【学年】1年生
【探究領域】万象究理
【セントラルアイディア】見れば見るほど見えてくる。
<テーマ学習レポート>
テーマ学習「静かなともだち」〜1・2wk〜
私たちの身のまわりには美しく、不思議な自然が溢れています。普段特に気にとめることもなく通り過ぎていた植物たちですが、このテーマ学習ではそんな「静かなともだち」である植物の中でも樹木の”葉っぱ”に焦点を当て、”観察”し続けることを通して見方が広がり変化していくことを実感していきます。
まずは子どもたちが”植物”について知っていることについて共有し、ディスカッションを行いました。
”植物”について知っていること・思いつくことをどんどん挙げていってもらったのですがやはり予想外の発言が続出!(笑)
土から生えているものが”植物”であるという意見から、ある子が以前のテーマ学習「お互いさま」で学んだことを連想し、カブトムシやクワガタも森の朽ち木を食べることで土に栄養を与え、森の環境を守っているのだから、そう考えるとカブトムシもクワガタも植物ってことだ!と主張しました。
それに呼応するようにまたある子が、「金魚や虫は土に埋めると土になるから、ていうことは植物とも言えるんじゃないかなって思うんだけど。」とひらめき顔で語り始めました。
さらにまた別の子は、「火山は噴火したり、死ぬと死火山となって噴火はしないということは山は生きているし、植物だと思う。」と堂々と話してくれました。
そのほかにも”根っこ”があるのが植物で、”根っこ”が水分を吸い上げて、幹から枝を通って葉っぱにも運んでいるのだという話もありましたが、「それは違うんじゃない?どんぐりは根っこがないけど植物でしょ?」、「でもどんぐりは木から落ちただけで元々は木についていたんだから植物なんじゃないの?」、「いや違うと思う。」、「いや、そうだ!」と興味深いディスカッションとなりました。
テーマ学習では多くの場合、このように子どもたちの先行知識をあぶり出す、さらけ出すところから探究が始まっていきます。
じっくり考えてみると、昆虫と植物の関係性や山と植物の境界線というのも大きな視点で見るとお互いを名前付けして切り離して考えることはできない存在同士でもあり、ディープエコロジーの観点で言えばまさに子どもたちの認識と感性こそ僕たち大人にも必要なのでは!?と興奮させられる1日となりました。
やはり迂闊に「それは違うよ!」と軽く否定なんてサラサラできるものではないな慎重にいこう!、と私自身再認識する機会となりました。
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さて、このテーマでは樹木の葉っぱをターゲットにとことん観察しよう!というミッションを掲げ、早速スクールの近くにある紅葉山公園へ出かけ、お気に入りの葉っぱを採集してきました。
スクールに戻ってきたら、お気に入りの葉っぱについてどんなところが気に入ったのか、”おすすめ葉っぱ紹介”をしてもらいました。
意識したことは大きさ・形・色・手触り・模様・においなどを詳しく言葉にすることです。
見づらくて恐縮ですが、こちらが子どもたちが言葉にしたそれぞれの葉っぱの特徴です。
なんとか特徴を他者にも伝わるように表現しようと一生懸命な一年生たち。
試行錯誤感が伝わってくるような、そして絶妙にユニークな表現だと思いませんか?
このように五感を使って感じ取った特徴を言語化するという活動を繰り返して、語彙や表現力をこれからも磨いていきます。
理科実験と協同して「葉脈標本作り」にチャレンジしました。初めての理科実験との学びのコラボにワクワク全開の子どもたち。予想通り、見事に全員前のめりです。
今回は水酸化ナトリウムを使用して、”葉っぱ”から葉肉を溶かして葉脈だけを取り出す実験。
まずは葉っぱの役割や光をエネルギーに水と二酸化炭素を栄養に変えていく光合成について触れました。先日のディスカッションで挙がった根っこの役割の話題と繋がります。
水酸化ナトリウムに十分に浸した葉っぱを丁寧に歯ブラシでトントンと叩いていきます。すると少しずつ葉っぱの葉肉が取れ始めます。
「私の葉っぱは葉脈がピンクだよ!」「よし、何の葉っぱかこの図鑑で種類を調べよう!」「あっ!これだ!桜だね!桜だから葉脈もピンクなんだ〜。きれ〜い!」と、とっても嬉しそう。
写真ではやや見づらいですが、最終的にはきれいに葉脈だけが残ります!
実験で取り出した葉脈は来週まで乾かした後、みんなでラミネート加工し、しおりを作ってみます。
乞うご期待!
YI
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(参考) TCSテーマ学習については、以下よりご覧ください。
2018年度プログラム_基本形 ・ テーマ学習一覧表_実施版