タイトル:エイリアン・パラダイス
探究領域:共存共生
セントラルアイディア:「異質との相互作用が変化を生み出す。」
[1・2年生]
「「エイリアン・パラダイス」ってエイリアンに会うの?」
こんな一声が飛び出したことからスタートしました。
それぞれがイメージするエイリアンとはどんなものなのか聞いてみると、
「宇宙人」「おばけ」「外国の人」
「外国で生まれ育って、日本にきた人」
「わたしたちもほかの国からみたらエイリアン」と自分の思うことを話していきます。
テーマ学習の始めは、自分たちが今知っていること、そう思っていることを
とことん話していきます。話したり聞いたりしていくうちに、わかっていること、
わかっていないことが浮き上がってきます。
「パラダイスの意味がわかれば、エイリアンもわかるかな?」
「パラダイスは遊園地みたい。楽しそうな感じがする。」
「ジェットコースターみたいで恐い感じ。」
「外国の人がジェットコースター乗るってこと?」
「観光客のこと?」
思うことを言っていても、なんとなくテーマとは離れているように感じている様子です。
今回の1・2年生は、4年生と兄弟関係にあたる子が数人います。
前回、同テーマで兄や姉がやったことを発言したことから話題が変わっていきました。
「前は、たぬきを調べてた。」
「たぬきがおかしいって。」
それを聞いて、ひらめいたように
「どんどん減っていなくなっちゃう。ジブリのぽんぽこたぬきは絶滅危惧種だよ。」
「クロマグロも絶滅危惧種。」
「漁師がいっぱいとって、ぼくがいっぱい食べちゃうから、いなくなってる。」
エイリアンに絶滅危惧種。初めて聞く子もいて、それぞれの頭の中はモヤモヤでいっぱいです。
「消えていなくなっちゃうもの?」
「ほんとにいなくなるのは絶滅。いなくなりそうなのが絶滅危惧種。」
「雪だるまは絶滅危惧種?なくなるけど、冬になればまたできる。」
「それじゃ、蚊も絶滅危惧種かな。今はいなくなった。」
「ジャイアントパンダ。『マジックツリーハウス』で読んだ。」
「コウモリ。」「え、コウモリはうちの近くにいっぱいいるよ。」
「スカンク?アニメでしか見たことないから、ほんとに今もいるのかな?」
テレビや本の情報をもとに話している子もいれば、
話を聞いて、自分があまり見ないものを絶滅危惧種だと考える子もいます。
ここで、同じ情報を共有して、一般的に絶滅危惧種がどういうものだと言われているのかを
確かめていきました。
使った資料は、「絶滅危惧動物図鑑」というサイトです。
命が途絶えてしまうことが「絶滅」であり、
もうすぐ絶滅しそうな生き物が絶滅危惧種と記されています。
絶滅危惧種の種類は、IUCN(国際自然保護連合)のレッドリストをもとにしていると書かれていることから、IUCNを検索してみます。
レッドリストに載っている絶滅危惧種や、リストをもとに作成されている日本のレッドブックデータで都道府県別に示されている絶滅危惧種を見ていきました。
東京は他の地域に比べて絶滅してしまった動物が多いようです。
例えば、ニホンリスで検索すると、東京では絶滅していますが、隣接している千葉では絶滅危惧Ⅱ類、茨城・神奈川では準絶滅危惧種になっています。
「東京だけ絶滅なんて、ずるい!」
「なんで東京だけ?」
子どもたちは大騒ぎ。
自分たちが住んでいるところが嫌がられているように感じたからでしょうか。
なぜ?どうして?東京は他とどう違うのか、東京で住めない理由は何かを予想してみます。
「住む場所がないから。」
「食べるものがないから。」「餌がもらえれば生きられるけど。」
「車とかのガスで逃げちゃう。」
「スーパーで売ってる肉は動物だから、たくさん殺しちゃう。」
「ほかに恐い動物がいて、弱い動物は逃げる。」
「カラスが多いから。」
自分たちの住む東京は、動物が住みにくいのか。
減っていく生き物の裏には、環境だけでなく、他の動物が原因であることを
「絶滅動物図鑑」で確認することはできました。
でも、まだどこか人ごととして捉えているようでもあります。
「絶滅危惧種」を切り口に、自分たちの周りで何が起こっているのかを自分の目で耳で
探っていきます。
今週モヤモヤした多くの点がどうつながっていくのか見届けていきたいところです。
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