【学年】 5年生 6年生
【探究領域】時空因縁
【セントラルアイディア】私たちには知らない世界がある。
<テーマ学習 レポート> week2
世界地図を軸にしながら学びを始めた1週目。改めて地図をよく見てみると、日本と同じ経度上にある国の中でも、TCSにゆかりのある国があるではありませんか!
そう、TCSが生まれるきっかけともなった姉妹校・フィッツロイコミュニティスクールのあるオーストラリアです。そこで2週目は、世界の数多ある国の中からこのオーストラリアに注目していくことにしました。
同じ経度上ってことは、日本と同じような生活をしているのかな?
お米とか食べているのかな? 一体どんなものがとれるのだろう?
ということで、まずはオーストラリアの大地でとれる恵みについて、各自で調べていくことにしました。
・小麦がよくとれる(世界一乾燥した大陸だから)
・羊毛生産量が世界で第2位(1位は中国になった)
・オージービーフが有名(日本は脂身が多いけど、オージービーフは赤身が多いなのは、放牧が関係しているかも?)
・ユーカリが多い(でも油分を多く含んでいるから、山火事が広がったことと関係しているかも?)
・もともとマカダミアナッツはオーストラリア原産(今はハワイのほうが有名だけど)
・鉱山資源が豊富(露天掘りもできるほど)
・どうやら米を作っている地域もあるらしい!(どうやってオーストラリアに伝わったの?)
・魚もよくとれる(養殖と保護ってどう違うの?)
・”撮れる”という意味では、エアーズロックという場所がある。アボリジニの聖地である。 などなど・・・・
とれるといっても、採れる、獲れる、漁れる、撮れるといういろんな漢字(視点)からリサーチしている5・6年生。そのうえで、その恵みから様々な疑問やモヤモヤが生まれているのも、素晴らしい観点です。
だからこそ、ここでまた視野を広げるためにこんな問いを投げかけます。
「これってオーストラリアの大地ならどこでもとれるの?違うとしたなら、なぜ特定の場所でとれるんだろう?」
「それって、雨が関係してるんじゃない?」そんな声が挙がりました。
その仮説やいかに!?ということで、オーストラリアの農牧業の分布マップと、気候区分マップを並列して提示してみました。
すると、、
「小麦の生産地って南部に固まってない?あ!これ全部温帯気候だ!」
「真ん中の非農業地って都会だからかと思っていたけど、砂漠だからか!」
「さとうきびが北東に固まってるのは、熱帯気候地域だからか!」
何気ない”とれるもの”も、土地の気候を照らし合わせてみると密接に関係していることがはっきりとわかる。それに気づいた子どもたちの表情は、思いがけない発見にパッと明るくなっていたのが印象的でした。
同じオーストラリアという国であっても、これほどまでに場所によって気候が違うのはなぜなのか? それは、オーストラリアが国であると同時に、一つの大きな大陸であることにも起因しています。オーストラリアの地形を知っていくと、次に浮かんでくるのは、この国はどんな国だろう?ということ。
そこで、オーストラリアを故郷に持つ校長・Sohiに話を聞き、資料を読み込みながら、オーストラリアにははるか昔から人が住んでいて、元々はアボリジニという先住民族がいたこと。それをイギリスが自らの植民地にしたことでアボリジニを弾劾し、排除していったこと、そして1901年にようやくオーストラリア連邦として国家になったことなど、オーストラリアの歴史を紐解いていきました。
というわけで、現在のオーストラリアの基礎となった6つの地域について、チームごとに分かれてリサーチ。
土地柄や特徴、人口などのデータはもちろんのこと、そこで暮らす人のライフスタイルや、文化についても調べていきます。
それをみんなでシェアしていくと、
沿岸部に各州都があること、各州の観光地が海沿いだったり砂漠だったりと、それぞれの場所の特性を活かしていることがよくわかります。
加えて、スポーツが盛んであること、アートが盛んであること、宗教はキリスト教徒が多いこと、部族観光ツアーとしてビジネスにしていること、オーストラリアはアジアと貿易で結びつきが強いなど、いろんな側面がみえてきました。
そこで出てきたのが、”多文化社会”というキーワードでした。
積極的に移民を受け入れたオーストラリアは、異なる文化を持つ集団が存在する社会において、それぞれの集団が「対等な立場で」扱われるべきだという考え方のこと。
「じゃあ、TCSもいろんな国に関わりのある人たちがいるでしょ?ということは、TCSも多文化社会っていえるのかな?」
大きな大陸であり国でもあるオーストラリアを知っていくことで、今自分たちが身を置いているコミュニティに目が向いてくる、そんな2週目となりました!
MK
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(参考) TCSテーマ学習について、以下よりご覧ください。
・2020年度 年間プログラム(PDF)運用版
・テーマ学習一覧表(実施内容)