タイトル:My Hero Story
探究領域:意思表現
セントラルアイディア:「考えや思いはストーリーで相手に伝えることができる。」
[3・4年生]
「今回のテーマは、My Hero かー。」そうつぶやく子どもたち。
先輩たちも、スタッフの間でも、このテーマ名を略してMy Heroとたびたび読んでいます。
では、そのヒーローという言葉にどんなイメージを持っているのでしょうか。
1週目は、「ヒーロー」という言葉について思っていることをどんどん言葉にして表に出していきます。
当たり前に使っている言葉ほど、それぞれに思うイメージが違っていることも多くあります。
「すごい人」
「この人、すごーいって思う人」
「すごい」とはどういうこと?
これもまたよく使う言葉であり、中身を聞いてみないとわからない言葉です。
「自分が尊敬している人」
「いろんな人に尊敬されている人」
今度は「尊敬」。聞いたことはあるけど意味はわからないと素直に言う子が出てきました。
「その人を信じるってこと」
「憧れの人」
「ヒーローを見たら、元気になれる」
「諦めなくてすごい人」
「すごい」というのは、諦めなくてすごいってことだという意見が出てきました。
つまり、すごいというのは、何かをしたからすごいと思うってことで使っていたようです。
では、ヒーローは何をしてすごいのでしょう。
「何かを目指して頑張ることかな。」
「自分が追いかけている夢を叶えたから」
ヒーローの「すごい」ところはなんとなく見えてきた様子ですが、「?」が消えないのは
「尊敬」という言葉。「ちょっと、尊敬ってまだよくわからない」率直な意見がほかの子を刺激します。
「尊敬って好きってことかも。」
「変かもしれないけど、うちのお母さんはふなっしーのことが好きで、それは何でかというと、自分でどうやったら、みんなが笑ってくれるか考えて頑張っているからだって言ってた。」
「好きってファンってことか。」
これまでの話をつなげて考える子が出てきました。
「ヒーローって有名になることかな。」
「みんなのためになることをするってこと?」
「ヒーローのやっていることをしたら楽しめるってこと?」
ふなっしーはヒーローだという意見。言葉の意味を確認していく中で、ハッと思い出し、出てきた発言でした。ここから、ふなっしーの他、頭に浮かぶ具体的なヒーローを聞いてみました。
ウォルト・ディズニー:
誰も思いつかない発想でミッキーや映画を作ったからすごい。
『ONE PIECE』の主人公ルフィ:
海賊王になるためにはどんなことも諦めないから。
『ワールドトリガー』に出てくる遊真(ゆうま):
モンスターと戦って、友達や学校のみんなを助けた。
『BE BLUES!』の主人公りゅう:
怪我してお医者さんにはもうサッカーができないと言われたのに、絶対できるって信じて頑張った。
浅田真央ちゃん:
お姉ちゃんのために頑張るといって本当に優勝したことがあったからすごい。
DeNAの中畑監督:
ずっと優勝できてないけど、絶対できると思っている。
『カーズ』をつくったジョン・ラセター:
ディズニーリゾートの清掃員から、カーズやトイストーリーの生みの親になった。
キティをつくった人:
別にいいやという気持ちじゃなくて、サンリオをつくった。
ハリー・ポッター:
ヴォルデモートをやっつけた。
『木を植えた男』の主人公:何もないところに種を植え続けて、諦めないで育て続けた。
のび太:
自分で戦い続ける。人思い。「俺すごいだろ」ってところがない。
アンパンマン:
みんなを守っている。
それぞれの頭に浮かんだヒーローたち。共通していることを探していくと、次の3つがあがってきました。
・何があっても諦めない。ずっと頑張る。
・夢を叶え続ける。叶っても、次の夢を見つける。
・いいことをしている有名人。
今週は、ヒーローとは何か、どんな人がヒーローなのか、イメージを出し合い、言葉の意味を確認しながら、共通して言えることを明らかにしていきました。そして、子どもたちの頭には新たなモヤモヤが生まれてきたようです。
「ヒーローはすごい人ってわかったけど、そのすごいを考えるのって難しい。」
「赤ちゃんや子どものヒーローっているのかな?」
「どうやって、有名になれるのかな?」
「みんなにとってのヒーローって何?どこからどこまでがヒーローなの?」
「本当にいいことをするってできるの?」
「どうすれば自分はヒーローになれる?」
クラス名(目標)を決めるにも、なかなか話し合いが進まなかった3・4年生たちです。
太陽のように明るいクラスになりたい、いつでもポジティブな自分になりたいという理想はあるけれど、どうやったら理想に近づけるのか、どう行動したらいいのかまではわからない状態です。まさに、彼らが知りたいことは、ヒーローになる過程の部分。来週からは、大好きなヒーローを一人に絞り、その人の生き方を見ていきます。
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※TCS2015年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。