[3年生]
「相手の役に立つってどういうことだろう?」
初日の前半に、今回のテーマタイトルの意味や目指すべき姿、そして達成目標を
子どもたちと共有した後、この問いを発しました。
いったいどんな答えが返ってくるのか、興味津々でした。
「席をゆずる!」
一人の子の発言をきっかけに、次々に意見が出てきます。
「荷物を持ってあげる」
「東北の被災者のためにボランティアへ行く」
「人を応援する」
そんな中、「人にやさしくすることは大切だけど、あんまりやさしくしすぎると、
相手のためにならないとも思う」という意見も。
(やるもんだなぁ、いきなり本質をついてくるとは。。)
あっという間に、子どもたちの発言で模造紙がいっぱいになります。
現時点で、子どもたちが「相手の役に立つ」という言葉から連想するイメージが
明らかになってきました。
イメージマップが完成したところで、今後の進め方についての説明です。
今回のテーマで重要なのは、頭で考えることよりも、実際にとことん行動してみること。
その中で見えてくるものがあるはずです。
まずは動いてみようということで、普段、給食でお世話になっている
救世軍ブース記念病院に、ボランティアをさせて頂くお願いをしました。
仕事内容は綿布切りのボランティアで、医療用に、使い古されたTシャツやタオルを
ハサミで切っていくというものです。
ボランティアという言葉は聞いたことがあるものの、まだイメージがぼんやりしている
子ども達に、ボランティアの定義や心構えを叩き込みました。ボランティアは遊びではなく、
仕事であることを特に強調して伝えました。
そして、今回初の試みとして、自分たちの仕事ぶりを先方に客観的に評価してもらうために、
評価シートの評価基準を自分たちで決めることにチャレンジしました。
評価シートに
・安全に作業を行うことができた
・指示をよく聞き、やるべき仕事の内容を理解した
・やるべき仕事を手を抜かずに行うことができた
の3項目を挙げ、それぞれ4段階の基準を設定することで、振り返りの際、
何ができていて、何ができていないかが明確になります。基準の決定には四苦八苦しましたが、
なんとか納得のいくものができあがりました。
そして翌日。救世軍ブース記念病院を訪問しました。
病院のボランティア担当の方に作業部屋に案内して頂き、早速作業の開始です。
現場で同じようにボランティアをされている方にやり方の説明を聞き、
見よう見まねでやってみました。
普段から家のお手伝いをしている女の子は手先が器用で、どんどん作業をこなしていきます。
一方で、はさみの使い方ひとつにしても、見ていて危なっかしい子もいます。
作業時間は1時間弱でしたが、みな集中を切らさずに真剣に取り組んでいました。
ただ、慣れない作業もあってか「少し疲れた」「手が痛くなった」という正直な感想も
聞かれました。
来週は、先方に記入した頂いた評価シートやビデオ映像を元に、自分たちの仕事を振り返り、
よりよくするためにどうすればよいかを考えていきます。
HY
※TCS2011年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。