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「食わせ者」〜ふりかえり〜

[3・4年生]

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しっかりとまとめあげた学習ファイルと、力強いスピーチが聴衆を魅了し、フードロスに対していかにのめりこんで学んできたかビシビシ伝わるなかなかのテーマ発表となりました。

だからこそ聴衆の大人から、相手が小学3・4年生だということなどお構いなしの本気の質問が飛び出しました。

「もし家庭からの廃棄が半分も占めているなら、すべて外食にすれば廃棄は減るんじゃないか?」

おおっ!わざと反対の極端にふってアイデアの柔軟性を試す「挑発」が来たぞ……さあ子どもたちはというと……平然と、敢然と返答します。

「結局、外食でも食べ残しが出るので、家庭系の廃棄が事業系の廃棄となるだけだと思います」
「外食の食べ残しは再調理しにくいけど、家庭なら身内だし、調理はしやすい」

まったくひるまず、しっかり考えて返しているではありませんか。

するとまた別の「挑発」が……

「みなさんは消費者の立場を強調していますが、野菜のようなものはどれぐらい生産できるかわからず、どうしてもロスができてしまうし、新鮮なままとっておけないのですがその場合でもフードロスはなくせますか?」

すると、特定の誰かだけではなく、みんなの手が挙がる。

「余ったとしてもそれをほしいと思っている人もいるはずだし、そういう人を見つけて渡せるのでは」

必死になって自分なりの考えをひねり出そうとします。その姿勢が素晴らしいじゃありませんか。

「ラスボスは手強いよな……」

ある子がつぶやきます。なるほど、彼らがなんとも楽しそうに本来つらいはずのつっこみに対していられるのは、よい意味での「ゲーム感覚」だったのね。

大人に言われたら唯々諾々とした従うのではなく、また逆に、自分の発想に固執してせっかくのフィードバックを頑に受け入れないのでもなく、自分たちの主張を豊かにする perspective をくれたと前向きにとらえ、それを次のステージに進むためにクリアしなければならない「目標」ととらえている。きみたちは大したもんだ。

フィードバック用紙を読んでいたら、「とっても素晴らしかった。しかし、君たちに新たな課題を示そう!」

おいおい、こりゃあ本当に「ラスボス」の語りじゃないか。子どもたちとともに大笑いです。意味のある停滞を経て、必死になって考え抜いて、そのうえでの選択だから相手にも響くし、響くからこそ「意味のある反論」ももらえる。おざなりの「調べ学習」ではない、本物の「探究」ゆえのシリアスさが子どもたちをどんどん成長させてゆきます。

「おっちゃん、終わりが始まりだもんね!」

よくわかっていらっしゃる。その通り、ラスボスも含め、フィードバックを糧としてさらに考えてゆく終わりなき旅路。これぞテーマ学習なのです。

RI

TCS2013年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。

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