タイトル: 人の心を動かすストーリー
探究領域: 意思表現
セントラルアイディア:多様な表現の組み合わせが人の心を動かす。
[6年生]
映画にはどのような演出がなされているのでしょうか?
映像?セリフ?BGM?
そういった表現方法に加えて、今回のテーマでもある、「ストーリー」もその要素として欠かすことができません。
そして、それぞれの細かい要素が独立してあるだけでは「映像作品」ともいえない、というところが難しくもあり、映画作りの面白味でもあります。
今週は彼が土日休みの間に観てきた、「ぼくらの七日間戦争」という映画をピックアップして、どのような映像表現がされているのか、どのようなストーリー展開のなのか、を分析して行きました。
〜「僕らの七日間戦争」あらすじ〜
「インチキな大人に宣戦布告!!」青葉中学1年A組の生徒8人が、ある日突然、姿を消した!?あわてふためく大人達。しかし彼らは町外れの廃工場に立てこもっていた。先生達は連れ戻そうとするが、生徒達は奇想天外な作戦でこれを撃退する。ついに怒った大人達は機動隊を出動させるが…。 果たしてこの勝負、どちらが勝つか?迎え撃つ子供達の運命は?史上最大のイタズラが今、爆発する!
(アマゾンビデオより引用)
有名女優宮沢りえの映画デビュー作でもある本作は、学園モノ、というよりは、お硬い「学校」に反抗期の中学生が反抗し、一泡吹かせる、という痛快で爽快なストーリーになっています。
では、この作品、どんな演出・工夫がされているか、実際の映像を見ながら振り返ってゆきました。
まずやはり映画で最も印象に残るのは「セリフ」の工夫でした。
・学級委員長の女の子が硬い言葉を使いながらも、権力への反抗と自由を求める、まさに「独立宣言」のような言葉
このセリフによって、説明的ではなく、映画の趣旨全体を見通すことができるようになったり…
・親や個人に非行の原因があるんじゃないか、と責任逃れをするような教頭の一言
このセリフによって、学校のスタンス、体制、というものが透けて見えたり…
などなど、セリフの工夫は多く伺われました。
ただ、この映画の工夫どころはセリフだけだったのでしょうか?
いえいえ、BGMの工夫もありました。
楽しんでいるシーン、場を盛り上げるシーン、様々なシーンで使われていますが・・
ある一つのことを発見しました。それは…
「重要なセリフ、掛け合いのところでは BGMがならない!!」
このBGMとセリフと映像の動きの緩急こそがストーリーを引き立てているのでした。
では、どのようなストーリー構成になっていたのでしょうか?
まずは、「ハリウッドストーリーテリング」の方法を使いながら、どんな工夫がされているか、分析をしてゆきます。
映画は三幕に分かれ、「発端」「葛藤」「解決」それぞれにうまく分かれました。
第一幕「発端」:主人公たちは「非日常である廃工場での共同生活」に発端である出来事「杓子定規な先生のインチキ」を期に、足を踏み入れます。
第二幕「葛藤」:そして、廃工場に立てこもりますが、やってきた先生と母親たちに反抗し追い返すなど来るところまできてしまいます。その中で「戦車」まで発見してしまい、機動隊を呼ぶまでの騒ぎになってしまいました。
第三幕「解決」:そこで、一泡吹かせるために、最後の作戦を練ります。色々な戦いの中で「暴力教師」「杓子定規」をやっつけ、廃工場を抜け出し、フィナーレで大人たちをあっと驚かせます。
この「僕らの七日間戦争」も方程式に沿って、このような構成がされていました。
「売れるストーリーには法則がある」と「表現の技術」でも言及されていましたが、まさに、この法則を学ぶにはもってこいの題材でした。
「僕らの七日間戦争」、宮沢りえの演技も光りますが、なかなかの爽快なストーリーですので、ぜひ一度ご覧になってはいかがでしょうか。
TY
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