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「築きに気づく」2年生テーマ学習 レポート2

【探究領域】万象究理
【セントラルアイディア】構造よく力を制す

<テーマ学習>レポート

先行知識として子ども達の持つ「橋」や「家」など建築物へのイメージを見てきました。

さまざまな面白いアイディアがあるからこそ、それを形にしたい。そのためには先人達が研究を重ねてきた「構造」について考えていく必要があります。

そんな今回のテーマのセントラルアイディアは、「構造よく力を制す。」

「どういうこと?」提示された時の子ども達の反応です。

構造ってなんだろう、制すってどういう意味?力って一体どんな力?

いろんな疑問が飛び出してきました。知らない言葉に対しても「どういう意味だろう」と想像しながらぐるぐると考えられている証拠でもありますね。

子ども達が考えた「家」について考えてみてもさまざまな力がかかっています。

そうした力に耐えられる仕組みが必要となるわけですが、どのような仕組みなのでしょうか。今でこそ細かいパーツを組み合わせたりしていますが、昔はレンガを積み上げたりするシンプルな構造から建築が始まりました。

「積み上げるだけなら簡単」?本当にそうでしょうか?

では精巧に作られたKAPLAを真っ直ぐ上に積み上げてみることに挑戦してみましょう。

【KAPLA一本積みに挑戦】

ルールは簡単、精巧に作られた「KAPLA」を縦に積み上げていくだけ。

KAPLA公式サイトでも紹介されているチャレンジで、HPでは最高記録が12本!TCSでの過去の記録では最高7本とのこと。

「積み上げるだけなら簡単」と言っていた2年生のようすは….

2、3枚なら「余裕余裕!」と言っていましたが、4枚目あたりからグラグラし始めるKAPLA。そして無言になって真剣な目になる子ども達。

「土台が悪いのかも!」
「平らなところでやろう!」
「KAPLAで土台作っちゃえばいいんじゃない!?」

まずはしっかりとした基礎が必要ですね。思った通りに試してみます。

KAPLA公式では6本以上を記録と残しています。TCS記録は7本。
さて、2年生の結果は….

最高記録は6本でした!

このあと放課後もチャレンジする子がいました。今後記録更新はあるのでしょうか!?

 

【KAPLAでドーム作り!】

”積み上げる”ことの難しさを体感した子ども達。一方で建築の歴史はレンガなどを「積み上げる」ことで発展してきました。

絵本「変わり者ピッポ」を読みかせを通じて、直線的な建造物ではなく「アーチ」という形にすることで広い空間を少ない資材でできることを話し合いました。

実際に2年生でチームを作ってドーム作りに挑戦!

スタッフが元々組んでおいた壁の上にドームを作っていきます。

まずは全員で話し合い、とはいかず作りながら話し合うことに。。。ドームにすることで中を広くしていきたいのですが、壁をつくることになったり…!?

「窓がなくなっちゃうよ!」
「入口も塞いじゃう!」

などなど、壁を作ることの弊害もあれば、そもそも壁が丈夫ではない….

色々な組み方を模索していきながらどんどん高くなっていく建造物。

あれ?ドームにならないぞ?と気づいたキッズ達は横にして差し込んでいた部分から内側にKAPLAを組むことを考えます。すると。。。

なんとか支えられそう!慎重に、慎重に。

声を掛け合いながら積み上げていきます。

 完成〜!パシャリ。

作った後はみんなで感想戦。

・積み方がバラバラでカッコ悪くなってしまった。
・上の方がぎちぎちになっていてうまく組んでみたけどちょっと変。

などなど、なんとか組めたけどまだ磨けそうという意見が多かった印象です。視点を変えて上から覗いてみると「隙間が多い!」ということは「雨などが入ってきてしまう」

窓のスペースを開ける、という発想はよかったのですが、上から見ても穴が多く開いたように見えるのは問題ですね。作って、さまざまな方向から眺めてみると新しい発見がどんどん出てきます。

「どんなドームになったかを説明してみよう!」とカメラを回したら「こことかいらなくない?」という子が。その一言にみんなもいらないと思うパーツを抜き始めて…

どうやら積み上げるには「必要なパーツ」と「なくてもいいパーツ」があるようです。

「必要なパーツだけをうまく見つけていけば、シンプルな建物が作れるのでしょうか!?


キッズからは出てこなかった案ですが、少しずつ周りに使うKAPLAを減らしていくように組んでいく方法を提示すると、「こっちの方が綺麗に詰めそう!」「がっしりした形になって強そう!」という反応が返ってきました。

実際に自分でも作ってみたい!ということでドームを作るのですが、少しずつ周りの長さを縮めていくというのが意外にも難しい。

どんどん歪になってしまう様子も。。。。


また、ドームではないのですが「上からの雨には強くて、横から風を取り入れる形を考えてみた子も。人が家を作ってきた目的である「雨風をしのぐ」という部分を考えて建造物を作っている様子が見られました。

人類はレンガを使った建造物も、単に積み上げるだけでなく、さまざまな積み方を探して多様な形を創造してきました。KAPLAを使って作ってみることでそうした歴史を少し上間見ることができました。

次は身近な建造物として「橋」に焦点を当てていきたいと思います!

KO

(参考) TCSテーマ学習について、以下よりご覧ください。
2021年度 年間プログラム(PDF)運用版
テーマ学習一覧表(実施内容)

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