タイトル: 玉石混交
探究領域: 万象究理
セントラルアイディア:
現象にはストーリーが宿る
[3・4年生]
今週はそれぞれの多摩川で集めた”石”を図鑑や資料で探し、河原の石コロたちの正体を探っていきました。
「どの石にもちゃんと種類なんてあるのかなあ?これはすごくきれいだけど名前とかついているのかなあ?」
”多摩川の石”という資料をめくりながら手元の石と同じような石を探し始めます。
「あ!このシマシマの石ってこれじゃない!?砂岩?小さい粒が見える。うんうん。しま模様が年輪のように見えることもある。うん。見える!釘でこすると傷がつくって。よし、こすってみよっと。」
「あっ!釘で傷がついたよ!これ砂岩だっ!多摩川でもっとも多く見られる石なんだって。」
「私のこの石も砂岩だ!!」
「ぼくのこれはチャートかな?泥岩かな?ん!チャートは釘で傷がつかないけど、泥岩は傷がつくって。ちょっと釘貸して。よいしょっ。あ!傷がつかないぞ!!」
「ねえ、チャートって叩くとにおいがするって書いてあるよ。しかも火花も出るんだって!」
「くさっ!なんか焦げたフライパンみたいな匂いがする〜!絶対これはチャートだよ。あ!!火花も出た〜!」
石の種類が判明したら手元の”石ころカード”に新たな情報を資料から編集し書き加えていきます。
「このきれいなパープルストーンは多分ホルンフェルス!すごいよ!ホルンフェルスは泥岩がマグマの熱で変化してできたんだって!泥岩は柔らかくて傷つきやすいのに、ホルンフェルスはとても硬くて傷がつかないんだって。マグマすごいね!」
「マグマの熱で変身した石か〜。かっこいいなー。ぼくプレゼンでホルンフェルスについて語りたいなー。」
「でもさ、マグマの熱で変化した石がなんで多摩川にあるんだろうね?火山の噴火かなあ?」
石のでき方を知るとたしかに疑問が湧き上がります。
「これは緑色岩だ!赤いけど緑色岩(笑)これはね、火山灰や海底火山の噴出物がたまって変化してできたんだって!すご!」
なぜ海底火山なのか?どこにあったのだろう?子どもたちの妄想は膨らみ、疑問が広がります。
「ねえ、この字が書けちゃう石は石灰岩だと思うよ。ほら、字が書ける特徴もあってるし、傷もつくでしょ。この石すごいよ!炭酸カルシウムの殻を持った海の生物がたまったりしてできたんだって。」
「ていうことはつまり海の生物の化石???」
「ねえ、おれが雲取山の頂上で拾った石も石灰岩っぽいんだよ!見て!ほら、白い粉も出るし、チョークみたいに字も書けるでしょ。」
「本当だね。でもさ、そうだとすると多摩川にも雲取山の頂上にもなんで海の生物の化石があるんだろう?ひょっとして海の底だったのかな?」
「あ!!なんか大昔は東京も海の底だったって聞いたことある気がする!」
「でも雲取山って東京で一番高い山だよ!っていうことはその頃東京都って全部海の中にあったんじゃないの?」
「ええ〜〜〜!!!!!」と子どもたち。
「でも、そういうことになるよね・・・すごい・・・けど、どれくらい昔なんだろう?」
多摩川の河原の石からダイナミックで壮大な大地の営みがほんのりと顔を覗かせます。
ワクワクする子どもたち。
来週も石から見える大地の物語に迫ります!
YI
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