【学年】 3年生4年生
【探究領域】意思表現
【セントラルアイディア】感性と情緒が凝縮された言葉は、人の心を結びつける。
<テーマ学習レポート>
テーマ「詩人の旅(G3-4)」week4
いよいよ、詩人たちの旅も4回目。
「花」「動物」と、定点観察的にみる旅から打って変わり、今回は自分たちで歩き回りながら出会いを楽しむ「まち歩きの旅」に出て参りました。
数あるまちの中から選んだ舞台は、隅田川沿い。清澄白河駅からスタートして一同浅草までを目指します!
さて天気はというと・・・・しょっぱなから「雨」。「前日はとっても晴れていたのにぃー」と残念そうなキッズでしたが、現地に着いたら笑顔! さすがです。
駅から出て歩いていると、道端にある不思議な物体とご対面。
どうやら、布を染める時に使うらしい?
次に目に飛び込んできたのは、なぜか店の前においてある水槽!
「なにこれ、メダカ?」なんてひそひそ話すキッズに、お店の人に突撃インタビューだ!とけしかけたら(笑)、おじいちゃんが出てきてくれて、優しく対応してくれました!
なんとこちら、「鮭の子どもたち」なんだとか。地域の小学校で育てたものを、毎年3月はじめに放流するらしく、「隅田川鮭の会」として保全活動をしているのだそう。
駅を出て間もないのに、もうすでにユニークな出会いがある清澄白河。
しかし実は、今回このまちを選んだ理由がありました。
それは、かの有名な俳諧人・松尾芭蕉ゆかりの地であるということ。
詩と同じように、リズムをもつ俳句をこよなく愛した松尾芭蕉が居を構え、「奥の細道」の始まりとなったこの場所。TCSお馴染みの音読も、3月は「奥の細道」です。そんなTCSの詩人たちが辿る道として、これほどまでにぴったりな場所があるでしょうか!?
すると、噂をすれば影のごとく、松尾芭蕉の有名な句が書かれている場所、そして庵跡(現在は神社に)を見つけました。
「ここで芭蕉が過ごしていたのかぁ」なんて物思いにふける一同。
そのまま近くの「芭蕉庵史跡展望庭園」にいくと、なんと芭蕉像がいるではありませんか。
ということで、一緒に写真をパシャり。
さてここからはチームにわかれ、浅草を目指すミニトリップへ出発です!
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「雨だから、波が高いねぇ」と川を覗き込むと、手すりの下に謎の物体が!びっしりついている貝に、キッズたちが思わずどよめきます(笑)
「でも、ここまで川の水がくるってことだよねぇ」としみじみ。
カモが気持ちよさそうに浮いている姿、たくさんの船が行き交う姿、ビルが立ち並ぶ姿、その脇を通る高速道路に車がおもちゃみたいに走る姿など、川沿いならではの発見がたくさん見つかっている様子。
カモメをみて、「こんなまちにいるカモメって、一体どんな景色が見えているのかなぁ」との言葉に、彼らの詩心がくすぐられているのがわかります。
だからこそその気持ちを忘れないよう、「俺はカモメ?カモかもね?」なんて、即興的に詩をつくりながら歩いていくのがなんとも面白い。
面白いといえば、このエリアは橋を渡り、両岸の「まち」にすぐ行けるというのも面白いところですよ。下町だからこそ「江戸」を彷彿とさせるものが溢れていて、キッズたちも興味津々です。
老舗の猪料理店に、どじょう料理店、ちゃんこ料理店など、江戸から伝わる「食」の文化もまだしっかりと根付いていたり。
興行のぼりや力士の手形、相撲部屋が、当たり前にまちなかに存在していたり。
お米屋さんやブリキのおもちゃ屋さんなど、いきなり突撃訪問しても、優しく話をしてくれるまちの人たちがいたり。両国や浅草橋、蔵前など、どのまちもそれぞれの特色が出ていて、本当に魅力的です。
さて、午後になると、雨足もだんだんと強まってきました。
それでもまだ道半ば、途中に見えるアサヒビール本社のあのオブジェ(ちなみに「聖火台の炎」をイメージしているそう)を横目に、浅草雷門までぐんぐん進んでいきますよ。
路地を抜けると、浅草雷門に通ずる大きな道に合流。するとお店も人の数もぐっと増え、平日・雨にもかかわらず、たくさんの観光客でひしめきあっています。みると、先ほどまでお疲れ気味だったキッズたちも、このまちの熱気が伝播したか俄然元気を取り戻した模様(笑)。
というわけで、全員無事に雷門前でフィニッシュを決めました!
最後は、旅の労をねぎらいつつ、浅草名物たちにも舌鼓を打ちました。
お店の人たちとの会話をしながら、雷おこしや人形焼、揚げ饅頭などを買って、その場でパクりっ。みんなで食べるからうまい!
こうして、様々な人やもの、ことに溢れ、昔の面影残る隅田川エリアの旅が幕を閉じたのでした。
最後の旅を通じて、どんな「詩」が編まれていくのか。乞うご期待!
MK
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(参考) TCSテーマ学習については、以下よりご覧ください。
2018年度プログラム_基本形 ・ テーマ学習一覧表_実施版