タイトル:To Be or Not To Be
探究領域:自主自律
セントラルアイディア:「意思決定とは行動を約束することである。」
[3・4年生]
先週は、意思決定と判断基準を別次元で捉えるために、
これまで思い返してきた自分の行動を状況・意思決定・その理由の3つに
分けてみることで 判断基準を掘り出していくことにしました。
でも、まだまだ一面的な部分しか出せていません。
今週も、引き続き意思決定した裏側にある、意味や意図といった役割を考えていくことで
判断基準を探していきます。
事例が多いほど、判断基準の特徴が浮かび上がってくるかもしれません。
並行して、『半パン・デイズ』に出てくるヒロシの意思決定や判断基準を読んでいき、
自分ごととして捉えていきます。
ヒロシは上田くんの家に行くことと
吉野くんたちと海に行くことの2つの約束を同時にしてしまいます。
ヒロシからすれば、上田くんとプラモデルで遊ぶことは楽しいことではなく、
海で泳ぐことも苦手であり、吉野くんたちとも仲がいい関係ではありません。
そのような状況でヒロシは海に行くという意思決定をします。
「俺も同じようなことがある。」
3年生の一人から同時に2つの約束をしてしまったときの話が出てきました。
家で遊ぼうと言ってくれた友達はあまり好きではない。
映画に行こうと誘ってくれた友達は、いばっている。
そこで、彼がした意思決定はどちらの約束にも応えず無視をするという行動でした。
結果、友達関係は悪くなってしまい、お母さんにも怒られたとのこと。
振り返ってみると、そのときの判断基準は、そのときの気分だといいます。
だから、2つの誘いにどちらともいいよといってしまい、
どちらにも行きたくなくなって、行かなかったといいます。
さらには、
「俺の性格は最悪だ。」とつぶやきます。
「相手も嫌な気持ちにさせて、お母さんも嫌な気持ちにさせて、
自分も今でも嫌な気持ちになってる。自分に嘘をつくことになった。」
彼の発言の素晴らしさは、自分に嘘をついて嫌な気分になっていることを正直に
みんなに話せているところ。ただ、ネガティブになっているところは、
偏っているかもしれません。
人が怪我をしたり痛そうにしてたりすると、「大変だ!」と相手を気遣うところは
人一倍強いところがあります。決して最悪などではありません。
友達から具体例をあげてもらって、気づく部分も多々あります。
自分で思い起こせる行動を記録し、そのときの判断基準とそう判断したことで
出てくる問題点を記録していきます。そして、全体でのシェア。
今週はこの繰り返しとなりました。
約束が守れないのには何かしら理由があります。
しかし、その行為は問題を生じることになってしまいます。
スクール内では年明けから百人一首が盛んでどんどん歌を覚えていて、
フリーの時間や放課後にも進んでやっている子たちがいます。
4年生の女の子が下級生と一緒にやる約束をしていたのに、
守ってもらえず、その子を半ば強引に誘い出します。
一緒にできて女の子は満足していますが、下級生の方は嫌々やっている様子です。
お互いがハッピーになれずに気まずくなり、問題点が出てきました。
そもそも、
なぜ、その子を誘ったのか。
その意思決定にはどんな意味や意図があったのか、意思決定の役割を考えることで、
判断基準を見つけ出していきます。
本当は言いたくないけど、実は、自分が勝ちたくて勝てる相手を選び、
相手の気持ちは考えなかったと泣きながら話してくれました。
一方で、下級生側にも「なぜ約束をしたのか」ということへの判断基準を
考えていく必要ももちろんあります。
いい人に思われたい。自分は悪くない。そう思いたい気持ちは誰にでもあります。
自分に嘘をつかずに、ズルい部分も思い切って出せるかどうかか。
また、自分の嫌な部分だけでなく、いい部分もしっかり受け止めることができるかどうか。
ありのままの自分を出していくことで、
後半の自分宣言につながっていきます。
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