【探究領域】共存共生
【セントラルアイディア】禍福は糾える縄の如し。
<テーマ学習> 〜レポート
〜「自然」ってなんだろう?〜
1、2年生合同で行う2回目のテーマ学習は「表裏一体」
いきなり漢字を模造紙に書くと、2年生が何名か反応し「おもて」と「うら」だ!と声が上がりました。「ひょうり」という読み方は出てきませんでしたが、漢字に対しても恐れずに立ち向かう姿勢が素晴らしい。
1年生はまだまだ漢字の学習が始まったばかりですが、2年生の発言を受けて「おもて」「うら」と呟いている様子がいいところ。
複学年の学びでは、上級生が助けるだけでなく、その様子から学びとることが多く、また上級生は下級生に対して働きかけたり、説明することで自身の学びがさらに深まっていくことが期待されます。
そしてこのテーマ学習の探究領域「共存共生」はまさに、みんなが「共」に「存」り、「共」に「生」きていくことを模索していく領域です。
それぞれ考えや意見が違うのは当たり前。だけどそれを排除するのではなく共にあることはできないのか、どうやって一緒にやっていくのか。一つだけではない答えを共に探して行きます。
そうした領域の中で、今回は「自然」に目を向けてみます。
静かなともだちを終えた1年生からは「もり!」「しょくぶつ!」「はっぱ!」というアンテナが立っていて、「せいぶつ」などの意見も出てきました。
でもあえて、自然ってなにかを説明するとしたら、どんなふうに説明できるのでしょうか?
「しぜんにつくられたもの」
なるほど。自然は自然に作られたものなのか。でも、自然に作られるってどういうことなのでしょうか?
「なにもしてないのにできること」「勝手にできるってこと」
そんな言葉が出てきました。どうやら自分たちが手を加えなくても勝手にできてくるものが自然という認識が強いようです。
そうすると「自然に動いちゃう」っていうよね、と発言する子も出てきました。自然に、という言葉はものだけでなく動きに対しても使うことができるようです。(形容動詞とは明言しませんが、動きについての言葉であることは強調しています)無意識にやってしまうこと、それが自然に動いてしまうこと。
子ども達のイメージは自分の意識に関係なく、勝手に、(自分が)なにもしなくてもできてくるものというもの。そんな自然に対して、「助けられている」という考えも出てきました。
けれど、まだまだ「自然」に対してのイメージが抽象的であり、全員がイメージしきれているわけではありません。そこで、ペアになって「自然のもの」と「自然じゃないもの」を書き出してみることにしました。
文字がまだスムーズに書けない子は2年生がフォローしながら、それぞれの考えを書き出して行きます。
自然のものってどんなもの?
人じゃないもの?ということは人は自然じゃない?
植物は自然。でもそれはなぜだろう?
植物は雨で育てられているから自然なんだよ。
あ!雨って自然だよね。
自然のものは息を吸っているかじゃない?息ってことは酸素を吸ってるってこと。
じゃあ人間は酸素を吸っているから自然のものじゃないかな?
まって、そうなると石は自然じゃないのかな?
一方で自然じゃないものはなにかな?
機械で作っているものは自然じゃないよ。材料が自然じゃないと、それも自然じゃないね。
燃えるゴミは自然だから、燃えないゴミは自然じゃないと思う。
電気で動いていたら自然じゃない。人の手が加わっているから。
人から育てられたら自然じゃないと思う。
それだと、人が育てた植物は自然じゃないのかな?
地面から勝手に生えてくるから自然だと思う。
プラスチックは自然じゃないと思う。
子ども達の生の声を引き出しながらも、そのロジックはどういう思考から紡がれているのかを揺さぶりつつも対話していきます。
自然だと思っていたけど、自然じゃないかも?でも自然じゃないってどこから決まっていくのだろう?
明確な境目があるような気がしつつも、見方によって変わってしまうものもある。そんなモヤモヤが子ども達の表情から見受けられました。
とはいえ、植物のように身近でよく見ているものならば、それがどのようにして発生しているのかもなんとなく考えることができます。けれどプラスチックのように名前はもちろん知っているが、それがどのようにして生み出されているのかが見えてこないと、どうしても自然じゃないものと感じてしまう子が多いように感じられました。
ちょっと脱線して、プラスチックの成り立ちを一緒に資料から読み取ってみました。
参考:学研キッズ
https://kids.gakken.co.jp/kagaku/kagaku110/science0451/
こうした資料を通じながら、気になったこと、疑問やモヤモヤをそのままにせずに深掘りしていくことにも挑戦しました。
2年生がお手本を示すように音読してくれたのは頼もしい限りです。
自然のものではないという意見が多かったプラスチックも、石油からつくられたことがわかりました。
でも、その石油はどこから作られたのでしょう?
新しい疑問が出てきました。そうなったら、また調べてみます。同じ学研キッズの中に「石油」についてのページもありました。 (https://kids.gakken.co.jp/kagaku/kagaku110/science0274/)
これによると大昔のプランクトンの死骸からできているとのこと。プランクトンなら聞いたことがある!という声も出てきました。
やっと、自分たちの知っている分野にたどり着いた子ども達。けれど、プランクトンは自然のものだったはず。ということは、プラスチックも自然のものから作られたということ。。。
一見自然じゃないと思うものでも自然とつながりがある、そんな一面が見えてきました。そういった視点でみていくと、果たして私たちの身の回りのもので自然じゃないものなんてあるのでしょうか?モヤモヤがまた広がっていきます。
自然について考えが広がってきたところで、今回のテーマのセントラルアイディア(CI)を紹介します。
CI: 「禍福は糾える縄の如し。」
いきなり多くの漢字が並ぶのでびっくりした子もいる様子でしたが、じっくりと考えていきます。禍福という言葉、それぞれで見ると「禍(わざわい)」と「福(ふく)」。悪いことといいこと。そういう視点でもう一度自然について考えていきました。
自然があってありがたい一面はもちろん、嵐や台風など自然によって危険が起きることもあります。
「糾える縄の如し」、縄は知っていますが、あざなう?
意味を考えるためにも実際に縄を見てみます。
ぐるぐる巻かれている。ねじれている?
じゃあ解いてみよう!どうなっているかな!?
黄色2本と黒1本がからまっていた!まって!でもそれもさらに細い糸でまとまっている!
改めて縄を見てみると細い糸がぐるぐるとねじり合っていて、解こうと思うと解けるけど、しっかりと組み合わさっていることがさわってわかりました。
じゃあ、解いた縄をもう一回戻せるかな?
「えー!」と困りながらも真剣に取り組む子ども達。くるくると巻かれているという中にも順番があり、しっかりと絡み合っていることが感じられていたようです。
実際に縄を見た後だと、「縄をなう」という言葉も少し感じ取れてきます。それが禍福についてとなると、いいことと悪いことがぐるぐるになっている、という視点にも至っていました。
なんとなく見えてきたセントラルアイディアを頭の片隅に留めつつ、禍福をさらに知っていくために、自然をもう少し解明することに挑戦してみました。
本や資料から情報を得ていきます。
「かこさとし」さんの絵本は、絵本ながらの読みやすさもありつつ、科学的な説明もなされているので平易な文章ながらも読み応えがあります。
テーマ学習内では「地震」についてと「風」についての本を読み合わせました。他にも火山や雪など自然現象にフォーカスした本があり、それらは自由に読めるように教室に置いておきました。
本を読みながら、風ってどうして吹いてくるのか、どれくらい強いのか、など身の回りのことと繋げて考えていきます。
「秒速3mってどれくらい?」
1秒間に3m進むくらい、といっても全然イメージできません。なので、走って確かめてみることに。3mは床のタイル6枚分、1秒間に走れるでしょうか?
秒速4mは?タイル8枚分!
秒速10mになると?タイル20枚分!!!
実際の速さではなくとも、自分たちでは到底走れる速さではないことは感じられました。そのくらいの勢いの風が吹いてくる、でも台風などはさらに強く吹いてくることもあると考えると、風の強さ、速さのイメージは少しずつ明確になります。
そして、インプットのあとは全体でふりかえりも丁寧に行い、どんなことを学んだか、どんな発見があったか、わからなかった・不思議だったことはあるかなどなど、言葉にすることで理解を促しました。
自然のしくみが見えてくると、そこからまた自然のつながりも見えてきます。自然じゃないと思ったものが自然からできていたことを思い出しながら、さらにそれらのつながりを見出していきました。
付箋に貼り出しながら、これとこれはつながる。
これにはこれが必要などなど、お互いが意見を出しながらまとめていく作業も少しずつ自分たちで進行できるようになってきています。
2年生は1年生を促しつつ、自分たちも発言。1年生は2年生の発言をうけつつ、しっかりと発言していきます。
2年生は去年上級生の姿を見ていたからこそ、自分たちもやろうと張り切っている様子も見られました。
こうしてみると、いろいろなものがつながって、私たちに届いていることが目に見えるようになってきます。私たちは本当に、様々な自然の恩恵を受けて過ごしているのですね。
でも、そんな恩恵ばかりではないのが自然。時として私たちの命を脅かすこともあるのです。
絵本からもそうした情報を得ていた子ども達は、恩恵と脅威の両側面からもう一度自然を見直してみることにしました。
みんなで話し合うタイミングで、TCSはテレラーンに突入。
慣れないテレラーンながらも、グループに分かれて恩恵と脅威を考えていきました。
太陽一つとっても、植物を育てたり、光合成をする恩恵があれば、熱中症になるような夏の暑さなどの脅威もあります。
様々な事例を挙げながら、その恩恵と脅威の結界はどこにあるのか、それぞれの視点で意見を出し合いながら探っていきました。
人によって危険、怖いというものもあれば、これがきたら誰もが死ぬかもしれないという脅威もある。どこからが安全で、どこからが危険なのか、お互いに議論しながらも、自分たちの中でしっかりと結界を意識する大切さを伝えていきました。
恩恵と脅威の両面から自然を見て学びを進めていく中で、元日に能登半島で大きな地震が起こりました。
日本全土を揺るがすほどの大地震。都内では大きな揺れは感じ取れなかったものの、ゆったりと長周期の揺れがつづき、気持ち悪さを感じた人もいたのではないでしょうか。
TCSキッズの中には能登の方に言っていた子もいて、無事に帰って来れたものの、地震の怖さ、強さを体験をもとに語ってくれました。今でも緊急地震速報などの音を聞くと怖くなると言っていましたが、大きな地震を体験していない1、2年生は急に緊急地震速報が流れたらどんな反応をするのでしょうか。
テーマの始めに実際にテレビ番組中に流れた緊急地震速報の動画を見てみたのですが、全員じっと動画を見るだけで、特に動き出す子はいませんでした。中には頬杖をついてのんびりみている子も。
もしこの緊急地震速報が本当なのだとしたら、今の行動がいかに危険なのか、そして本当に地震が起こったらどうすべきなのか。子ども達に問いかけて動いてもらいました。
今度はさっと机の下にもぐる子ども達。他のキッズから聞いていて、潜りこむことは知っているようです。けれど、机の下で押し合ったり、周りをキョロキョロ覗き出したり、机の近くの椅子を押し出してしまったり。自分の身を守るためのはずの行動で他の人の危険を生み出してしまう動きも見られました。
地震という脅威があることは知ったものの、それがどのような形で起こるのか、そしてもし起きたらどうしたらいいのか。その観点でもう少し自然の脅威の側面の理解を深めていきます。
テレラーン中に出し合った「自然の恩恵と脅威」をふりかえって、私たちにとってなければならない恩恵や反対にあったら命を失ってしまうような脅威を整理し、どこから自分にとって危険なのかという「結界」をそれぞれ考えていきました。
チームや個人によってその見解は異なり、話し合いの中でも「自分は〜」と感じるところを伝え合う場面が多くみられました。
一方で、地震については多く話題に上がっていましたが、「命に関わるような脅威」という危険性にのみ着目しており、地震にも強さの違いがあることや揺れ方の違いなどを踏まえて恩恵と脅威を仕切ることは難しい様子でした。実際に強い地震が起こるとどんなことになってしまうのか、見るだけではなかなかイメージがつかないものです。
そこで、本所にある防災館に出向き、擬似的にですが災害を体験してみることにしました。
本所防災館。この日は大学生の団体も来ていて、団体に分かれてそれぞれのコーナーを体験していきました。
暴風雨の体験
暴風雨について説明を軽く受けつつ、雨具と長靴を着用し、物は試しとワンばかりにそのまま体験室に入っていきました。
子ども達が体験したのは、30mmの雨と10m/sの風。普段体験しない強い雨。子ども達は下を向いて手すりにしがみついて耐えることしかできません。
怖かったという言葉もあれば、体験後に「そうでもなかった」と感想をいう子もいましたが、いずれも手先は冷えていたりと、単なる雨の強さだけでなく、それによる冷えの凄さも体感することができました。
(ちなみに、このあとはスタッフのみで50mmの雨と風速20m/sを体験してきました。50mmの雨量ともなると、下を向いていても跳ね返った水で顔がびしょびしょに濡れてしまいました)
次は洪水のコーナー。こちらはドアから出るタイミングで、水深10cmでどれだけドアが重くなるのかを体験しました。
ほとんどの子は10cmの高さの水を押し返すことができたものの、20cmになると3人ががかりでも動かすのがやっと。水の力の強さを感じることができました。
次はいよいよ地震!
地震が起きたらどうしたらいいのかを確認しながら、しっかりと身を守る体勢で地震を体験してみます。
これまで震度7以上が起きた地震は観測開始から7回。
関東では震度6弱を超える地震長い間起きていません。ただ、首都直下型地震ではそれも起こりうるかもしれない。そういうことも触れつつ、震度6弱までの揺れを経験しました。
震度6弱クラスになると、黙っていることが難しく、ダンゴムシポーズをとっている子も左右に揺れている様子が見られました。
(ちなみにこのあとはスタッフのみで震度7を経験。こちらもものすごい揺れで、最初からダンゴムシポーズをしているのですが、左右に揺れずにはいられませんでした。
最後は煙のコーナー。
実際に地震が起こると、それに伴って火災も発生しやすい。
火災が起きると、眼に見える火だけでなく、燃える際に発生する一酸化炭素という物質が危険だったり、煙の特徴から、身を低くして逃げる方法などを座学で学びつつ、実際に暗い体験ルームに入って煙を避けながら進んで行きました。
煙には匂いがついていて、その匂いに気づいたかどうかで、逃げながら煙を吸った人を炙り出せたり、、、
様々な設備を通じて、子ども達の中でも少しずつ災害のイメージが具体的になってきている様子でした。
【スクールは安全!?】
防災館で様々な災害について体験をしてきた子ども達。実際にどのような行動を取る必要があるのかと合わせて、学んだことが多かったようです。では、それらの知識活用して、TCSの中を見てみたらどうなのでしょうか?
みんなが学んでいるスクールは安全なのかな?
朝の会で以前カズさんから
「TCSの建物はもともと5階建になる予定で作られていたから、土台の工事はかなり丈夫にできている、建物としてはかなり頑丈なもの」であることを聞いているので、建物自体への安心はあります。けれど、2階をぐるっと見回すだけでも
「本棚が倒れてくるかも!」
「窓ガラスの近くは割れてきたら危ない!」
「BenQも倒れたりするかもしれない!」
などなど危なそうなところが目についてきました。
そこで、ペアを作ってTCSの中のハザードマップを作ることに挑戦しました。
階段はものがなくて安全かも。でも窓ガラスがあるから、もし割れていたらガラスを踏むかもしれない。
1階の机は高いからぐらぐらしそう。もぐっても安全じゃないかも。
トイレは出口が一つしかないから、閉じ込められたら危険!
などなど、防災館での学びを活かしながらTCSハザードマップを作成していきました。
それぞれの気づきを整理しながら、どういうところを「危険と考えるべきなのか」、つまり恩恵と脅威の結界となりそうなところを見出していきました。
場所としてはスタッフルームや金カーテン裏、キッチンなどが挙げられましたが、そこから具体的に何が危険だったのかまで確認し、自分たちが気をつけるべきポイントを確認していきます。
すると、ガラス(窓)の近くが危険であること、落ちてくるようなものが置いてあること、背の高い棚があること、火が出るものがあること、出口が一つしかない場所であることなどが危険だと見えてきました。
単にスクールの中で「どこが危険なのか」を探るだけにとどまらず、今後様々な場面でも「これは危険」と自分たちで判断できるようになるための第一歩を踏み出しました。
【防災の達人:中野区区役所 防災危機管理課の保科さん】
身の回りの危険が見えてきたところで、実際にどのような備えが必要になるのだろう?どうしたらいいのだろう?そんな疑問を持ちながら、実際に中野区としてはどんな備えをしているのかを伺うために、防災の達人として中野区役所の職員の方に防災の講座を開いていただきました。
これまでに起こった震災や水害の実例を元にしながら、中野区はどのような備えをしているのか、具体的な話を交えながら講座は進んで行きました。
もし災害が起きたらどこに逃げたらいいのか?
区として「避難避難所」を作っていて、それらの場所はハザードマップに書かれているので、事前にお家の人と確認しておくといい。どこに逃げるのかがわかっていると、お家の人と違うところで被災しても出会うことができるかもしれない。
どれくらいの備えをしているの?
避難所には災害時の備蓄がしてある。とはいえ、一時的な備えなので、そこで生活するような長期間の備えではない。たとえば、食料としては想定される人数の3食分の食料(クラッカー5枚)しかない。普段から自分たちでも備えをしておくことがとてもたいせつ。
などなど、私たちも備えをしておくことの大切さも伝わってきました。区役所が行っていることは「公助」であり、私たちがまずすべきことは「自助」であること。そのためには今のテーマで学んでいるような「どうすべきか」をしっかりと確認していく必要があります。
「わかった!だけじゃ何も解決しない」
ということで、実際に子ども達から出てきた「危ない」場所をしっかりと備えてみることに。2階のベージュゾーンにある背の高い本棚と、Englishの道具が入っている本棚を突っ張り棒で固定しました!
ゆすってみても、これならある程度耐えることができそうです!
防災館、防災の達人の学びを通じて、自助、つまり自分たちの身は自分たちで守る意識が少しずつ芽生えてきました。
そこで、もっと身近な「自分の家」は安全なのか、備蓄はできているのかを探るホームワークにも挑戦しました。
保護者の方の力を借りるのではなく、むしろ一緒になってお家の安全と、もしもの時の避難先、生き残るための備えを確認してくることに挑戦しました。
できた、ということよりも、こうやって確認する必要があることを子ども達には意識してほしいところです。
【学んだことのアウトプット】
生きていくためには自然の恩恵は必要不可欠。でも一方でその自然が命に関わる重大な災害を起こす脅威も秘めている。
それを身をもって学んできた6週間の集大成として、彼らの学びをプレゼンにこめていきます。
今回は「地」と「水」のチームに分かれて、それぞれがプレゼンで伝えるストーリーを練っていきました。
まずはこれまでの学びから伝えたいことを全員で書き出していき、その内容を整理しながら、どのように伝えるべきか、ストーリーラインを作っていきます。スタッフも時に質問し、時に反論し、時にフィードバックしながら、彼らと一緒に考えてプレゼンを作っていきます。
さて、一体どんなプレゼンとなるのでしょうか。乞うご期待!
【プレゼンテーション】
プレゼンテーションでは大きく2つのチームに分かれてストーリーが展開していきました。
【水】
私たちの生活につながる植物にとっても恵みの雨。生き物だけでなく、その雨によってできる川の流れから電気を生み出すこともできます。
一方でその雨の量が多くなってしまうと災害にもつながる。そんな中でどんなことを意識していく必要があるのかを模索していきました。
【地】
地球の表面をプレートが動いているからこそ、私たちの日本ができた。一方でその動きによって地震が起きていることも事実。そのうえで私たちはどう備えていくべきなのか、もし地震に直面したらどう行動したらいいのか、子ども達が伝えたい!と考えた内容をまとめていきました。
「おきるとイヤだし、起きてほしくないけど、起きてしまう」
「けど、悪いことだけじゃない」
子ども達が振り返りの中でこぼした言葉です。
どちらのチームも恩恵となる部分と脅威となる部分の両側面について触れることで、私たちを取り巻く自然の見方が変わってきたことがこの発言からも垣間見えます。
能登半島地震などのニュースがあったこともあり、脅威に対する意識は特に大きく変わったことでしょう。
禍福は糾える縄の如し。そんな両面が糾ってできている日本という土地で生きていくのか、生きていくとしたらどうやって共存していくのか。今回のテーマではそうした葛藤に対して考えるきっかけとなったと思います。
今回は自然にフォーカスしながら考えていきましたが、私たちの身の回りには良い面と悪い面がまさに縄のように糾われているものだらけです。その両面を知り、そこからどう考えていくのか、このテーマを経てさらに子ども達の視野が広がることを期待しています。
KO
(参考) TCSテーマ学習について、以下よりご覧ください。
・2023年度 年間プログラム(PDF)運用版
・テーマ学習一覧表(実施内容)