特定非営利活動法人 東京コミュニティスクール

東京コミュニティスクール

03-5989-1869

school@tokyocs.org

〒164-0001

東京都中野区中野1-62-10

東京コミュニティスクール

「ココドコ」G2 テーマ学習 レポート3

【探究領域】時空因縁
【セントラルアイディア】自分視点と俯瞰の往来が理解と判断を助ける。

<テーマ学習> レポート

地図記号。ピクトグラムのようでちょっと違う。でも、絵ではなくマークに見える。このマークは何かのサイン?サインならどんなメッセージが込められている?

地図を見るほど、気になってくるのは、所々にある様々なマークです。
「地図記号」という言葉は知らなくても、前回のテーマ学習で学んだ「サインにはメッセージが込められている」という概念が彼らの行動を後押しします。

 

病院か薬をもらうところと思っていた場所は保健所でした。近くのバス停から保健所であることを発見。

 

しかし、建物を見た目だけではどんな場所かはわかりません。
 

「せいめいほけんって聞いたことあるけど関係あるかな?」
「ほけんしょうのほけん?」

どんな場所なのか、代表を2人立ててインタビューしてきてもらいました。数分後、パンフレットを手に「病院みたいなところだったー。」と出てきました。

3つのことをやっていると教えてもらったとのこと。
・予防接種するところ
・お店の感染防止対策
・薬局とかに連絡して薬を用意してもらう

確かに、病院みたいなところであり病院ではないところであります。


   

交番、郵便局は、表看板に明記されてはいますが、地図と場所が一致しているのか確かめるために、交代で代表インタビューに。

郵便局では、位置確認だけでなく、マークの由来も聞き出したとのこと。手書きのメモをもらって、みんなに伝えます。伝えた当人たちもそれを聞いた子も「そんな意味があったなんてびっくりした」と、意味があったことへの驚きを探検記録に残していました。

 

税務署では、総務課の人がわざわざ外まで出てきてくださり、税金の計算をしていること、おうちの人から集めたお金で道路や公園、図書館に役立てていることを説明していただき、「計算しているから、そろばんのマークなんだ。」と納得。

 

「海抜じゃないかって言ってた。」
「海の表面って言ってたから、この下が海なのかな。」

 

リサーチスキルの基本は直接聞くこと。これは一次情報となります。

二次情報として、資料や本で調べてみます。そこで地図記号を紹介しました。
 

それぞれに意味や由来があります。「逓信省」を読んで知るのと直接聞くのは印象がだいぶ違います。百聞は一見にしかずといえども、「聞く」が直接的なら逆もまたしかりなのですね。


地図記号クイズのサイトも紹介。放課後や家で見てきた子たちはあっという間に覚えてしまいました。

地図の西南側に書かれていた数字は海抜であり、標高のことでもありました。下の海があるのではなく、海の表面を0として測った高さであることが確認できました。


神社、お寺、お墓、広葉樹に針葉樹、これらは、イメージができるもの。ただ、黒丸3つの「史跡・名勝・天然記念物」には何があるのかわかりません。

探検も回数を重ねて遠くまで歩けるようになってきました。地図上だと、このマークはスクールからスケールバー5つ分くらい。つまり、300mの5つ分で1500mくらいの距離。北に向かって、マークのある場所を目指します。

      楽協力(がっきょうりょく: 2年生のクラス名)のみなさんは、鳥や虫、植物などの生き物に引き寄せられる傾向のようです…

「上り坂ってことは、標高の数字が上がってるってことかな。」

「高いところと、上高田って住所の名前は関係あるのかな。」

回数を重ねるごとに、気がつくことは増えていきます。おしゃべりしながら前の人についていく歩き方では、「お散歩」になってしまいます。先頭が行きたい方角の逆方向に進んでしまい、後ろから「反対方向だよー!」と声をかけることも。目の前の範囲が狭いとふらっと進んでしまうよう。

「自分視点と俯瞰の行き来」の「俯瞰」は、高いところからの視点だけではなく、周りに目をむける「視野を広げる」意味にも通じることが探検現場の各所で現れてきます。

目的を意識して学びのアンテナを動かせば、面白いものが次々に見えてきます。

さて、目的地に到着。ここは哲学堂公園。野球場やテニスコートもある大きな公園ですが、いろんな建物があるこの場所はちょっとほかの公園とは違った雰囲気。

 

管理事務所の方に話を聞いてきた子たちから、これらはかなり古い建物であり、価値ある建物だから大切に保存していると報告があがりました。

スクールに戻ってHPで見てみると、哲学堂公園は、中野区を経て東京都の名勝に指定され、昨年、国の名勝に指定された公園とあります。園内につくられた建物や橋、坂などひとつひとつに奥深さが隠されているのですが、そこまでは踏み込まずに、価値あるたてものがあること、広葉樹・針葉樹のマークも示されている自然多い場所であることを実感して帰ってきました。

 

スクールに戻るためには、南に進みます。この日は、終日探検した日でありました。みんな、最後まで弱音を言うことなく歩き続けることができ、立派でした。スタミナとスピリットを発揮できた成果です。

 

AN

— (参考) TCSテーマ学習について、以下よりご覧ください。

2021年度 年間プログラム(PDF)運用版
テーマ学習一覧表(実施内容)

 

Comments are closed.
アーカイブ