【学年】 3年生 4年生
【探究領域】共存共生
【セントラルアイディア】私たちは水と共に生きている。
<テーマ学習レポート>
テーマ(G3・4)「Be Water」〜3・4week〜
私たちが使っている水は下水としてどのような旅をしているのか、みなさんはご存知ですか?
毎日欠かさず私たちが必要としている”水”の入口と出口について正確に知っておくことはこの世界を理解していく上で大切なことです。
意外と知っているようで知らないことも多い”水の旅”について学ぶために、今回は落合水再生センターを訪問させていただきました。
まずは水再生センターの役割・機能について下水道局OBの方2名に概要を説明していただいてから、実際に施設を案内していただきました。
この公園の下に街中の下水が集まる水再生センターがあるという説明を聞き、みんな驚いています。子どもたち相手にでもきちんと、近隣住民への配慮でこのような設計になっているという経緯を話してくださいました。
下水はまず第一沈殿池に集まり、ここで汚泥を沈殿させます。
なんとこの足元のレンガは汚泥をリサイクルさせて作られたもの。驚きの子どもたち。
しゃがんで足元のレンガを観察する子もいます。
そしていよいよ再生センターの主役(!?)である微生物たちの登場です。なんとこの反応槽にて全く薬品は使用せずに、微生物たちが汚泥を食べて綺麗にしてくれています。常に25mプール250杯分の下水をこちらで浄化しています。「微生物すご〜い!」「微生物ありがと〜う!」と感激のキッズたち。
なんと様々な種類の微生物たちが吸収できる汚れごとに投入され、この反応槽で仕事をしてくれています。
反応槽の蓋を開けてみるとその迫力にみんな大興奮!ここで微生物が汚泥を食べて下水を浄化しています。お腹がいっぱいになった微生物たちはどんどん沈殿していくのです。
浄化された水は透明度も高く、数値も十分に河川へ放流できるレベルまで微生物のおかげで水質が回復しています。
ここ落合水再生センターでは国内で唯一、最終的に砂濾過を行った上で水を排出しています。先ほどの反応槽の段階で十分に水質基準はクリアしていますが、こちらの再生水は東京を代表する河川である神田川へと放流するため砂濾過を採用しているとのことでした。この段階の水は全く曇りがなく、外ではこちらの水で金魚などの魚たちを飼育してその水質の高さを示しているのです。
再生された水は神田川へ放流されるほか、新宿の高層ビルのトイレ用としてリサイクルされたり、水の流れがなくなってしまった川へ放流し、河川の回復を促しています。
私たちが毎日使用している水がこういう道筋を経てまた自然へ戻って循環していくこと、私たちの近代化した生活から排出される水は昔のように自然任せの濾過だけでは洗浄しきれないほど汚染されていること、そして先人たちの知恵によって薬品ではなく微生物の力を借りて水の再生を行なっていることなど知っているようで知らなかった水の出口について多くの貴重な学びを現場にてさせていただくことができました。
落合水再生センターのみなさまお忙しいところ本当にどうもありがとうございました!
YI
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(参考) TCSテーマ学習については、以下よりご覧ください。
2018年度プログラム_基本形 ・ テーマ学習一覧表_実施版