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テーマ学習 「治の力」レポート1

【学年】5年生 6年生
【探究領域】社会寄与
【セントラルアイディア】私たちは私たちを私たちのために治めている。
日本の政治や社会問題について建設的に議論をするためには、その問題について理解を深めていくことが必要になります。まずは私たちがどのような知識・認識を現状として持っているかを確認することから学びは始まります。

「治の力」というタイトルから連想ゲームが始まります。「?」がついている会話は私からの問いかけ、ついてないものは子供の生の発言です。

「治(ち)って何?」
「治める」「治す」「政治」
「治めるとか政治ってどういうこと?」
「偉い人が庶民に給料をあげて働かせて国づくりをすること」
「それって会社の社長も同じ感じ?」
「うーん、そう。いや、ちょっと違う。」と意見が分かれる。
「政治家とか区長さんのようなその場の責任者がそこに住んでいる人たちを快適に過ごせるようにする」と別の意見。
「快適って?」
「ホームレスや、過疎化、貧困とかの問題がない状態」
「ごめん、KAZUさんはどれも言葉の意味がわからないから教えてくれる?ホームレスって何?」
「家がない人。食べ物がない人。お金がない人。仕事がない人。仕事を奪われた人。道に住んでいる人。公園に暮らしている。物乞い。ニート」など、次々に出てきます。
「家がないとホームレスなの?仕事がない人もホームレス?お金は?無職の人が家に住んでいる場合は?」
「お金があってもホームレスをしている人もいる」
「主婦は仕事してないけどホームレスとは言えない」
「違うよ、お母さんは家事っていう仕事はしているけど、お金はもらえないんだ」
「家がなくて、仕事がなくて、お金がない人って組み合わせだと思う」
「それって貧困と同じ感じ?」
「貧困はお金がなくて困っていること」
「poverty」
「お金がなくて困っているけど、それは自業自得で、お金がなければ働けばいいし、稼ぎがないなら違う会社に行けばいいんだよ。貧困は政治のせいじゃない」
「そうじゃないよ、貧困は政治のせいだよ。だって、給料の半分以上が税金に取られちゃう」「アメリカではポテチを食べすぎると税金が高くなる」「原発事故の被曝や避難したあとの差別もある」
「全部、政治のせいなんだ」「全部じゃない」と意見が分かれます。
「例えば、天災も政治のせい?」
「それは政治のせいじゃないけど、それ以外は政治のせい」
「でも、フェスティバルとかでリーダーがちゃんと指示を出して、色々フォローをしたりしても、遊んじゃう子がいたりするじゃん。それはリーダーにもまだできることがあるかもしれないけど、本人も悪い」
「TCSはいい状態だけど、それでも以前、私たちも気がつかなかったけど、いじめの問題とかもあったし。すべてを政治のせい、リーダーのせいにするというのはおかしい」
「なるほどいろんな意見があるね。このことについてはまた話をしよう。もう一個残っている、過疎化って何?」
「田舎とかで畑仕事を営んできた若者たちが都会に行って農業する人がいなくなって、老人たちが仕事をしている」
「一部の超絶田舎におじいちゃん・おばあちゃんがいっぱいいる。若い人は仕事をしに都会に行く」
「都会におばあちゃんはあまりいない」
「おじいちゃんやおばあちゃんは、田舎から都会に行かない」
「ちょっと脱線するけど、君たち老人って何歳の人をいうの?俺、答えによっては暴れる(笑)」
「70歳以上(大一郎、葵)」
「60歳以上(研登、謙汰、沙羅、嘉恵)」
「年ではない。あえて言えば50歳(菊)」(KAZU暴れる)

話はどんどん続き、北朝鮮、戦争、差別、児童養護施設での虐待などなどの話題ごとに、それは政治の責任なのか、違うのかという議論が白熱してきます。

「安倍さんを選んだのは国民なんだから、政治の責任とか言ってもそれは私たちに帰ってくる」
「選んだのは確かだけど、僕たちは騙されていたんだ」
「ほとんどの政治家は利益誘導」
「騙されていたとしても、昔は人を殺しあって一番強いのが王だったんだから、それと比べれば残酷じゃない」
話は尽きないので、ここで一呼吸置いて頭の中を整理することにしました。

「君たちが考える社会の問題とは何か5つあげてくれる?」

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「これらの中でも大きな問題ってどれだと思う?」
「地球温暖化」「北朝鮮」「差別」「沖縄基地」

「じゃあ、今度は今週末の選挙の争点になっていることは何だと思う?」
「わからない」
「そっか。じゃあ、代表的なものを僕が教えよう。ほかに思いついたら答えてね。まずは、憲法改正。次に北朝鮮への対応。聞いたことあるでしょ?」
「あー、そっか。じゃ、原発問題」
「そうだね。ほかに消費税、経済、子育て支援あたりが大きな争点とされているんだ。森友・加計問題や、沖縄問題は、一部の政党が訴えてはいるけど、争点としてあまり注目はされていないのが現状。みんなの挙げた社会の問題と比べてどう?地球温暖化や差別の問題だって決して小さな問題じゃないのに出てないし、一方で、君たちから出てこなかった憲法改正や子育て支援、経済政策などが争点になっている。これってどういうことなんだろうね?」
とりあえず、そこは疑問として残しておいて、今週末の選挙に備えて、まずはどんな政党が出ているのか。そしてそれぞれの争点について、各政党がどういう考えを持っているか整理し、その争点に対する考え方をベースに、自分が投票するならどの政党かを選んでもらいました。

結果は、社民党が4票、共産党が3票。
分析すると、北朝鮮との対話という方針をシンプルに主張しているところが決め手になって2党に投票が偏りました。

衆院選の結果が出て集まった翌週の月曜日。みんなの投票とは真逆の結果になったことも含め、選挙の振り返りをしていきます。

しかし、選挙日程の関係で1週目は内容面でかなり突っ走りましたが、ここからは本来のテーマ学習のペースに戻していきます。まずは国会の仕組みを学び、次に衆院選についても理解を深めます。

まず基本となる知識は、中高生向けのコンテンツではありますが

http://www.nhk.or.jp/syakai/10min_koumin/?das_id=D0005120353_00000#in=0&out=600

を視聴することから始めます。もちろん資料を配布したり、教師が説明をすることもできますが、巷にあるコンテンツから知識を吸収する方法を知ることこそが、自立した学習者への第一歩。そういった意味で、映像系のコンテンツはNHKがとても頼りになります。

次に衆院選の仕組みについては、今回の選挙と絡めて、ここは少し私が解説をします。衆議院の定数と、過半数、安定多数、絶対安定多数、3分の2という数の意味についてわかってくると、今回の選挙で与党(自民党・公明党)が313という議席を獲得したことの重大さがわかってきます。

憲法改正を発議できる3分の2を与党が獲得したことによって、これから憲法改正に向けた議論が活発になることが予想されます。そこで私たちは、憲法改正に賛成するとか反対するとかを感情的に議論するのではなく、まずは日本国憲法とはどういうものなのか、何が書かれているのかということを理解することから始めることにしました。

そのテキストとなるのが「声に出しても読みたい日本国憲法(2015年 岩崎書店 著:齋藤孝)」です。

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前文から「声を出して」読み始め、一つ一つ言葉の意味を確認していきます。前文に書かれてある日本国憲法が作られた目的の崇高さ、そして憲法を大切にしていこうという宣言の力強さは、日本語の学びとしてとても魅力のある素材です。今回はせっかくなので、前文を暗記する予定です。

その前文の中に何度も出てくる「平和」という言葉。何となくわかるんだけど、人それぞれいっていることが違うような気もするし、ここでまずは、この抽象的な言葉の意味について、5年生と6年生の二つのグループに分かれて考えてもらいました。

6年生は議論が白熱しますが、5年生だけのグループは議論の形さえできていません。

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ただ、自分の意見をそれぞれ書いただけで、「できた」といってきた5年生グループに当然のごとくダメ出し。まだTCS歴の短い研登もいるので、改めてグループでの議論の進め方を1から確認していきます。まだまだ十分ではありませんが、6年生になった時に、議論の場を作ることが求められる5年生たち!これからの成長を期待しているぞ!

ということで、平和についての各グループの発表をぜひご覧ください。

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一つ一つのことばの意味を考えながら学ぶことは、手間も時間もかかることではすが、小学生だからこそ、そういったことに思いっきり手間と時間をかけていくことができる。これからも日本国憲法の読解、続いていきます。

KK

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