タイトル:「紅葉山」見っけ隊
探究領域:時空因縁
セントラルアイディア:「場の観察から私たちの生活が見えてくる。
」
[1年生]
今週でいよいよ「紅葉山」見っけ隊のテーマも、折り返し!
週の前半は引き続き、「!」「?」「モヤモヤ」をひたすら見つけて、言葉にして、共有するということを行いました。
その数、3週間で集めたものすべてを合わせると、なんと「104」コ!
子どもたちもその数には、満足げでした。
今週の発見は、お天気もよかったこともあり、池の中や周辺、また生き物に集中。
「なんで、くものすがいっぱいあるの?池の橋の下にもあるよー!」
「池に中に落ちてるたくさんの葉っぱたち。じっと見ていると葉っぱが動いている。葉っぱの下にはザリガニがいたんだよ!」
「先週は、あんなにたくさん咲いていたアキグミのお花が、ひとつも咲いていなかったよ!」
3週目に入ってから、子どもたちの観察力も増し、変化や移り変わりを感じ取り仮説を立てる力が向上して来たように感じました。
しかし、ここで終わらないのがTCSの探究学習の醍醐味。
見つけっぱなしでは、探究が深まりません。
セントラルアイディアに立ち戻ると、場の観察が、わたしたちの生活の中にある秘密や不思議をあぶり出す鍵になる。
そこで、週の後半は、この3週間でどんなものを見つけたかを振り返り、その中から3つ「これは、もっと深く知ってみたい!調べてみたい!」と思うものを選び、またその選んだものに対して、知っていること、不思議に思うことを書き出すということを行いました。
「見つけたねこちゃん。小さかったから子どものねこちゃんだと思う。近づいたら、近寄って来たから、人には慣れてそうだったけれど、なんで逃げちゃったんだろう?どこに行っちゃったんだろう?」
「『ありがとう橋』(子どもたちが名前を付けた池の橋)に貼ってある「ありがとう」のシールは、誰が、いつ、なんで貼ったんだろう?」
「公園の隅っこでダンスを練習していたお笑い芸人のお兄さんたち、何回も見るけれど、いつ来てるのかな?なんで、いつも来ている人と、来ていない人がいるんだろう?」
まだ習いたてのたどたどしいひらがなで、文章にすることに苦戦しつつも、どんどん彼らは書き進めていました。
その一方で、「あ、ぼくもそれ同じ!」とじぶんなりのこだわりのある発見がなかなか見つからない子もいます。
他の友だちが面白がったものを、じぶんも面白がれる。これは決して悪いことではありません。
でも、それが本当にじぶんが面白いと思ったものなのかという疑問はあります。
「それでもいいよ」ではなく、「本当にあなたがこれは、面白い!!とじぶんの心から思えること、思い出してみよう。絶対見つけているはずだし、もう一回探しに行ったっていいんだよ」と伝えました。
じぶんの心が躍らなければ、探究は深まっていかない。
探究の最初の通過儀礼に直面した彼。この悩みや戸惑いが、ある種探究の成長痛のようなものでもあるかもしれません。
ただ、「紅葉山公園でいちばん好きなところはどこ?」と違った質問をぶつけてみると、
「崖のところ」といいます。
もうすでに友達の発見とは異なっています。
「崖のどういうところが好き?」と聞くと、「うーん」なかなか言葉にならない様子。
でも、記録にはきちんとじぶんの言葉を残していました。
「なんで紅葉山の池には崖が必要なの?」
友達と同じではない「じぶんの面白いもの」に対して、一度は戸惑いを見せながらも、
じぶんなりの疑問を生み出し始めたようです。
ゴールデンウィーク明け、また紅葉山公園に戻り、
心躍るじぶんのテーマに対する深い観察の日々が始まります!
ES&AN
※TCS2016年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。