[6年生]
テーマ第3週目。
今週も先週に引き続き、天気の変化に関わる原理を理解するため、
実験に取り組みます。
理科(実験)の時間も使わせて頂き、風をつくる実験に挑戦しました。
空気の性質を知り、その流れが風であることを理解した子ども達。
「風をつくれ!」のミッションのもと、実験に取り掛かります。
こちら側で用意した材料は水槽、ラップ、線香、ホッカイロなど。
「風を起こすためには、冷たい空気と温かい空気を作らないといけないんだよな。」
「ホッカイロは使えそうだよね。キッチンの冷蔵庫の中に使えるものが
ないか見てくる!」
フットワーク軽く、早速、冷蔵庫から紙箱入りバターを持って帰ってきました。
「線香の煙が漏れないよう、水槽の上にはラップをしっかりしないとね。」
「バターの位置はどこがいいだろう?上空の気温が低いということは、
水槽の上の方にぶら下げた方がよいのかな?」
最終的に水槽の片側にホッカイロ、もう一方に紙箱入りバター、真ん中に線香と
いう配置に。
実験方法を説明する資料を渡さなかったにも関わらず、自分たちの頭で考えながら、
いろいろ試してみようとする姿勢はTCSキッズならではといえるでしょう。
しかし、実験をしてみると、バター側に煙が移動し、下がっていく様子は
見られるものの、その煙がホッカイロ側になかなか流れ込んできません。
「なんか、微妙だね。。」
「ホッカイロが温まるのに時間がかかるからなのかなぁ。」
もっと温冷差をはっきりさせた方がよいと考えた子ども達は、再びキッチンへ
向かい、お湯を入れた魔法瓶と保冷剤を持ってきました。
湯気が邪魔して線香の煙が見えなくならないよう、お湯が入っている容器を
ラップする工夫を行い、再度実験開始。
しばらくすると、煙がゆっくりと対流していきます。
その様子を見て、
「大成功!」
「なんだ、雲の実験に比べて簡単だったね。」
と子ども達。
しかし、これで終わらないのがTCS流です。
「じゃあ、次は実際に太陽光を使って再現させてみようよ。」と問いかけます。
「うーーん、困ったな。。」
てっきり、これで実験が終わりと思っていた子ども達は予想外の展開に
びっくりした様子。
そんな中、こちらが用意した材料から使えそうなものはないか探し、
黒い紙と白い布を発見しました。
「黒色は光を吸収するって聞いたことがあるし、これでいけるかも!」
教室を飛び出し、スクールの玄関前に水槽を設置します。
しかし、天気はあいにくの薄曇り。
「こんな天気でも大丈夫かなぁ。」
そんな心配をよそに、煙は見事に対流します。
太陽光の力に驚きを隠せない子ども達に最後の指令です。
「じゃあ、水と土を使って海と陸の状態を再現してみよう。」
今回の実験にあたり、ホームページでも事例を調べましたが、太陽光/土/水を
用いたケースは見かけませんでした。おそらく、限られた時間の中で早く結果を
出すためには、卓上ライトや黒い紙を使った実験に留まってしまうのでしょう。
ただ、我々としては、実験を単なる楽しいだけの疑似体験に終わらせず、
できるだけ現実に近い状況を再現してみることで、知識と実体験を
より強く結び付けることができるはずと考え、今回の実験を試してみることに
したのです。
子ども達は紙パックを二皿用意し、それぞれに水道水と土を入れました。
もしかしたら日本初の実験事例かもということもあり、子ども達だけでなく
スタッフもハラハラ&ドキドキ。
で、実験結果はというと、
「水側に煙は行くんだけど、なかなか土側に煙が流れ込んでいかないなぁ。」
「水がある片側だけで、煙が対流してるみたい。」
なかなか思い通りの結果になりません。
その日は終業の時間がきてしまったので、日を改めて再チャレンジすることに
なりました。
そして、翌々日のピーカンのお天気の日に再実験を行いました。
「わぁ、すごい。煙の塊が動いているのがよくわかる!!」
「土でも再現できるもんなんだなぁ。」
実験は大成功です。
その後、教室に戻り、実験のふりかえりをおこないました。
実験の手順を、図を用いながらまとめ、どうして風が起こったのかを
自分の言葉で説明します。
今回は様々なパターンの実験を行い、しつこく、粘り強く取り組んできました。
簡単にわかったと思わせてしまっては、追究がそこでストップするからです。
子ども達も弱音を吐かず、よく食らい着いてきてくれました。
いよいよ、テーマも折り返し地点。
GW明けは、天気を予測するにあたり、天気図をどう読み解いていくのかを
学んでいきます。
HY
※TCS2012年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。