特定非営利活動法人 東京コミュニティスクール

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じわじわ追究する

風はどうして生じるか? 雲はどうしてできるのか?
今週も、実験を通じて、その原理を「体感」することからスタートしました。

「線香の煙はなぜ入れるんだろう?」
実験手順を示した資料には
ペットボトル内に発生した雲を見やすくするために
線香の煙を入れると書いてあります。
どれだけ見やすさが違うのか確かめるために
線香の煙を入れた場合と入れない場合を比べてみると一目瞭然。
煙なしのときはほとんど見えなかった雲が
煙を入れて行うと、はっきり見えました。

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実験を行うにしても、マニュアル通りにやったら終わりで
「わかったつもり」「知ったつもり」になるのではなく
じっくり時間をとって、何度でもやり直し
ひとつひとつ「納得」を積み重ねながら丁寧に進めてゆけるのが
「探究型の学び」の醍醐味です。
「今度は、ペットボトルをもっとぱんぱんにしてみようよ!」
実験条件を変えて繰り返すことを楽しみ
どうしたら雲がはっきり見えるか「追究」してゆく姿は
「ミニ科学者」そのものです。

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実験が終わったら、さらっと方法と結果と感想を書いて終わり……
ではありません!
どうしてその実験を行ったのか?
実験の結果どんなことがわかったのか?
行った実験と実際の天気との間にはどんなつながりがあるのか?
実験を「学びの種」にしてさらなる「追究」が始まります。

「ペットボトルの内側をぬらして温めたってどういうこと?」
「水を水蒸気にするってことでしょ」
「空気の中に水蒸気がたくさん入っている湿った空気にするんだよ」
「空気の中にどれぐらい水蒸気って入っているの?」
「温度によって1立方メートルに含むことができる水蒸気の量は違うんだ」
「温度が下がると含むことができる水蒸気の量が少なくなるよ」
「水蒸気は目に見えないけど、目に見えるのが水や氷の粒で、それが雲でしょ」
「雲も霧も氷を入れたコップにつく水滴もみんな同じことだよね」
「温度が下がって水蒸気でいられなくなって水になったのが雲だよ」
「じゃあ湿った空気が空に上がって温度が下がってどこかで雲になる?」

みんなで話し合いながら実験結果をしっかり整理し
わかったことをまとめ、新たな資料を読んで
雲ができるメカニズムを「説明」するために必要な「知識」を増やしてゆきます。
自分の言葉で咀嚼し、表現する作業は時間がかかりますが
まとめ方を工夫したり、何度も表現し直したりすると理解が深まります。
すると、子どもたちは、明らかに説明力が向上することを実感するので
集中力が途切れることなく、じわじわ、しつこく追究してゆきます。

明日からゴールデンウィーク。
毎日、定時に空の様子をデジカメで撮影することと
テレビの天気予報でどんなことを説明しているか
注意深く見てみようという課題を出しました。
休み明けから、天気図、気象衛星からの写真など
気象庁から出される「データ」をいろいろ並べて「解読」する作業に入ります。
RI

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