タイトル:日本のなかの世界
探究領域:時空因縁
セントラルアイディア: 私たちは多様性の中で生きている
[5・6年生]
早速、中野駅北口で外国人にインタビューを試みることに。10人が3チームに分かれ、一人はインタビュー。一人は録音、もう一人は周囲を見渡して邪魔になっていないか気を配ります。
インタビュー場所は、中野駅北口の広場。ここだと多くの歩行者の邪魔にならずにインタビューできるスペースがあります。ちなみに、いまや秋葉原以上に外国人に人気のブロードウェイはやサンロードは、インタビュー禁止になっています。いかがわしい勧誘やらなんやらでお店の人の商売を邪魔する事態があったのでしょう。ということで、ブロードウェイを見たり、買い物したりした人が中野駅に向かうサンロードの出口で1チームは見張ります。
すると、あっという間に外国人と思しき人が通りかかります。
「Excuse me ……」
3人の子どもたちがあわてて駆け寄って取り囲みますが、当然のことながら、うさんくさそうな目で眺められ、インタビューは拒否されます。
他のチームも、改札口から出てきた人や、セントラルパークからやってくる人々が降りてくる階段したで、次々に外国人と思しき人に声をかけますが、無視、拒否。たくさん通過するのに、インタビューはなかなかできないという状況に直面しました。
「失礼にならないように練習してきたのになあ……」
子どもたちは事前に英語ネイティヴの先生にも協力してもらって、Excuse me. Do you have some time now. We are doing some school project about diversity. と、丁寧にお願いするフレーズも頭に入れてきました。また、自分たちの知りたいことに直結する Question も決めてきました。準備万端に臨んだつもりでしたが、やはり現実は厳しい。
しかし、5分ほどすると……1つのチームがインタビューに答えてくれる人を見事につかまえました。
さらに他のチームも、またもうひとつのチームも続けて、インタビューに応じてくれる外国人を見つけます。
「Where are you from ?」
「Germany.」
『Why did you come to Japan?」
「Holiday.」
「What’s impressed about Japan?」
「Culture is so different.」
紙に書いておいた文を見ながら必至に尋ねます。本当は、紙はいざというときに見るためのカンペだったのですが、緊張して文が出てこなくなり、どうしても下を向いてしまいます。
surprised の発音がよくできなくて、なかなか通じないと、インタビュー相手が紙をのぞきこみ、ああサプライズね!と、助けてくれました。
インタビューを終わると、お礼のためのスモールプレゼントの折り紙を手渡します。すると「Amazing !」と喜んでくれます。
「日本のどこに驚いた?っていうのはいい質問だねって言われたよ」
「日本人は多様な人たちと知り合って仲良くするためにも、君たちみたいにこういうことから始めてみるのはとても大事だと励まされた」
不慣れな「英語」を用いて、初めて外国人に対し街頭でインタビューするという課題を10人みんながクリア。時間にして45分ほどでした。
スクールに戻り、ボイスレコーダーに録音したインタビューを聞き直して、Good & Better をふりかえります。
「ちゃんと英語覚えて、伝わるように発音しないとな」
「せっかく文化が違うって答えてくれてるのに、どんなふうに違いますか?ということを聞かなかったのはもったいないな」
インタビューの仕方、進め方への反省が飛び出します。
「フランスとかアメリカ、オーストラリアとかの人はインタビューできたけど、中東の人やアジア、黒人の人とはインタビューできなかった」
「日本人と見分けがつかない人はどうしよう?」
インタビュー対象へのふりかえりが出ました。
「やっぱり日本って人がたくさんいて、せまいってイメージなんだね」
「日本人は礼儀正しいのはいいけど、硬いんだね」
外国人から見た「生の」日本 or 日本人への印象を知ったことへの感想出ました。
いずれにしても、初回のインタビューよくやりました。と同時に、まだまだ改善点満載。もっとインタビュースキルを上げて、よりうまく、より価値ある情報を得るために、再びチャレンジ!という気持ち満々の子どもたち。来週も街に繰り出して、突撃インタビューが続きます。
RI
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