【探究領域】時空因縁
【セントラルアイディア】場には限りない「!(発見)」と「?(疑問)」のタネがある。
<テーマ学習> 〜レポート
4月に入学した手の1年生。とうとうTCSの最初のテーマ学習が始まりました。6年間で36個ある探究の1番最初ですね!
子どもたちは興味津々でスタートしました。
まずはテーマ学習ってなんだろう?と学びのアンテナが動き出しました。
子どもたちの先行知識を確認しながら、探究の扉を開けていきます。
なかなかの先行知識や既有知識をもとに、探究への意欲を駆り立てていきました。
それにしても「新しい発見!」や「みんなで考える!」「実験したり調べたりする!」など鋭い意見も出ていました。
学びの中で意識していくことも全体で共有し、楽しく学ぶことが大切と共感していきました。
そして今回のテーマ学習「紅葉山見っけ隊」では、「なにか探検しにいくの?」とか「見つけにいくんだ!」とテーマの名前から想像できているあたりも興味関心の高さが表れていますね!
<<探究の流れ>>
・場にあるもの(form)
・ものから生まれる疑問(causation)
・モヤモヤ(perspective)
まずは先行知識の確認で、各々思っていることを聞いていきました。
公園って何だと思う?(Form – 特性・構造)
公園ってどんな場所かな?(Function – 機能と役割)
探究の入り口で大切なことは、子どもたちがどのような知識や概念に対して理解しているかを確認すること。
子どもたち一人ひとりに違いがあるのもこのシーンでの気づきにつながっていきます。
わからなくなったら「考え方 Inquiry Keys(概念)」を使おうね!と1年生でも使いこなしていく練習を積んでいきます。
子どもたちは、そのための学びのアンテナも忘れていませんでした。
<<見っけ隊のミッション>>
まずは場(紅葉山公園)に行って、アンテナをフルに使いながら、一人一人が思い思いにいろいろなものを発見しにいきます。
さぁアンテナとマップを片手にいざ出発!
紅葉山公園の中を歩いてみる
見っけ隊として相応しい姿と行動範囲の確認をする。
・メリハリをもつ
・集合場所と時刻
・トイレの利用
さてと、水道管になにやら書いてある! なんだ?
どんどん歩いて探しに出ます。
なんであんなところに白い箱が?
ここには水の入った袋が?
木の中からゴムみたいな紐が?!
よく見ると時計塔の上には回っている物体が?!なんだろう?と疑問が湧いてきました。
隕石かも?!と見知らぬ石に興味津々。
「宇宙から来たんだよ!」と想像力を働かせて説明してくれました。
このトイレ!よく見て!
ゾウの形になってる!と離れてみたら全体が見えてびっくり!
公園にある機関車。
前面に付いている丸いハンドルみたいなものが気になったようです。
赤い葉っぱですがよく見てみると・・、
「ハートの形に見える!」
ただの葉っぱでも見れば見るほどいろんな部分が見えてきていますね!
さて、こちらは同じ機関車でも視点を変えてみてみると、アルファベットと番号に疑問を持ったようです。
なんで「C?」「なんで368?」と疑問が湧いてきていました。
米粒のような小さな虫?石?
じっくり観察して一体なんなのか考えているようです。
どうやら動いているようですね。笑
「おーい!ここにはお宝がありそうだよー!」と砂を掘り恥怖めました。
これは何?
さっき発見したきの穴の中にあった??「なんだこれ?蜂の巣に似てるけど…?」ともやもやしていました。
この銅像が気になって仕方がないみたいです。
銅像の仕草や色、そして誰なのか?
たくさんいる鳩の中に、違う色の鳩が!
機関車ゾーンをよくみてみると、なにやらウサギのようなわからないものがあります。想像を膨らませていました。「看板?」
石の中に石が!
なんでだろう?ななな なんでだろう?という顔をしていましたねw
砂場の中から不思議な小さいものが。石なのか?訳のわからないものに興味津々。
とにかく気になる…
砂場はみんなの興味関心が詰まっているようです。
珍しい石🎵
子ども達のアンテナは、緑の紅葉にも反応していました。
「この葉っぱは色が変わるんだよー!」と教えてくれました。
ちょっとした色や形に目がいきます。「この色綺麗!」
さっきの鳩と違う色の鳩に「これはいっぱいいるやつだ!」
落ちていた葉っぱ付きの枝に、「これって回転させると見える色が違うんだよー」と回転させて見せてくれました。
<<「学びのアンテナ」・「公園」についてのイメージの共有>>
1回目の探索はみんなアンテナ全開で、たくさん見つけていました。
これをスクールに戻ってから、一人ひとりがその面白いところや疑問に思ったところ、そしてお気に入りのポイントを全体でシェアしてくれました。
少しずつ学びのアンテナを使いこなし始めた1年生です。
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4月25日
公園の案内図で現在地を確認する。
・発見したものをシェアする。
・名前をつける。
翌日、見つけたものの場所を地図上で記す。(ワーキングマップ)
前回探索した場所に行ってみました。元気いっぱい。
何か変化があるかな?新しい発見はあるかな?とアンテナを働かせて観察しています。
前回よりも子どもたちの視点に変化が現れています。全体をなんとなくみていた視点から「虫の目」で小さなものも見逃さないようになっています。虫の目になってじっくり探すことが身についてきたようですね。
水の波紋も見逃しません。
動いている亀も。
この入り口はどこに続く…?
とりあえず掘ってみよう!何か出てくるかも!と無心で掘り始めたら、何が出てきた?
この木はなんか変な形してるー!
貝殻みたいなの見つけた!
ここは海だったんだよきっと!と仮説も立てていました。
でもまだまだ視点は上には向いていないようです。
「これっていつも持ってるのと同じじゃない?」と探索で使っている地図を発見したようです。
この看板には字が書いてあるのに…
「この看板には何も書いてない?!」なぜ???
何やら大きな切株を発見して、みな大集合!
切株に書いてある不思議な字
に「なんだこれ?」「宇宙人が書いたんじゃない?」と話していました。
アンテナがいろんなものに反応していますね!
こんな場所に靴が??なんでだろう??
「あのおじさんは公園で何しているんだろう?」と疑問アンテナに、「聞いてみよう!」と情報収集に動き出していました!どんどん集まってきました。
持ち帰ったものが何かを調べることもリサーチスキルを発揮するためにも大切な作業。
本を見たり聞いてみたり、今度行ったら公園の人に聞いてみよう!と発見しただけでは終われません。
4月27日
見つけたものの場所の分布を見て、「発見」「疑問」を見つけ出す。
見つけたものの共通点・相違点を探し、まだ見つけてなさそうなものがないか考える。
未だ何も発見されていない「場所・もの・人」に挑戦する。
発見したものをシェアする。名前をつける。(公園内)
これは木漏れ日。いいですね〜
1年生ながら、ボードをもってメモします。
蛇の巣がある!らしいです 笑
と、本当にキリなく発見をし続けています。
5月8日
「疑問」の調査
これまで見つけてきたものの中から、もっと知りたいものをひとつ選ぶ。
調査する
・誰がどう調査するのか事前に計画を報告する。
ということで以前から気になっていた「白い建物」
警備員さんがいたから聞いてみる!という計画で早速聞き込みへ。
聞くことに躊躇することなく、ご挨拶をしっかりしてから聞きに行きました。
どうやらこの建物では星の学びができるようです。
公園にいる人ともコミュニケーションを取ることができました。
消化器の上に本がたくさん!なんで?と疑問が湧いてきましたが、考えてもさっぱりわからない。
もやもやしちゃいます。
「何だ!これ?」何に使うんだろう?どうしてここに?と疑問だらけのものを発見しました。
探索も甲斐を重ねていくと、場にいる人たちとの交流も様になってきました。
気になったらどんどん話を聞きに行けるようになりました。
安全第一の探索隊のルールを「看板に書いてあるよ!」指摘されて、気づいたかのように自粛していましたw
亀の数が増えている?!
「この陰に何かがある!」誰かが住んでる?
本屋コンビニのふくろ、食べた跡など人が居ないのに痕跡が?!
泣いている「みっけ隊員」を発見!
探索隊のルール「安全第一」が…。紐に引っかかって転んじゃったみたいですね。
みんなで確認することができました。
5月12日
新たな「発見」とさらなる「疑問」に挑戦
調査報告をする。(全員でわかったことを共有する)
発見したもの(!)、疑問(?)、わかったこと(!)
調査したことでわからなくなったこと、疑問に思ったこと、さらに知りたくなったことを出し仮説を立てる
公園にリラックスしに、よくきているおじさんと談話しています。
そのおじさんからペットボトルに入っている「たくさんのおたまじゃくし」をもらいました。
「可哀想だから逃がしてあげようよー」とみんなで相談の結果、逃がしてあげることしたようです!
季節外れの蝉の抜け殻!
この落ちている何か?が綺麗!
いよいよ発見してきたものを整理していきながら、疑問を改めて考えることや、発見したものの面白さや不思議さを全員で満喫していくターンです。
このターンで探究の面白さもさらに深まっていきそうです。
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これまでの発見を疑問の繰り返しをふりかえりシェアする
疑問からどんなモヤモヤが生まれるだろうか。
疑問に対して、考えられる仮説を立ててみる。
「見っけマップ」の作成
人に伝えたいこと、キャッチフレーズを考える。
マップに見出しを付ける。見やすさを重視する。
疑問からどんなモヤモヤが生まれるだろうか
疑問に対して、考えられる仮説を立ててみる
発見した時の状況や気持ち、そしてその時感じたアンテナについてふりかえっていきます。
何度か同じものを見ていて気づいた変化や、新たに生まれてきた疑問も貴重な学びのタネ。
そこを書き残しておきます。
ITと連動して、iPadに保存した写真や動画をふりかえってみて、細かくみたら新たな発見も多くあったようです。
「こんなところに面白いのがあった!」
「えーこんな色してたんだ!」
「こんなところに虫がいたんだ!」
そして各自でまとめたふりかえりをプレゼンを意識してシェアしていきました。
発見のアンテナ(どんな発見だったか?)・疑問のアンテナ(どんな疑問が生まれた?)モヤモヤ(どんなことにモヤモヤしたのかな?)
と3つの観点でふりかえりました。
1年生にとって自分がプレゼンしている姿を見るのは初めてなようで、Good & Betterでフィードバックしていきました。
全員が「声が小さすぎて聞こえない!」ということになり内容は、ほぼ聞き取れていないようです。そこにもやもやが生まれたようですね。
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初めてのプレゼンテーションに向けて
自身の写真をバックに語りの練習をする
制限時間は60秒
発見したこと、疑問に思ったこと、新たに発見したこと、今モヤモヤしていることを語る
立ち位置、姿勢、発声など、プレゼンの「場」に相応しい振る舞いを目指していく
舞台を想定して、どうやって舞台に上がって並んだほうがいいのかを1年生なりに考えていきます。
「右側から上がって並ぶから、先に誰がいくほうがいいかな?」
「こっから上がったらいいんじゃない?」
「こっちに階段があるから、そこからは登れないよ」
と実際の舞台を想定してリハーサルしています。
実際に紹介する写真をバックに、自分の言いたいことを伝えられるかな?
「やっぱり顔が硬い!」とフィードバックを受けていました。
もうすでに心はプレゼンモードですね。緊張感が漂っていました。
「リラックス!リラックス!」と声を掛け合っていきました。
話すことをまとめて60秒に収めるのは1年生にとってはなかなか難しいようですね。
それでも何度も練習するあたりは、すでにレジリエンスを感じさせてくれました。
2年生も心配そうにのぞいてくれていました。
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プレゼンテーションデー
さあ いよいよ1年生にとっては初めてのテーマプレゼンです。
朝から舞台で立ち位置の確認をした後、本番までの時間をリラックスして過ごしました。
意外と緊張していない様子でしたが、本番ではどうでしょう。
「思い切って楽しんでくるんだよー!」と送り出しました。
緊張もあまりせずに楽しんでいました。
笑顔、そして大きな声、伝えるために一人ひとりが課題を持っていどんたことは1年生にとって大きな学びになったことと思います。
何よりテーマ学習、そしてプレゼンの楽しさを実感できたことがよかったですね!
6年生からの総評も自身の1年生の時を思い出しながら総評してくれたことで、1年生にとっても達成感や次回に向けてのモチベーションにつながったことと感じました。さすが6年生!
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ふりかえり
プレゼンが終わったら終了ではないところがTCSのテーマ学習の良いところ。
自身がこの6週間探究してきて、どのようなGood & Better がったのか、そしてプレゼンでの自分を映像でふりかえることで、目標の伝える力を発揮できたのか、リフレクションしていきました。
自身のプレゼンしている映像を楽しそうに見ています。
「えーこんな感じなんだー」
「やばっ、フラフラしちゃってる!」
「思ったより声がちっさい!」
と自分のイメージとはギャップがあったようです。自分の姿を客観的にみることは大切な学びでもあり次回のプレゼンに繋げるための大切なことです。
それでもやり遂げた達成感に喜びを感じていました。
上出来 上出来!!
この後、各自で自分のふりかえりを出してもらいました。
よく客観的に見て、振り返ることができていました。声の大きさや立ち姿など Betterはあるものの、言いたいことが言えたGoodがあったことは良かったです。
お疲れさま !学びたいようパズル 1年生!
後記
1年生にとって初めてのテーマ学習。でもそれは 6年間で36個あるテーマ学習のうちの1個。されど大切な1回目。
初めが肝心と言うことで、この6週間でいかにTCSのテーマ学習の楽しさを感じられるか、探究の面白さを実感できるかが、僕自身にとっても子どもたちにとってもチャレンジな部分でした。
蓋を開けてみれば僕の不安のどこへやら、子どもたちは初日から「探究って実験したり調査するんでしょ?」「学びのアンテナを使うんだよねー!」ともうすでに「探究の扉」を開けていました。
そんな子どもたちに引っ張られながら日々の学びを楽しみ、6週間を学び切ることができました。1年生のパワーはすごい!
プレイフルネス、ハーモニー、レジリエンスを発揮してコンフィデンスに変えていく力はもうすでにTCSキッズでした。
特にこのテーマ学習は、子どもたち一人ひとりの個性や特性が現れる探究です。僕自身も一人ひとりのことをよく知ることができたし、これからの学びにつなげるものになりました。
TCSの探究の階段を登り始めた1年生の子どもたち。
ここから探究を味わい尽くしていってほしいと思います。
HM
(参考) TCSテーマ学習について、以下よりご覧ください。
・2023年度 年間プログラム(PDF)運用版
・テーマ学習一覧表(実施内容)