【探究領域】社会寄与
【セントラルアイディア】私たちは私たちを私たちのために治めている。
<テーマ学習> 〜レポート
week 1
「政治」への知識・関心・興味
「治める」ことについて思っていることを出し合う。
普段、社会の授業で学んでいることが多く出てきてはいるが、国の仕組みや役割、機能については6年生は理解しかけているが5年生に関しては、まだわからないことが多い印象。
このテーマで理解を深め、さらにそこから興味と関心に繋がっていくといいなという感触。
セントラルアイディアを提示し、語り合う
week 1
「政治」への知識・関心・興味
「治める」ことについて思っていることを出し合う。
普段、社会の授業で学んでいることが多く出てきてはいるが、国の仕組みや役割、機能については6年生は理解しかけているが5年生に関しては、まだわからないことが多い印象。
このテーマで理解を深め、さらにそこから興味と関心に繋がっていくといいなという感触。
セントラルアイディアを提示し、語り合う
セントラルアイディアについてディスカッションで面白かったのは、「私たち」の部分を自分たちの現在に置き換えて考えていたところ。
ただ「治めている」というワードに支配している?されている?というモヤモヤがあったところは、このテーマの最後にどう変化していくか楽しみな部分。
個々の関心のある政治問題
政治問題についてどの程度関心を持っているか、また自分の考えや意見について語り合う。
まずは自身の関心のある政治問題をピックアップして、その中から1つ選び、個人でリサーチして、90秒で語りシェアしていく。
情報の収集
90秒で政治問題を語る
各自がリサーチしてわかったことや考えたことをシェアし、政治問題を共有して、他者のリサーチした問題を自分でも考えてみる。
・国会議員居眠り
・れいわ新選組の櫛渕万里共同代表
・男女差別
・女性の社会進出
・学校教師減少
・「公共の福祉」
・失業問題
・空き家問題
・北朝鮮ミサイル
・北朝鮮 軍事偵察衛星 打ち上げc・湾問題
・欧米によるウクライナへの軍事支援
・動物の殺処分
・フードロス
・死刑執行について
・原子力発電所の問題
リアルタイムで一人ひとりの視点や観点を、子どもたちが交代で書記を務め、要点をまとめた議事録を作成。
要点もリアルタイムで聞き取りながら書き込んでいくので、話から聴き解く力が必要。これも学びとして重要なスキル磨き。
政治への興味関心(仕掛け)
その議事録に質問や疑問、思ったことを書き込んでみる。
政治問題について日々のニュースから、感じたことをシェアしていく。
憲法を読むことを通じて、その言葉の意味を理解していく
ここで憲法の話からTCSにつなげた話になりました。
子どもたちからの話題は、「TCSでOKな飲み物」スクールが決めた飲み物ではなく、自分たちがこれがいい!という飲み物についてのディスカッション。
憲法からなぜかこの話題になりましたが、たかが飲み物、されど飲み物。
どのような目的があって、どんな意識でかかわるのかが話の主題でした。自分たちが「治める」という観点で下級生でもわかる言葉で、そして納得のできる話を目標に進んでいましたが、さすがTCSキッズ。ブレることなく全員が納得できる結果になっていました。
憲法を読み込んでいくことで、その一つひとつを理解し、憲法ができた背景を読み取っていきました。
まだ読み始めたばかりですが、子どもたちの理解力とシェアすることで自分がそのことについて、どう考えるかを客観的に聴き解く力が養われていきます。
平和についてのディスカッション
前文でも述べられている平和主義。
この平和主義こそ憲法の幹となる部分。「平和とはなんだろう。」「今って平和なのかな。」「平凡と平和って似てる。」
「TCSは今は平和だけど…」「TCSで平和を感じてる?」という問いかけに子どもたちからは、争い事はあるけれど平和なんじゃないかな。という意見が出ていました。
「平和じゃないことがあるから、平和という言葉が必要なんだ。」という意見が、子どもたちの今の心境を映し出していました。
本文音読からの読み取りとディスカッション
憲法の基本原理でもある「人権の保障」と「国の政治の仕組み」
この2点を言葉の意味やその背景も考えながらディスカッション形式で読み解いていきました。
特に今の6年生は以前のテーマ学習で「人権」については探究済みなので、主体的に5年生へ向けた自身の考えや知識を共有してくれていました。
その中で見えてきたことと知りたくなったこと
天皇主権から国民主権に変わることでどのような国としての仕組みや考えが変わったのか。
戦争を機に日本が歩んできた道のりは、どのようなものだったのか。
日本はあくまでも「平和」にこだわり世界の中でも特に「平和」というものを自国でも考え、さらに世界へ向けても発信し続けている国ということがわかってきた。
国民は憲法によって守られ、国は国民を大切に考えてくれている。だから自分たちも憲法について再考し学ぶ必要がある。
など、16人の考えや思いを共有することで共感できることを体感していました。
政治の歴史を紐解く
戦前と戦後の憲法や国の変化を知ることで、さらに今の日本国憲法を視点を変えて見てみる。
戦前の日本を知ることで、今の日本が大きく変わった激動の昭和を映像から体感した子どもたち。
この日本が歩んできた歴史の事実を、子どもたち一人ひとりが考えながら見ていました。
その後のディスカッションでは、
「あの戦争があったから今の憲法第9条があるんだ。」「アメリカとの関係性も日々、耳にするけど過去のこの関係があるからこそ、今のアメリカとは切っても切れない関係なんだね。」「でも第9条って戦争しないってことじゃないよね?」ともやもやも生まれていました。
象徴としての天皇を知ることで、日本の政治の仕組みや憲法との関わり、そして今の憲法の根幹をさらに深く理解していました。
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日本の政治の中心を見にいくことでより政治を身近に感じる
国会参観
本会議場の広さと大きさ、そしてTVで見ている場所の雰囲気を体感して、感動していました。
席には各議員の名前が書かれていて、内閣の首脳席も配置されていて、総理大臣の席や、さらには天皇の席や待機する特別な部屋があることに驚いていました。
国会の構造を見るだけでも戦前の日本から現在の日本がどのように変化してきたのか感じることができました。
国会の敷地内には各都道府県の県樹が植樹されていました。
各県の樹を見ることは珍しいので、日本全体の樹にすぎやまつが多いのが見て取れます。
そして敷地の広さと議事堂の大きさにも驚きがあったようです。
首相官邸も外からですが見ることができました。
この日は国会も終わっているにもかかわらず、首相官邸には黒塗りの車が引っ切り無しに入っていきました。
子どもたちはその車1台1台に興奮していました。
議員に聞きたかった質問の共有
各自が持ち寄った議員に聞きたい質問が、今回は直接聞くことができなかったので、クラスで国会参観のふりかえりも兼ねながらディスカッションしていきました。
質問1 国会議員はなんで選挙で決めるの?
Yくん…いろんな人の意見を入れるため、全員が平等に権利を持って国政の代表を選択できるため
Hくん…平塚らいてうっていう人が女性にも選挙権をって活動してた。
Rくん…適当に決めたある偉い人が身勝手に抽選などで国会議員になっていたらきちんとみんなの意見が行き渡らない
Mくん…国民主権の民主主義という方針で日本はやってるから、一部に権力が固まらないようにみんなの意見を分散して聞けるようになってる。中国とかはお金に物を言わせるから習近平の独裁の上で派閥がつよい、そうならないように民主主義は国民の一人々々が選挙で意見を出せるようになってる。
このように16個の質問に子どもたち自身で考え答え、共有していきました。
主体的な学びへの関わり
ここからは5、6年生としてのオーナーシップやコンフィデンスを発揮する最後の大切な場面になっていきます。
一人ひとりがはちみつキャンバス内閣として、スクールで実現したいことや、改革を打ち出せるかがこのテーマの最後のミッションです。
子どもたち自身がファシリテートしながら、「自分たちの学びの環境をどうしていきたいのか?」という問いに実現可能不可能関係なく、希望を出し合って意見を交わしていきます。
大胆な意見もちらほら出てくる中、同時にそのアイディアについてどう考えているかを全員でディスカッションしていきます。
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内閣としての公約を発表する
プレゼンの様子
総評
各省庁の大臣、副大臣、そして長官として公約を発表しました。
プレゼン前のディスカッションでは大胆な改革やスクールを自分たちの学び舎として実現していきたいマニフェストを話していましたが、プレゼンでは国民(キッズ)に対して大胆な公約まではいけませんでした。
でも、自分たちが主体的に学びに関わっていく!という意思表示はできました。
支持率も8割近くの生徒から支持を得ることができました。2割の不支持の方が子どもたちは気になっていましたが。
今後のはちみつキャンバス内閣として、どう学びやすい環境を作っていくのか楽しみですね。
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6週間をふりかえり
セントラルアイディア「自分たちは自分たちを自分たちのために治めている。」の治めているという言葉についてふりかえるキッズが多かったです。
一人ひとりの「治めている」という言葉の意味の捉え方や感じ方が、探究前と後ではより主体的に考えるようになり、より内閣としての責任や主体性が高まったようでした。
今回の「治の力」5、6年生の「自分たちがスクールを治めている!」という意識や下級生に対しての思いやり、そして治めていくことの難しさを知ったテーマ学習でした。
HM
(参考) TCSテーマ学習について、以下よりご覧ください。
・2023年度 年間プログラム(PDF)運用版
・テーマ学習一覧表(実施内容)