【探究領域】意思表現
【セントラルアイディア】感性と情緒が凝縮された言葉は、人の心を結びつける。
<テーマ学習 レポート>
まずは書いてみる。そして、第三者に聞いてもらう。
相手にどう伝わるか、または伝わらないか。
違った印象を与えてしまったり、モチーフがわかってもらえなかったりと、伝えたいことが伝わらないのはどうしてだろう。
考える上でのヒントになるのが、詩人たちの使っている技になります。
子どもたちにとって大きな課題となったのは、「モチーフになりきる」「モチーフの視点になる」ことでした。
「ぬまに のっしっしーと つかってる」
沼に浸かっている状態を見ていたのは自分。浸かっているイノシシはどんな気分になっているかな?「ぼくはお風呂に浸かっている」って言うかな?
入っている最中なら、いい湯だな、気持ちいいな、極楽だな。入ろうとしているところなら、さぁ入ろう、もぐり込もうとかかな。
「にげよっかなー、いた方がいいかなー、どっしよっかなー」
人間が近寄ってきて、猫が「いた方がいいと思う」のはなぜ?と聞いてみると、
カメラを向けられたら、撮りたいのかなと思って「いた方がいいかな」と。でも、それってなんだか人間視点。猫ならどう思うか考えてみます。
逃げなくても捕まえられないとき、食べ物を人間がくれるとき、などなど。すると、
「にげよっかなー、いても平気かなー、どっしよっかなー」と言葉が変わってきます。
「はやくすべらすことによってまたのろうって気持ちがふえるのさ」
モチーフは滑り台。視点をモチーフ寄りにしようとしている気持ちは伝わります。自分が滑り台で、乗ってもらいたかったらなんて声をかけるのかを考えてみると、次のように変わってきました。
「背中に乗ってみて!スリル満点だから。はやくはやく!」
「相手の気持ちになる」ということを「詩」を通して考え、表現する言葉を選んでいきます。
せっかく考えた言葉も、読み方ひとつで伝わり方は大きく変わってきます。
プレゼン本番同様、「詩の柔道団体戦」形式で、読む練習も重ねていきます。「詩の柔道」は「詩のボクシング」からきています。
詩人のねじめ正一さんと谷川俊太郎さんの対決を視聴しています。大人が真剣に言葉遊びに興じている姿はお手本そのものであります。同じように舞台を設定して、作った詩を声に出してみます。
ランダムに2チームに分かれ、そのとき決まったメンバーで、順番を決めていきます。対戦相手とはジャンケンをして勝つと先攻となります。
先攻で自分の発表したい詩を出すもよし、後攻で相手の出方をみた上で、発表する詩を決めるもよし。ドキドキワクワクを楽しみます。
実際に詩を朗読し、リズムが合わなかったり、違和感を感じた部分を修正していきます。推敲に終わりはありませんが、本番はもうすぐ。やれるだけのことをやり、当日は自信をもって堂々と自分の詩を披露してほしいと思っています。
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(参考) TCSテーマ学習について、以下よりご覧ください。
・2020年度 年間プログラム(PDF)運用版
・テーマ学習一覧表(実施内容)