タイトル:Dear Editor
探究領域:意思表現
セントラルアイディア:「編集によって情報の価値は変わる。」
[5年生]
なんとかゲラづくりが終わり、とりあえず Dear Editor のテーマ学習は終わりました。このテーマ学習の醍醐味は、なんといっても、子どもどうしの「相互編集」です。ちょっと年が離れ、なんとなく力をつけてきた先輩と、まだまだの後輩がペアになることで、お互いが刺激され、成長するのです。
昨年は、編集される側で、なかなかひどい(笑)文章を書いていた子が、編集されて、作品をよくしてもらった体験をベースに、自分も後輩たちの作品を、強い責任感を持ってよくしてやろうと臨みます。また、後輩たちは、自分たちの思いをくみとってもらいながら、ああ、こういうことを書きたかったんだ!と気づき、書く自信とコツを少しずつ身につけてゆきます。これぞヴィゴツキーの「発達の再近接領域」の姿そのもの。先輩達の自然なひっぱりによって、後輩達は、持っている力をさらに伸ばし、新しい力をつけてゆきます。
「読みやすくて」「論理的な」文章を生み出すことだけが「編集」ではありません。「編集方針」が、完全にひとりよがりではなく、文章表現の基礎を身につけつつも、大胆に、面白いと思ったことを書きなぐる!というところにあれば、身だしなみのきれいな木になるように剪定しても意味がありません。ちょっと不格好でも、なんとなくゴツゴツ感があっても、面白さとらしさを残すことが子どもの本の編集です。
こうしてできあがった本に、子ども達がつけたタイトルは
こどもの「じ」
この本の題名の「じ」には三つの意味があります。私たちが作った、この本の題名の「じ」には三つの意味があります。
一つ目は「自」。 自和自和の「自」。だから、じわじわと考えて書きます。自然の「自」。だから、自然に思いついたことを生き生き書きます。自由の「自」。だから、自由に、思う存分発想を広げて書きます。そして、「自」発的の「自」。自分から書きたくて、書きたくてたまらない作品を書きます。
二つ目は「地」。「らしさ」と「強み」という「地」。だから、個性という「地」をさらけだして書きます。
三つ目は「字」。もちろん、これは文字の字。字を書いて表現するのですが、字によって思いを表すには、学びのアンテナをすべてフル活用しないといけません。「学」と「字」という漢字を見比べてみて下さい。「学」の三つのアンテナがすべて集まってひとつになると「字」の一本アンテナになるでしょう。
子どもが「字」を書いて、「地」をいかし「自」由に、「自」に、じわじわ、「自」発的に表現した面白作品の数々を集めたのが、この「こどものじ」です。
発売日は 3月19日。楽しみにお待ち下さい。
RI
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