【探究領域】共存共生
【セントラルアイディア】種は互いに影響し合って生きている。
<テーマ学習 レポート>
私たちが暮らす地球では様々な地域に多様な生態系が存在します。その生物の多様性によって生み出された調和の中で私たちの生活は営まれています。ただ、こうした調和は普遍的なものではなく、それぞれの生き物がお互いに相互作用を及ぼしながらバランスを取っている不安定なものでもあります。
身近な自然を観察してみてもそのことに気付くことができるように様々な要因によって元々その土地に土着していた固有種以外にも多くの外来生物が共に生息しています。
近所の公園にいるアメリカザリガニ、ミシシッピアカミミガメ(ミドリガメ)、花から花へと飛び回るセイヨウミツバチ、そして多摩川にはピラニアやワニガメが暮らし、「タマゾン川」とも呼ばれています。
新宿の高層ビル群に住むオオタカや電線に止まっているカラフルなインコ。それに見慣れた風景を形成している野に咲くタンポポやセイタカアワダチソウ。
私たちの気付かないところで、元々はその地域にいなかった「外来種」がやってきて、元々その場所にいた「在来種」の命の営みを脅かし、「絶滅危惧種」へと追いやっている現実があります。この現象は、世界各地で起きていますし、そしてもちろんTCSの周囲でも、在来種の中に外来種が侵入することによる生態系の変化が起こっているのです。
いったいなぜこのようなことが起きるのでしょう?
また、こうなることでさらにどのような影響や変化が起こるのでしょう?
私たちの生活とどのようなつながりがあるのでしょう?
このテーマ学習では各生態系に生息する様々な生き物たちの生物間相互作用とそこに関わる人間たちがどのように影響し合っているのか、あるいは崩しているのかその原因を考えていきます。そのうえで、人のライフスタイルや都市化が生態系の変化に与える影響を理解し、多様な生物が共存できる生態系をつくっていく/守っていくためには、どんなことがわたしたちにできるのかを考えていきます。さらには壮大な自然の営みには時間をかけて生態系を修復してバランスを保つ力も内包しています。
そういった自然界の営みについて身近な自然を入り口に視野を広げる探究が始まります。
YI
(参考) TCSテーマ学習について、以下よりご覧ください。
・2024年度 年間プログラム(PDF)運用版
・テーマ学習一覧表(実施内容)