タイトル:詩人の旅
探究領域:意思表現
[3・4年生]
詩の柔道当日。磨きに磨いてきた自信の作品を聴衆に披露すべく、子どもたちはテンションMAXです。
8人の子どもたちは、くじびきしてその場でチームメンバーが決まります。2チームに分かれたら、「詩の柔道スタイル(なのかどうかちょっと微妙ですが……)」で、先鋒・次鋒・中堅・副将の順を1分間の作戦タイムで決めます。お互い誰がどんな詩をぶつけてくるかよ〜く手の内を知り尽くしています。そのうえで先に3つ勝つためにどんな順番でゆくか考えます。
さあオーダーが決まったらいよいよ4対4で対戦開始!あれっ?大将がいないって?はいそうです。もし4戦して2−2になったら最後に「大将決戦」で決着ということです。
審判は3人。「理事長」「保護者代表」そして過去に「詩人の旅」を学んだ5・6年生チームです。2本の旗を持っていて、「こっちがいい!」と思ったチームの色の旗を挙げてジャッジというところも柔道風。
いざ対戦開始!
いやあ審判団に苦悩の色が……あまりにも作風が異なったり、どちらも惹かれたりと困難な選択が続きます。決着は「大将戦」までもつれこみ、紅組の勝ちということで落ち着きましたが、あくまでも選ばれた審査員の「主観」ですから、聴衆の中には、判断が異なる人たちがたくさんいた様子。勝った方も、負けた方も、単純な勝ち負けよりも、審査員が返してくれることばのフィードバックにしっかり耳を傾けていました。
スクールに戻って、いつものごとくフィードバック用紙をみんなでチェックしましたが、なんと better がない。
「better を書かないと学びにならないとはわかっていますが、今回だけは本当に心が動いたので書けません!」
いつもは辛口(つまりgood feedback)をくれる人たちも、今回は、素直によかった!と書いてくれています。これこそ、ことばの力で人の心を動かしたという証です。見事にセントラルアイデア達成です。
ということで残りの時間は、自分の詩を記憶にとどめるべく、万感の思いを込めてじっくり「清書」しました。文字だけでなく、絵も添えて、思い出に残るものができあがりました。
「思いが凝縮されたことばを紡げば人の心はつながる」というセントラルアイデアが、ただあちこち旅をし、詩作を重ね、磨くことで実現されました。それも「つながった」のは、詩を受け取った聴衆とだけではありません。1学年進級し、新しい学び仲間と出会った当初の、ぎくしゃくした感じが、自ずと消え、ともに旅をし、お互いに詩を磨きあう仲間としてお互いを認め合える「つながり」が生まれました。
本当に楽しかった。面白かった。やっぱり「詩人の旅」はやめられません!
RI
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