【学年】 5年生6年生
【探究領域】自主自律
【セントラルアイディア】私たちは私たちのために生きている。
<テーマ概要>
子どもたちには、何があっても、死を選ぶことをして欲しくない。そう思い続けてTCS創立以来ずっと扱っているテーマ学習です。
私たちはかけがえのない存在です。その一人ひとりが違った感性をもち、自分で判断して行動することができるからこそ、人は、迷い、悩み、周囲からの刺激を受け、日々考え方を再構築し、成長していける生き物だといえます。しかし、命あるものには必ず「死」が訪れます。限られた「生」の中で、後悔しない自分らしい人生を送るにはどうしたらいいか。毎日をどう生きていくか。自主自律領域の最終テーマは、尊厳ある「生」について考え抜くことにあります。
「生」を受けたのは偶然であっても、その「生」をどう生きるかには「個」の意志が加わってきます。なぜ人は死ぬとわかっていながらも生きるのか、生きる意味とは何かを問い続けながら、これまで自らの生きてきた過程を振り返り、この先どう生きていくかを考えていきます。楽しいこともあれば苦しいこともあって当然。未来に起こり得ることを自分の意志を根拠に想像し、自分の人生の年表をつくりあげていきます。生まれた日から終わりを迎える日までの年表です。
本テーマでは、「生きることの意味」を「死」を鏡にすることで見い出していきます。「死」を嫌なこと、怖いこととだけ見ずに、逆に、生きるのがつらいから「死」に逃げるというふうに考えずに、あえてタブー視されがちな「死」について直接切り込んで、「生」の意味を考えます。納得できる人生を歩んだ先に、死があるのなら、そこには悲しみだけではなく、今、生きていることに、より一層の喜びを感じられるのではないでしょうか。
今回のミッションは、年表の最期となる「死」を迎えたときに、自らの葬儀で読まれる「弔辞」の作成です。読み手は人生において関わりの深かった人物を設定し、プレゼンテーションにて、自らがその第三者を演じ、自分宛ての弔辞を読み上げます。人柄、業績、具体的なエピソードを交え、人生を紹介します。これは「死ぬ」という事象よりも、これまでどう生きてきたか、つまりはどう生きていきたいかのプロセスに重きをおいています。すべては想像であり、人生を創造しながら生きていくエネルギーをもってもらいたい。そう願いを込めた故の設定です。
常日頃から、自分で考え行動することを繰り返してきているTCSの5・6年生にとって、決して早すぎることのない、答えのない問いへの挑戦であります。
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(参考) TCSテーマ学習については、以下よりご覧ください。
2018年度プログラム_基本形 ・ テーマ学習一覧表_実施版