特定非営利活動法人 東京コミュニティスクール

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いい仕事とは?

[4・5年生]

今週から始まった4・5年生のテーマは「いい仕事してますね。」です。
今回のミッションは職人になって椅子を作ってもらうことです。

『みんなに職人さんになってもらって椅子を作ってもらいます。年末までにスクールから正式に注文が入ります!納期はテーマ発表会までですよ。』
『じゃすぐ作ろうよ。』『えーー、自信なーい。』『楽しそう!』『うまくいくかなーー。』などなど色んなリアクションが飛び交います。

子どもたちの中で工作が得意な子もいるようですが、大体の子どもたちが初心者。

初日はまず『いい仕事とは?』について子どもたちの考えを出してもらい、まずこのテーマに取り組む前の彼らの認識をイメージマップに作成しました。それからこのテーマで大切となるLearner Profile(学習者像)であるinquirers、principled、balancedについての意味合いを共有しました。(例えばprincipledは相手のニーズ、求められていることをしっかりやる。balancedは安全に十分気をつけて時間を効率的に使い納期を守る。など)
特に安全管理については子どもたち自身に最も気をつけてもらわなくてはならないことです。そのためにも練習の段階で道具の使い方を考えながら学んでいく必要がありますし、同時に時間管理もして相手のニーズに合った仕事をしていくことが『いい仕事』です。

木曜日には奥多摩にある素敵な注文家具工房『エミケン』さん(http://www.emiken.com)を訪ね、職人の心得を伺ってきました。『エミケン』のケンさんには以前も今の6年生たちがお世話になったことがあります。自然豊かな奥多摩の川沿いにエミケンさんはあります。我々が到着するとケンさんが暖かく迎えてくださいました。まず最初に1階の工房を見学させて頂き、家具を作るための様々な機械について説明してくださいました。

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今まで見たこともない機械に興味津々な子どもたち。壁にはその時によって更新されていくというケンさんの『職人心得』が貼ってあります。かっこいいです。

『みんな作業場を見てどう思った?物があまりなかったでしょ?ぼくはいいモノを生み出すには整理整頓されたスペースじゃなくちゃいけないと思うんだよね。散らかってたり汚い場所からはいいモノは生まれないんじゃないかな。』

それから広くて木の質感が優しい二階のスペースに移動して暖炉を囲みながらお話を伺いました。

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『みんな焚き火ってしたことあるかな?』『あります。』『うん、あるよ。』『何を使って火をつける?』『新聞紙を使うよ。』『ぼくはこの小さな牛乳パックの破片だけで火を点けられるよ。』そして本当に小さな紙片で火を起こしました。

『なんですぐに火がついたかっていうとね、ちゃんと木を火が点きやすいように空気の入り方を考えて組んであるからなんだよ。段取りだね。』『ふーーん。』と子どもたち。

『仕事も同じ。段取り八割。段取りが大切なんだよ。図面をしっかり書くとか道具を手入れするとかね。準備だよね。』なるほど~。また、次に『型から入る』工場でのラジオ体操や心得を唱和することや服装を仕事用にピシっと切り替えることなど型を整えたり変えることで自分を仕事師に切り替えることを教わりました。

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そして子どもから
『仕事はやっぱり楽しくやったほうが良いんですか?』との質問に対し、『作っている時の気持ちってその作品に記録されていくんだ。だから相手のことを考えて誠実に作っている作品といやだと思って作る作品は全然違うんだよ。』これには私がなるほど~といい気付きを頂きました。また椅子作りについていくつかのアドバイスを頂くことができました。

このようにこれから作業に入っていく前の段階でケンさんのようなプロ中のプロから直にお話を伺い心得を意識して作業に入れるというのはとても恵まれていることです。ケンさん年末のお忙しいところお時間を頂き本当にどうもありがとうございました!
来週からの練習も心をこめてがんばっていきましょう☆

YI

TCS2011年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。

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