タイトル:限りある資源、限りなき欲求
探究領域:共存共生
セントラルアイディア:「地球資源の持続可能性は人間の選択に委ねられている。」
[3・4年生]
テーマ学習のタイトル名には定番になっているものもあれば、新しいものもあります。
自分たちがどんなテーマを学習していくのか初回はいつもドキドキしています。
さっそく、模造紙にタイトル名を書いていきました。
「何?」「新しいテーマ?」
「長いなー。」
特に、目に止まったのは漢字。ちょうど練習しているものも含まれていて話はそこから
始まりました。
「源ってみなもとの源でしょ。」「源氏の源だ!」「資料の資にみなもと?」
「物のもとになるものが資源でしょ。」
「物は何かからできていて、もとはすべて自然からできているでしょ。」
「資源って自然のもの全部?」
「車も鉄でできてて、鉄は土の下にあるんじゃない?」
資源が何かのもとであるということ、自分たちが使っているものは、もとを辿ればすべて自然のものだということには全員納得している様子です。
「欲求の欲って欲望の欲?」
「テーマと話は外れちゃうかもしれないけど、嘘つくことから人は争うようになったって聞いたことがある。」
「嘘は、隠したいとか怒られたくないとか騙したいとか欲から出てくる。」
欲は誰もが持っているけれど、押し通してしまうことで事態が悪くなってしまうイメージを持っているようです。それが、今回のテーマや資源とどうつながってくるのかは謎のままです。
「資源ってエネルギーのことじゃないの?」
資源とエネルギーは何がどう違うのか一見わかりにくいもの。今回は、そうした曖昧になりそうなことや自分の考えだけで進めてしまうのではなく、様々な資料やデータをもとに検証していくことを繰り返していきます。ここからは、資料をもとに疑問や発見を出し合っていきました。
エネルギーの種類やエネルギーのもとになる資源について書いてある本を読んでいきます。
「エネルギーって何種類もあるんだ。」
「化学エネルギーのエネルギー資源に化石燃料って書いてあるけど、石油って化石なの?」
「化石って生き物の死骸でしょ。」
「バイオマスってオーガニックのこと?」
石油・石炭・天然ガスが化石燃料と言われる理由、バイオマスとして使われている燃料の種類なども資料や映像をもとに確認していきました。
「バイオマスってごみとか、廃材とか排泄物を使ってるんだ。」
「なんでごみを使うんだろう。」
「じゃあ、化石燃料はこの下に埋まっているのかー。」
そこで、世界のどこに化石燃料、核燃料のウランが埋蔵されているのかを円グラフで見ていきました。世界地図も片手にどこにある国なのか一緒に確認していきます。
「エジプトの周りには石油が多い。」
「クウェートってどこだ?」
「こんな小さいのに石油が埋まってるの?!」
中東に多いことや国土の広さには関係がないことがわかってきます。
「日本がなーい!」
どの埋蔵量のグラフにも日本の名前が載っていないことに気がつきます。
また、資料にはそれぞれ若干の数値の違いはあるものの、埋蔵量とともに可採年数が記されています。
「いつなくなるの?」
「石炭はぼくが死んでもなくならないんだ。」
「石炭は中国やインドでたくさん使っているよ。」
主要国の一次エネルギー構成のグラフを見ていきます。
「昨日、ニュースで中国で赤色警報が出たっていってた。」
「北京には行かない方がいいよ、息が苦しくなる。」
実際に行っている子からの証言には説得力があります。
赤色警報のニュースを一緒に見てみると、説明では寒くなり石炭を大量に使っていることで二酸化炭素の排出が増えていることが原因であると言っています。
「燃えるとCO2が出るんだね。」
「インドは赤色警報出ないのかな?」
「日本は石油を一番使っているけど、燃やしてるんでしょ?」
「埋まってないのに、どうして使えるの?」
「火事も大きなエネルギーなんだね。人の役には立たないけど。」
「悪いエネルギーになっちゃう。津波とかと同じだ。」
事実を知ることでわからないことが次々と出てきます。
素朴な疑問を解決していく中で新しい発見と疑問をこれからどんどん掘り出していきます。
AN
※TCS2015年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。