるって、同じことをするの?
動物園のマザー・テレサってどういうこと?と聞くと、
黙って、書き直し始めました。
しばらくして、出してきた文は、
「私は、マザーと同じことはできません。でも、自分もやれることがあります。今、日本のすて子たちはひどいめにあっているかもしれません。それは、かわいそうだと思うから、自分でも家を建てて、おいしいごはんをあげてしあわせの家をつくりたいと思います。」
書いてあることは、いいことなのですが、どこか、自分事から離れている感じが出ています。
動物の飼育員が夢で、もうひとつの夢がしあわせの家?本気でそう思っている?と聞くと、
「うーん、違う。」本人もしっくりきていない様子で、悩みます。
思い詰めるかのようにしていましたが、その後も何度か書き直しが続き、最終的には、次のようになりました。
「私は弱虫です。なんでかというと、自分がケガするとか、自分が笑われるからいやだとか、くだらない心配ごとで自信をなくすことがあるからです。マザーはこんなことで自信をなくしません。マザーは、自分はできると思っているから。私の夢は動物園の飼育員です。もしかしたら、自分が世話する動物がライオンだったら、最初は怖くて近づけません。自分が友達になりたいと思って勇気を出さないと何にもできません。だから、前向きに考えなきゃいけない。動物も友達になりたいと思っても相手が怖がるときっていやだと思うから自分も前向きに勇気を出してがんばることをマザーを知ってわかりました。」
始めは、原稿用紙4行で終わっていた話が、自分とつなげることで、ずいぶんと広がっていきました。
時間があっというまに過ぎていき、終わってみると手が真っ黒。
「あ、手がこんなになってる。」
誰かの声を機に、自分の手を見ると、やっぱり黒くなっています。
「ほんとだー。」
第1稿からカウントすると10枚以上になっている子もいます。
下書きが終わり、清書は後回しにして、最後は、プレゼン練習です。
プレゼンは翌日に迫っています。
話したい内容はたくさん頭に詰まっています。
まずは、語ってみて、2分間で収まるように調整していきます。
人の心に響く、My Hero Storyが語れるかどうか。
仲間と交代で練習しながら、磨きをかけていきます。
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