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和泉多摩川(多摩川中流部)フィールドワークへ

[3・4年生]

先週多摩川上流で採集してきた石を図鑑とにらめっこしながら科学的に分類してみたことでそれぞれの石の名称や特徴を知ることができた多摩川石発見チーム。
今週は多摩川中流部に位置する和泉多摩川のフィールドワークへ足を運びます。
駅から徒歩10分ほどで河原に到着しました。

「なんかずいぶん広いなー。釣りしている人がたくさんいるね。何が釣れているんだろう?タマゾン川だからピラニア釣れてるかもよ。ねえ、インタビューしてきてもいい?」

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以前に行なったテーマ学習で学んだ”多摩川には外来種が多い”という情報が気になって仕方ない様子です。
人に話しかけることは大得意のTCSキッズ。今回のフィールドワークの目的とは違いますが実際に確かめてみる絶好の機会。
勿論OKを出すとある子がすぐに釣り人に話しかけました。

「やっぱり外来種ばかり釣れて困っているんだって。ペットショップで買ったりして飼えなくなった魚を多摩川に放しちゃうのが原因で絶対やめてほしいってさ。もともと多摩川に住んでた日本の魚より外来種の方が強いから外来種ばかり生き残っているんだって。」

思いがけず外来種に関する生の声を聞くことができました。

釣り人の方にはお礼をお伝えし、本来のミッションである多摩川中流部探検の始まりです。
多摩川に架かっている橋の途中に東京・神奈川の県境があります。

「わー!ここから神奈川だってぇ!おれ片足東京で片足神奈川〜!!」
とノリノリの探検隊。一応ここで記念撮影をパシャリ。

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今回の調査内容も前回と同様で、

①大きな石を一つ選んでその石を中心に半径2mの円を描き、その中の大きい石のサイズを20個測る。
②1m四方内にある石灰石の数を数える
③なるべく色んな種類のお気に入りの石を10個見つけてスクールに持ち帰る 

この結果を上流部での調査と比較することで様々な”発見”があるはずです。
河原を歩いていると石の小ささに子どもたちから声が上がります。

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「上流の方がもっともっと大きい石がいっぱいあったよね。なんか中流の石は全部小さいなぁ。」

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大きさを測ってみてもやはりその差は歴然です。 

次に場所を移して1m四方の範囲内にある石灰岩の数を調べてみましたが、これも格段に数が少ないことにみんな驚きました。

「全然石灰岩ないじゃん!0個かもしんないよ。」
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「そんなことないよ!石をどかしてみると小さい石灰岩があったりする。」
「本当だー。でも小さいし少ないなー。」
「この石見て!!石灰岩ぽいけど砂岩ぽい所もあるよ。ひょっとして混ざってるんじゃないの?くだけた石灰岩と砂岩が水の圧力でくっついてこうなってるんじゃないかな?」
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「やっぱりそうだ!黒い石に石灰岩みたいに白い字が書ける〜!!」

子どもたちに様々な『!』と『?』が生まれているようです。
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しかしこの場では解決できずモヤモヤとした疑問を残しながら戻っていくところにまた次の学びにつながる種があります。

石灰岩の調査を終えると、130万年前の化石が眠っていると言われている場所で化石探しをしてみました。
みんな大興奮で化石を探していましたがなかなか見つからず、地元の方の話では表面の固い土の下から出てくることがあるがそれなりに掘らないと出ないし簡単には見つからないとのこと。

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化石を発見することはできませんでしたが、上流では目にすることができなかった種類の美しい石が沢山ありました。 
色んな石に興奮してかなり多めの石を採集して持って帰り荷物の重さに苦しんでいる子もいましたが、スクールに戻るとふりかえりを行ないました。

・上流では大きな石が多かったが中流は小さな石が多い。
・上流は石灰岩がたくさんあったが中流はほとんどない。
・上流は水がきれいだったが中流はにごっている。
・中流の方が上流よりもレアな石が多かった。石の種類が多いみたいだ。
・石灰岩が少ないのはセメント会社が山奥の上流で石灰岩を取るよりも中流の方が取りやすいしお金もかからないから中流でたくさん採集しているんじゃないかな?
・なんで大昔の化石があるんだろう?
・図鑑によると石灰岩の成分は炭酸カルシウムで、それは海の生物に含まれているカルシウム分が堆積してできたって書いてあるけど多摩川は川なのにどういうこと?海の一部が多摩川になったのかな?
・石灰岩が少ないのは柔らかい石だから流れている途中で他の岩とけずり合って無くなったり、小さくなっているんじゃないかな?
・石灰岩が少なくなってるのは流れている途中で川底の泥がこびりついて他の石みたいに黒くなっているんじゃないかな?それで割ると実は石灰岩だったりして。
・石灰岩が少ないのは流れている間に他の石とぶつかり合ってくだけて、それがまたくっつき合って全然違う石が生まれてるんじゃないの?だからひょっとしたら石の種類が増えてるんじゃない?新しい種類が生まれてるのかもよ?

などなどそれぞれに気付いたことや疑問に思ったことをどんどんシェアしながら、上流部と中流部の違いの原因を推理していきました。
その際にどんなユニークな推理ももちろん大歓迎ですが、論理的に考えた上での推理は更に可能性が高い推理であることを強調しておきました。
例えば、
「上流の石を割ってみたら外見と中身の色が全然違ったから、ひょっとしたら上流から流れてくる間に色んな岩がくだけて種類がたくさんになりながら中流にながれてきたのかも?」

とある子が発言してくれたように実験してみた結果から推測してみるといった場合などです。
また図鑑などで調べた石灰岩の性質からするとこんなことが起きていたのかもしれないといったただの”ひらめき”だけではない論理的な推理がこれから多摩川での様々な事象の連鎖を発見していく際に大切になってくることでしょう。
”ひらめき”と”論理的な推理”の両方が多摩川での目に見えない事象の連鎖を発見していく上でキーになるはずです。
来週は疑問を追究し議論を進めていきます。どんな発見が待っているかな?

YI

TCS2013年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。

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