特定非営利活動法人 東京コミュニティスクール

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文明の共通要素を見出す

タイトル:Orderless World
探究領域:時空因縁
セントラルアイディア:「文明の歴史から私たちの現在と未来が見える。」

[5・6年生]

今週はそれぞれが調査してきた古代文明の特徴を整理していくことにしました。
すると、文明を構成する共通的な要素が段々と浮き彫りになってきます。

文字の発明
灌漑や農具の改良など農業技術の向上
効率的な食料生産
 →余剰生産物の増加
 →農業に従事しない専門家の登場
代表的な建造物(ピラミッド、万里の長城など)
学問の発達
・・・

「なんかどの文明も似ている気がする。。」

それぞれ離れた場所で文明が発達していったにも関わらず、極めて似た特徴を持つことに不思議な印象を覚えます。

ここで、改めて「文明」に対するイメージを尋ねてみることに。

「狩猟から農耕生活への変化が、他のいろいろなことに影響を与えてるよね。」
「技術が大きく発展し、今までにないものが創り出された気がする。ゼロからの始まりな感じ。」
「僕は、昔からあったものをさらに改良するという印象を持った。」

これまでインプットしてきたさまざまな情報を咀嚼しながら、自分の言葉で語り始めます。

「前に文明と文化の話題が出たと思うんだけど、それに対するイメージは変わった?」と問いかけると、

「文明は文化より大きいイメージがするなあ。」
「そうそう、文化はその国独特のものだけど、文明は国をまたぐ感じ。」
「じゃあ、もし地球全体が一つの文明に統一されたら、政治は安定して、戦争もなくなるのかなあ。」
「うーん、どうだろう。。」

大量の情報のシャワーを浴び、発見したことや気づいたことも多い中、新たな疑問が浮かび上がってきます。
新たな発見が次の疑問やもやもやを生む。
探究のサイクルがゆっくりゆっくり回り始めます。

2週間に渡り、文明と社会の特徴について学んできた子ども達の次の課題は「過去と現代のつながり」について考えていくこと。
「過去の文明が現代社会にどんな影響を及ぼしているか」という観点でこれまでのメタメタマップをふりかえります。

模造紙に縦線2本を引き、「Positive」「Negative」「Interesting」という見出しをつけると、最初は頭に?マークが飛び交っていた子ども達。
私がこのシンプルなVisual organizerについて簡単な説明をすると、

「要は影響をその3つの観点でみればいいってことね。」

と使い方を理解してくれたようです。

20141105_1.JPG

ちなみに、どんな意見が出てきたかというと・・・

<Positive(プラスの影響)>
・医学の誕生が、現代の安心・確実・スピーディな高度な医療技術につながっている
・文字の発明により、情報が整理しやすくなったり、記録から歴史が学べたり、すべての情報を記憶しなくてよくなった
・余剰生産物を腐らせない技術の必要性が冷凍・缶詰を生み出し、長期保存可になった
・様々な農作物と調理方法の発達が料理のバリエーションを増やした一方で、自分の食べたいものだけを食べる偏食や肥満などの健康問題も生んでいる

<Negative(マイナスの影響)>
・余剰生産物が生まれたことで、その奪い合いが戦争につながったり、フードロスの問題を引き起こしている
・灌漑のし過ぎで水不足に陥り、森林破壊につながった

<Interesting(興味深い影響)>
・絵と文字の組み合わせは漫画という娯楽文化を生み出した
 本・雑誌・インターネットも文字の影響を受けている
・文字が意味をつくりだし、「知識」を生み出した
 →「知識」の伝達のために学校が生まれる
 →知識格差の発生

どんな事象もプラス面があれば、マイナス面も存在する。
ある人にとっては良い影響と思えるものが、別の人にとっては良くないケースもある。
意識的に別のperspectiveがないか考えてみることで見えてくるものがあります。

今回のテーマ学習も前半を終え、いよいよ文明の歴史が未来にどうつながるかを考えていくフェーズに入ります。

HY

TCS2014年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。

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