タイトル:「紅葉山」見っけ隊
探究領域:時空因縁
セントラルアイディア:「場の観察から私たちの生活が見えてくる。
」
[1年生]
入学して4日目。テーマ学習がスタートしました。
スクールの近くにある「紅葉山公園」で思い切り探検をしていきます。
探検に必要なのは、それぞれが持っている3つのアンテナです。
スクールの玄関にも大きく描かれている、あのアンテナのことです。
すごい!と発見すること、
何?どうして?と疑問に思うこと、
そして、なんだかすっきりしなくてモヤモヤすること、
この3つのアンテナを頭の上で立てていき、
紅葉山公園を自分たちの「学びの場」にしていきます。
紅葉山公園を普段から利用している子や行ったことのない子もいます。
でも、名前を聞いてすでにアンテナが動き出しています。
「紅葉山って紅葉しかないってこと?!」
「山って何だろう?紅葉公園でいいじゃない。」
「紅葉のベット作りたいな。」と声があがってきます。
どんなものが見つけられるか予想を聞いてみると、
「ビービーダン見つけたいな。」
「保育園の子たちがいるかな。」
「写真とってるおじさんがいそう。」
「秘密基地のできる場所見つけたい。」などなど、
植物、物、人、場所といったいろいろなものが出てきました。
「早く行きたい!!」7人の見っけ隊員たちが意気込み満タンで出発しました。
「ダンゴムシ、いっぱい見っけ!」「ダンボール発見!なんでこんなところにあるの?」
大きな木。よく見ると黒いつぶつぶがある!
空き缶、傘、カップラーメン。
ごみがたくさんあるなぁ。
「橋に「ありがとうございます」って書いてある。
なんでかな?」
「渡ってくれてありがとう?」
「ルール守ってくれてありがとう?」
その後、この橋を「ありがとう橋」と呼ぶようになっていきました。
物だけでなく、書いてあることにも何だろう?とアンテナが働きます。
自分たちが読めないところは何て書いてあるの?と聞いてきます。
戦後に建てられた慰霊碑だと話すと、
「そしたら、ここをお墓にすればいいのに、なんで公園にしたんだろう?」
ひとつ知ることで新しい疑問が湧いてきます。
中に人がいる!ここは会社で、こっちは本屋?
公園内にある地図を頼りに入り口を探して中に入ると、そこは会社のようなところもあれば、食事をするレストランもありました。また、別の入り口から入ってみると、本がたくさんあります。本屋?図書館?意見が分かれ、人が並んでいるカウンターをじっと観察してみることに。
本を持ってきた人が手続きを済ませ、お金を払うことなく、本を受け取っています。
「ここは図書館だね。」その声にみんな納得。
誰でも入れる場所、本を借りたり、読んだりできる場所。静かな空間に子どもたちも自然とそれに合わせていきます。図書館から外を見ると、さっきまでいた紅葉山公園が見えます。
外に出て見ると、一人が不思議そうに言いました。
「ここは何階?」
公園から見たときは、高いところにあったのに、出て見ると1階?
「公園の入り口に階段の1段目と道が同じところがあったよ。」と
別の子が言い出します。
高低差に着目して、公園内を歩いてみると、坂や階段があることが見えてきます。
「ここって小さな山がいっぱいあるよ!」
「ここも坂になってる!」
石の上に見つけたビービーダンを置くと、
コロコロと転がっていきます。
「だから、紅葉公園じゃなくて、紅葉山公園なのかな。」
でも、紅葉だけじゃないことにも気づき、モヤモヤしてきます。
「あれ?こんなの昨日はなかったのに。
何だろう?」
「見っけ隊が中に入ったからかな?」
「探検するには、入った方がいいよ。」
「どうして入っちゃいけないんだろう?」
「公園の人に怒られるから?」
公園の人というのは、公園を守っている人だと言います。
見かけるときとそうでないときもあるようです。
また、「昨日と同じおじさんが同じところにいた!」という発見もしています。
最初、子どもたちから出てきた予想にもあったように、物だけでなく、
植物や人、建物や地形にも目を向け、様々な気づきや疑問が出てきました。
まだまだ紅葉山公園にはたくさんの何かがありそうです。
来週も引き続き、公園という場の観察を続けていきます。
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※TCS2016年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。