【学年】 3年生4年生
【探究領域】意思表現
【セントラルアイディア】感性と情緒が凝縮された言葉は、人の心を結びつける。
<テーマ学習レポート>
テーマ「詩人の旅(G3-4)」week3
あっという間に3週目。
次なる旅は、井の頭自然文化園に出かけることにしました!
みてください、彼らのこの表情(笑)
今にも駈け出さんとしている気持ちを抑えつつ、まずはゆっくりと園内を見て回ることにしました。平日とあってそこまで混んでもおらず、じっくりと腰を据えて観察するにはもってこいの場所であります。
ヤギや鶏、豚、ペンギンたちにご挨拶。(特にこのペンギンは、とても人懐っこくて、ずっと私たちのことを見つめていました。一体なにを思っているのかなぁ)
他にも、メスがリーダーを担う”アカザル”の群れや、エサを求めて縦横無尽に走り回る”ニホンリス”たち、一方じっとして動かないノウサギなどを巡り、それぞれ「これは!」と心惹かれる動物の前に陣取ります。
どんな形や色をしているのか、どんな動きをしているのか、生態や特徴を一つひとつ観察していきながら、詩人ノートに”言葉のスケッチ”を積み重ねていくキッズたち。
ちなみに、かつて自然文化園一の人気者だったゾウの’はなこ’の厩舎にも立ち寄りました。今はもういないけれど、みんなに愛されていた面影が随所に残されています。ふとみると、「はなこが元気だった頃にここに来たことのある」と言っていた子が、ぽつんと一人でベンチに座り考え事をしている様子。
どうやら、当時を思い出してなんとなく寂しい気持ちになったとのことでした。「心の中にある光景」と「目の前にある風景」を重ね、自分一人で静かに対話しているその姿は、まさに詩人そのものですね。
最後は、一同モルモットふれあいコーナーにて、直にモルモットを抱かせてもらえることになりました!
「震えてて、ジリジリいってる!」
「毛が思ったよりかたい!」
モルモットの体温や鼓動を感じながら撫でていると、モルモットたちもうっとりしてきて気持ち良さそう◎ やっぱり自分の手で触れて感じるからこそ、心に残る思いや感情が湧き上がってくる。まさに詩情が駆り立てられる瞬間でもありました。
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さて、翌日早速試作に取りかかります。
テーマの時間になる前から「早く書きたい!」と話すキッズたち。元々creative writingも大好きで、「書く」時間が大好きな3・4年生たちではあるからか、「書かされている」感じがありません。
試作も3回目ということで、黙々と手が動いていきます。
やるな、君たち!!
今回大事にしている「なりきる」という技はそのままに、「韻を踏む」、「擬音語や擬態語を使う」、「対句や対比を使う」、「ダジャレで遊んでみる」など、多様な技も学んでいきます。
出来上がったという作品をみていくと、「寒い」「ひま」というキーワードを使っているキッズが数名。当日、井の頭公園で寒かったことが彼らの強く印象に残ったのでしょう。それは、よくわかった(笑)
しかし、これは本当に動物たちが感じていることなのでしょうか?
自分たち視点で、丸まっている動物たちが「寒そうにみえた」のでは?
自分たち視点で、動かない動物たちが「暇そうにみえた」のでは?
それだと、「なりきる」ところまで、あと一歩及ばず。しかも、「寒い」や「ひま」が並ぶ詩って、読んでワクワクするかな?
ということで、自分の発見や感動が相手に伝わる詩になっているかという観点で、自分の作品を推敲することにも挑戦しました。
「うーん、これだと伝わらないかも」と頭を悩ませる子ども達。
「じゃあ、ひまという言葉に近い言葉ってどんなものがあるかな?」と聞くと、「退屈」や「つまらない」「やることがない」など似ている言葉が挙がってきました。しかし一語一語意味を考えていくと、それぞれちょっとずつ違う。ということは、どの言葉を使うかによって相手に与える印象やイメージがガラリと変わってくるということ。
これこそが、詩に不可欠である「推敲」という作業。
自分が感動したことや発見したことを伝えるために、「言葉の海」に潜って、「一番ぴったりくる言葉」を探し出してくるのです。
「楽しい!」で始まった詩人の旅ですが、ようやくここにきて、「ツラ楽しい」詩人の旅へと変わってきました。
ここから先は、彼らのつくる詩がぐっと変わってくるはずです!
MK
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(参考) TCSテーマ学習については、以下よりご覧ください。
2018年度プログラム_基本形 ・ テーマ学習一覧表_実施版