【学年】1年生2年生
【探究領域】意思表現
【セントラルアイディア】 メッセージは抽象化によって凝縮して伝えることができる。
<テーマ学習レポート>
2週間目は、ちょうど保護者参観ウィーク中。
親御さんが見に来てくれて緊張するかなと思いきや、まったくもって緊張なし。むしろ張り切っていましたね〜!(笑)
さて、前週スクール内で見つけたいろんなサインをみながら、
「そもそもサインってなんのためにあるんだろう?」「サインってなにを伝えたいのかな?」と考えてみるところからスタート。
「言葉なしで人にみせるため」「言わなくても人にわかる」
「だれかの代わりに伝える」「気持ちや場所、気付かせたいことを伝える」という鋭い意見が出てきました。
たしかに、もしトイレにサインがなかったら「ここはトイレですよ〜!」って誰かがその前にいてずっと言い続けなくちゃいけなくなるかもねと話すと、「えー、それは無理だよね〜!」と子どもたち。サインのない世界を想像してみると、なんとも味気のないのっぺりした世界になりそうな気もしてきます。
そこで、まさに言葉に頼らずとも一目みて誰もがわかるようなサイン=「ピクトグラム」を開発したのが、実は日本人デザイナー達でした。
ということで、今週はスクールを飛び出し、まちなかにピクトグラムを探しに出発!
キッズ御用達・紅葉山公園に向かう途中の「中野ZERO」の前に発見!
お店の前にもありました。赤いバツマークが目立ちますね。
コンビニに貼ってあるのも発見。
自動販売機にあるピクトグラムだって見落としませんよ!
レンタカー屋さんにあるサインたち。赤い旗に書いてあるのは車だからわかりやすいけど、緑の看板はRなのかな、Sなのかな?疑問も生まれてきます。
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スクールに戻ったあとは、写真をgoogleのドライブで一括管理し個々のiPadからも見られる状態にしました。そしてそして、まさに「サインを受信せよ」のタイトル通り、見つけてきた中からいくつかのサインを選び、どんなメッセージが込められているか予想を立ててみます。
さて、子どもたちはどんなメッセージを受信したのでしょうか。
An i
mage
例えばこちらのピクトグラム。
「ICカードのチャージが近くにありますよっていう意味じゃない?」
「いや、これはインフォメーションっていう意味だとおもうよ」
ではこちらは?
「犬はお断りです」
「でもなんだかやさしい顔をしてるよ。犬は入っていいですよっていう意味じゃない?」
「あ、それじゃあ犬だけ入ってもいいですよっていう意味かな?」
子どもたちの発言を聞いて、彼らのアンテナの動かし方に拍手です。意味が合っている合っていないのが大事なのではなく、「ICカード」や「Information」の頭文字から「i」マークなのではないかと仮説を立てること。あるいは、「やさしい顔をしている」という線や形の向きから仮説を立てること。この”考え型”は、まさにピクトグラムを生み出すときに必要なもので、それをナチュラルにやっているなんて!
同じように、こちらのピクトグラムもいくつかの意見がでてきました。
切符の機械にお金を入れようといるようにも見えるし、買った切符を手に持っているようにも見える。紙切れでドアを叩こうとしているようにも見える、なんてキッズも!
しかし絵をみていくと、どの意見も実は「同じ箇所」を見て判別していたということに気づきます。ということで、実際の機械と比べてみると・・・
「あれ!この部分が絵になってるのか!」と発見する子どもたち。
さすが鋭いですね!これこそが、具体と抽象の表現であります。
くわしく細かくなっているのは「具体」、一方で大事・必要なところを抜き出すのが「抽象」という概念に触れました。
セントラルアイディアに「メッセージは抽象化して伝えることができる」って書いてあるから、抽象化というのは「ぱっとまとめるってことじゃない?」「わかりやすくまとめるってことじゃないかな!」と、これまた仮説を立てていく子どもたち。
なかなかに難しい概念、ピンときていない1年生たちがいても、2年生たちがうまく言語化していこうとする、その姿勢が素晴らしいですね。
次週はさらに知識を深めていきますよ!
MK
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(参考)2019年度TCSテーマ学習一覧より他のテーマ学習内容をご覧いただけます。