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「人権」の裏にある「感情」と「論理」

タイトル:Borderless World
探究領域:共存共生
セントラルアイディア:人権は自由、正義及び平和の基礎である。

[6年生]

今週は、「映像の世紀」に描写された世界で巻き起こされる人権侵害、それらから生まれた「世界人権宣言」を読み解きます。

今回は世界人権宣言がまとめられている「人権パスポート」を一人一冊持ち、みんなで読みながら議論を進めて行きます。
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世界人権宣言の冒頭には、「はじめに」という章があり、世界人権宣言の全体像をよく表している文章がまとめられています。


はじめに
ひとりひとりの人間は、生まれながらにしてかけがえのない値打ちと平等で奪うことのできない権利を持っています。それを認めることが、自由で公平で平和な世界をつくる基本です。

… (中略) …

国際連合に加わっている国と、その国が責任を持つ地域の人びとのあいだで、こうした権利と自由が大切にされるように教え、また、国の中でも、国と国のあいだでも、一歩一歩前に進むような方法で、すべての人がしっかりとこうした権利を認めるように、社会のひとりひとり、そしてひとつひとつの機関が、いつもこの宣言を頭において努力しなくてはなりません。そのときに、この世界人権宣言は、すべての人とすべての国が達成しなくてはならない共通の基準となるのです。
ー世界人権宣言 前文 より

「国際連合」が第二次世界大戦を経て、1948年12月10日に宣言したのが、この「世界人権宣言」です。
映像の世紀を観たキッズたちもわかったように、第二次世界大戦の後に多くの紛争と人権侵害がありました。

前文(はじめに)を読めば、その歴史となりたちがそこに記されているのです。
まず、この前文をみて一言、あるキッズが発したのは、
「これがすべて守られている世界はつまらないんじゃないかな?」

という言葉でした。

もっと詳しくその意見について聞いてみると、
「全部守られていたら全部の人が「いい人」ってことでしょ?失敗もないんでしょ?」

なるほど、「綺麗事」では済まされない「現実」と「理想」の話を分けて考えている、そんな言葉が溢れ出てきたのでした。

そこからどんどん他の章へと広げます。
1条1条例をあげながら読んでいくと、次に引っかかったのは、


第3条「安心して暮らす」
ちいさな子どもから、おじいちゃん、おばあちゃんまで、わたしたちはみな自由に、安心して生きる権利をもっています。
ー世界人権宣言 第3条 より

という部分でした。特に引っかかったのは「死刑」についてです。

日本では未だに「死刑」が執行されています。アメリカ合衆国でも同様に執行されています。

しかし、この第3条は「死刑」に反するものである、と「アムネスティインターナショナル」は解釈し、ここに死刑制度についての記載をしているのです。

「死刑に賛成する?反対する?」という質問を投げかけてみると。。。

反対3票、賛成1票でした。
それぞれの意見を聞いていくと、反対側の意見は、
・死はやりすぎ
・勉強すれば元に戻れる
・犯人を死なせてもどうもならない
というものでした。逆に、賛成側の意見は、
・残虐な犯罪を犯した犯人が外にいるのが怖い、再犯するんじゃないか
・何回も起こすよりはいなくなった方がいい、迷惑だ

というもっともな意見でした。

「死刑」というのは「犯罪の抑止効果が薄い」という研究もあるほど、
なかなか議論も多く難しい問題でした。
もし自分の肉親や大切な人が殺されてしまったら、「死刑にしてほしい」という復讐心を抱かないとは言い切れません。
しかし、「死刑」はやりすぎなのかもしれません。

「人権」は感情の問題と論理の問題の二つの問題が絡み合う、微妙な領域だったのです。

みなさんは「死刑」についてどう思われますか?

TY

TCS2016年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。

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