タイトル:エイリアン・パラダイス
探究領域:共存共生
セントラルアイディア:「異質との相互作用が変化を生み出す。」
[1・2年生]
プレゼンテーションでは、自分の作ったポスターを横に、しっかりと聴衆に目を向けて、伝えたいことを語っていた子どもたち。物怖じせず、語れる姿は立派でした。あとは、声を大きくしたり、抑揚をつけたりできるように工夫していくことが次への課題となっていくことでしょう。
今回は伝えたいことを五・七・五にまとめるという条件をつけました。制約ができたことで、自分が何を感じたのか、どう考えてきたのかを明確にするきっかけができ、調べてきたことを「絞る」という作業につながりました。
「インコもね おたがいさまよ にんげんと」
「カラスくん とかいで生きぬく ちえをもつ」
外来種が都会で増えていき、被害をもたらしている。けれど、移り住む原因をつくったのは人間です。迷惑しているのは外来種も人間も同じじゃない?という意見や、外来種も新たな土地で一生懸命に生き方を探しているんだと、外来種の目線で捉えた意見もあがりました。
プレゼンテーション後、聴衆から「外来種はいない方がいい?」という質問を受けたとき、意見が2つに分かれました。在来種が減るからいない方がいい。いろんな生き物がいた方が面白い。
在来種が減ってしまうことで、生態系のバランスが崩れると、種の数そのものが減ってしまう危険があります。でも、外来種のワカケホンセイインコは、外敵にやられることも多く、増えても減ってもいないことや、タヌキは目撃されることが多くなっただけで実際には増えているわけではないと、調べた結果わかったこともありました。外来種が入ってくることで悪いことばかりではないという見方をしていたのです。
では、外来種が入ってくることでいいことはあるのか。
ふりかえりの時間に聞いてみると、
「輪(生態系)の中に入ればいい。」
「人間の言葉がわかる道具をつくればいいかも。」
「商品にならない農作物を食べてくれれば、無駄にならなくていい。」
「外来種が迷惑なことをしたら、どうすればいいか考えるから人間の学びになる。」
外来種がもらたす影響をどう克服していくか。前向きな意見が出てきました。
今後、外来種からの作用だけでなく、在来種からの作用にも目を向けていけると、さらに視野が広がることでしょう。問題に向き合い、自分たちがしていけることを考えていく「共存共生」の第一歩を踏み出したところです。
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