特定非営利活動法人 東京コミュニティスクール

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東京コミュニティスクール

問いを立てて学ぶ

[5・6年生]

テーマ学習で最も大事になるのはセントラルアイディアです。
これは子ども達が探究を通して理解する重要な概念を表したものと
思って頂いてよいでしょう。
今テーマのセントラルアイディアは「遺伝や進化によって私たちの
今があり、さらに変わることができる」。
そこには、決定論に陥ることなく、自分の意志や行動で自分の人生
を切り開く事ができるはずだという我々の思いが込められています。

「何を変えられるのか、何を変えたいのか、何を変えなくてよいか」

それらを考えていくためには、そもそも私たちは生物学的にどんな
性質を受け継いできたのか、また変わってきたのかについて科学的
知識を押さえておくことが重要になってきます。

では、皆さんはあるテーマについて新たに学んで行く際にどのよう
な方法で知識を獲得していきますか。

手当たり次第に関連書籍を読みあさる?
辞典をひっくり返して、網羅的に読み込んでいく?
それとも・・・

どれも断片的な知識ばかりがどんどん増えていくだけで、結局のと
ころ、その本質は何なのかをつかみ取ることは難しいでしょう。

「不思議だなあ」「なぜなんだろう」という素朴な疑問を出発点に、
問いを深めていくために重要なのはその観点です。

今回、進化や遺伝に関する科学的知識を押さえるためにテキストを
作成したのですが、問いを立てる上でIBのKey Conceptsが活躍
しました。
テキストの章立ては以下の通りです。

form:DNAの構造について理解する
function:DNAのはたらきについて理解する
causation:DNAが必要な理由を理解する
change:DNAの変化について理解する
connection:DNAが他に及ぼす影響について理解する
perspective:DNAを別の視点から理解する

具体的にはformにおいて、
・私たちのからだのどこにDNAはある?
・DNAの中に書かれている情報は?
・DNAはどんな形をしてる?
という問いを立てました。

ある観点を持って深めていった事柄が、ふとした瞬間につながり、
知識の基盤がどんどん膨らんで豊かになっていく。
今回のテーマを通じて、子ども達にそれを実感してもらいたいと
考えています。

ちなみにこの自作テキストは先輩達も使用したのですが、今回はそ
こに新しい要素を加えることにしました。
それはテキストを電子化するという試みです。

使用したのは、AppleのiBooks Authorというアプリ。
美しい画像も、音声も、動画もミックスして、簡単に教科書を自
作できるというすぐれものです。
これを使わない手はないということで、科学雑誌や本から必要な
部分を抜粋したものをカラースキャンし、章立てごとに並び替え
ることで、見事オリジナルの遺伝の電子テキストができあがりま
した!

早速、授業中に子ども達に一台一台iPadを手渡し、自作テキス
トを見てもらいます。

photo-20131101.JPG

科学雑誌の色鮮やかな画像が見事に再現されているのを見て、

「すげーーーっ!」
「俺も自分で教科書を作ってみたい!!」

と思わず歓声があがります。

電子テキストを自由に触る中で、メモ書きやハイライト機能を発
見する子ども達の姿を見て、重い教科書を持ち運び、机の上に教
科書を広げて、黒板に向かって先生の話に耳を傾けるという学習
スタイルは、やがて過去のものとなっていくんだろうなあと感じ
ざるを得ませんでした。

今回のテーマの前半では、この電子テキストとNHKスペシャルや
映画などの映像作品を活用し、遺伝や進化に関する科学的知識を
学んでいきます。

HY

TCS2013年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。

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