タイトル:ゴミ・アミーゴ♪
探究領域:社会寄与
セントラルアイディア:『情けは人のためならず』
[2年生]
今回のテーマ学習、タイトルは「ゴミ・アミーゴ♪」です。
ゴミと友達になる、「利他行動である”ゴミ拾い”を楽しんでやってしまおう!」という思いが込められたタイトルになっています。
「利他行動」、「人のために行動すること」と聞くと、どんなイメージをもちますか?
「利他行動」ということばは、社会心理学は行動経済学で出てくるワードで、日常あまり耳にすることがないかもしれません。
子どもたちももちろん、今回が初めてのことば、「利他行動」と聞いた時、
・今回のテーマのタイトル、活動にかけて「ゴミを拾うこと?」と答えたり、
・「みんなにキレイに過ごしてもらう」ことではないかと考えたり、
・「学んだことを行動に移すことなんじゃないか?」
とイメージを膨らませ、考えていました。
さらに今回のセントラルアイディアは
「情けは人のためならず」
で、さすが「社会寄与」のテーマ「奥が深いことば」がどんどん出てきます。
情けは人のためならず、ときくと、「情けをかけてあげることはその人自身のためにはならないからやるべきではない」という解釈をされることがありますが、実際にはむしろ奨める意味で、
「情けをかけてあげることは、その人自身のためのみならず、回り回って自分のためにもなる」
という意味から、「人のためならず」となっています。
「情け」と聞くとまさに「情けない」が浮かんできますが、
漢字成り立ち字典の「情」のページに見事に「辞書的な意味」が載っていました。
「人を親切にすればいつかそのむくいがあるということ」
ただ、このことばを聞いただけではあまりピンとこない部分がありました。
「むくい」ってなんだろう?
「むくい」って聞いたことがる?
と質問してみると・・・
・「例えば、悪いことをして怒られるじゃない、そうしたらその人は報いを受けて、あーこうしなきゃなと思って、その人のためになるんだよ」
・「自分が人を親切にできる人になるってことかな?」
・「救われる、運がいいことかな?」
ともやもやと考えてゆきます。
そんなもやもやをもちながら、翌日は、近くの公園に「利他行動」としてのゴミ拾いをしにゆきました。
すると・・・
・「あー!結構いっぱい落ちてるね!」
・「細かいところもよく見るとゴミが落っこちてる!」
・「なにこれーくさい、こんなものも落ちてるんだ」
とゴミを拾っているうちに周りで遊んでいた他の子どもがいつの間にか、手伝ってくれました!
そんな他の子たちを巻き込んだ次の日は、前日の利他行動のよかったこと、もっとよくなることを振り返るところからスタートしました。
・「怪しいところは結構拾えた!」
と思いつつ・・・
・「ゴミはあるのに見逃しちゃったなぁ・・・」
と「もっとよくできるところ」を炙り出して行きます。
振り返ったら即実践だ!
ということで、早速昨日と同じ公園に利他行動に行きます。
今回は、じっくりどこにゴミがあるかよ〜く探して、
蜘蛛の巣が張っている、小さいトンネルの中を拾ったり、
他の人が見逃したところも見逃さないように拾うことができました!
そして見てください、この昨日よりも多いゴミの量を!
さて、スクールに戻るとまた今回の利他行動のよかったところ、もっとよくできるところを振り返ります。
・「やっぱりもっとあるんじゃないか?って思うことが大切なんじゃないか」
・「みんな遊んでて、おばさんが話をしているのに、大声だと邪魔になっちゃう、Open-mindedじゃなかったよー」
・「茂みに入れなさそうでも、もっと入ってみようとしたほうがよかったかも!これはもっとRisk-takersになれたよ。」
今回は「利他行動」とはどんなものか、考えながら実践しました。
これから、子どもたちは、「利他行動」からどんな価値を見出すことができるのでしょうか。
TY
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