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「おかげさま」~ふりかえり~

タイトル:おかげさま
探究領域:社会寄与
セントラルアイディア:「私たちはみんなのおかげで生きている。」

[1年生]

プレゼンテーションでは、子どもたち一人ひとりが自信を持って、3つに分類したお弁当作りの作業を説明し、それぞれに思うおかげさまについて語ることができました。質疑応答では、分類の仕方の詳細を求められたり、おかげさまと思うことを実践していれば教えてほしいと聞かれたりしていました。準備してきたことは堂々と伝えられるようになりました。1年生としては実に立派なことです。次へのチャレンジは、その場で聞かれたことに自分の思うことを思うままに伝えること。プレゼンが終わり、ふりかえりの時間になると、緊張も解けて自分自身を見つめ直し、課題を受け入れることができている様子でした。

「運動」「保守」「創造」の3つに動作を分類する。そこには、正しい分類といった決まった〝答え″はありません。子どもたちが、3つのどれにも当てはまると発言したり、思わず「これはただの運動か」とつぶやいたり、「意味があれば保守になる」と分析をしたりしていたように、見方を変えることで分類は変わっていきます。「運動だ!」と思っていたものが、インタビューをすることによって「保守」にも見えるようになる。思い込んでいたものが見え方ひとつで揺らいでいく。これまで「蚕糸の森見っけ隊」や「静かなともだち」など、多くは観察して発見したものを記録してきたわけですが、1年生最後のテーマ学習として、決まった枠組み(今回は3つ)の中で、どれに当てはまるかという観点で観察をしていくという新しい試みをしていきました。テーマ学習以外の場面でも、「それって、保守だね」「あ、創造だ」など、自然と分類している様子がたびたび見受けられました。

また、質疑応答の場では、うまく応えることのできなかった、自分自身がおかげさまになる行為については、今後も、考え続けてもらいたい問いのひとつです。こちらについても、ふりかえりの時間において改めて考えてみると、「誰かが何かを落としたら、声をかけたい。」「近所を掃除してみたい。」「ご飯粒や欠片も残さず食べる。」「紙を無駄使いしないで、使い切る。」など、自分たちが何か工夫をすることが誰かの役に立つかもしれないと感じるようになっていました。

セントラルアイディアを最初に提示したときには、「みんな」というのは自分の身の回りの人たちだと思っていた子どもたちでしたが、「みんな」とは、身の回りの人に加え、どこかでつながっている誰かであり、家族だけでない先祖であり、昔に生きていた人、生き物、そして、太陽や水、土といった自然だと認識が広がっていました。
語源は「蔭」からきている「おかげさま」。今では、挨拶語として使われています。子どもたちの中で、蔭で知らないうちに誰かの役に立つことがおかげさまだという見方も、今後、おかげさまと感じたり、おかげさまになったりしていくことを通して広がっていくことでしょう。

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