特定非営利活動法人 東京コミュニティスクール

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東京コミュニティスクール

うまくいかない原因を探る

タイトル:いい仕事してますね
探究領域:社会寄与
セントラルアイディア:質の高いものづくりが喜びを生み出す。

[3・4年生]

依頼された椅子の数は13。一人ひとつの割り当てです。
ひとつの椅子に必要な部品は脚と支えと天板。
脚と支えはそれぞれ4本ずつ、計12本必要です。
設計図を見ながら、寸法通りに切り続けます。

たくさん切らないと!という焦りもあってか、
また、ギコギコ切りたいイメージも強く、
どうしてものこぎりを速く動かしたくなってしまいがち。
それでは、先週と同じく、木を切ることはできても、まっすぐ直角には切れません。
そして、こんな失敗も。
「指、切っちゃった。」

切った本人も、ペアになっていた子も、お互い負い目を感じているよう。
その日の日誌には、
「力が入ったときに指を切っちゃった。」
「ゆっくりって声をかけなかったから。」
「のこぎりは、ゆっくりやさしく。」と書かれていました。
ほかのチームでも同じようなことが・・・。
「のこぎりが指に当たって、軍手が切れた。
でも、指は切れなかった。」
「軍手が守ってくれたんだ。」

慣れてきた頃が危険。今一度、作業で忘れてはいけないことを確認します。
「ホースキャンプと同じだ。慣れてきたときに事故が起きやすいって。」
「初心に返るだね」

「安全第一・合図確認・椅子を愛す」

清水建設の木工場に書いてあった「安全第一・合図確認」に加えて
自分たちで考えた「椅子を愛す」を合言葉に。
軍手が必須であることも実感が出てきます。

どうすれば、まっすぐ直角に切れるのだろう。
失敗した切り口を見て、何がいけなかったのかを探ります。
「線に沿って切れてるのに、斜めになってる。」
もともとの線が斜めになっていたことが伺えます。
さしがねの直角の部分をうまく使いこなそうと意識が変わってきます。

2016_4wk_atsu_IMGP8104.jpg

「途中から斜めになってる」
ずっと同じ方向で切っていると斜めになることが多いのは、
どのチームにも共通しています。
「のこぎりはくぎなんだ。」
「だって、途中から斜めになっていくから。」
ということは、くぎが曲がる理由とのこぎりが曲がる理由は一緒かもしれません。
「体が曲がっているから?」
別の方向からも切った方が斜めを防止できるかも。
そのために、線は全部の面に書く必要があります。

最初が肝心。線がまっすぐ引けていないとまっすぐには切れない。
書いたあとに確かめる。鳥の目、アリの目で確かめます。
さしがねをもつ人、線を引く人に分けて2人でやり始めるペアも出てきました。

線を正確に書けても、次なる問題が。
最初に入れた切り込みが線の通りにいかない。
「最初が難しい。」
それなら、切り込みを入れてみては?
普段使い慣れたダンボールカッターで試してみることに。

2016_4wk_atsu_IMGP8094.jpg
「ダンカタいいかも。」

「のこぎりが鏡になって、線と合っているかずれるかすぐわかる。」
斜めになりそうになったら、ストップ。切る面を変えてみる。
「ダンボールカッターは指を上に当てた方がうまく切れたよ。」
「のこぎりを持つとき、人差し指をのこぎりの上に置いて、その指を目で追っていくと
まっすぐ切れた。」

ゆっくりの方がすぐに動きを止められるため、勢いが余ることがなく、
斜めに進みそうになったときに修正が効くことも、見えてきました。
「ゆっくりやさしくがコツなんだ。」
よりうまく切るために、工夫を考え出していき、それをシェアしていきます。

2016_4wk_atsu_IMGP8110.jpg

工夫次第で、切ったあとの切り口がどんどん変化していきます。
「うまくできた!」「まっすぐできた!」
できるようになってくると、楽しくなってきます。
仕事の楽しさが味わえるようになってきた様子です。
安全第一、初心忘れずに、
切りたい木材はまだまだあります。

AN

TCS2016年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。

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