[5・6年生]
本番当日、子ども達は役に入り、堂々と演じきりました。
謎を呼ぶ静かな幕開けはその後の展開を期待させ、
仲間の裏切りが人間ドラマに深みをもたせ、
植物を用いた解決策は意外性を生み、
余韻を残すラストシーンが観客の興味をひきました。
ストーリーとキャラクターの整合性が取れた作品に仕上がったと思
います。
しかし、ストーリー展開の中に上記のような個別の面白いアイデア
は見られましたが、元々目指していた「常識にとらわれないオリジ
ナルの大胆な仮説」を立てるまでには至らず、科学的事実とのつな
がりも見えにくい作品になってしまいました。
今回のふりかえりシートにはベターな点について、数多くコメント
を頂きましたが、その大半は「作品のテーマがわかりにくい」とい
うことでした。
発表会での質問タイムで、ある保護者の方が
「この作品を通して、伝えたいテーマは何ですか?」
と質問されましたが、子ども達の答えが各人バラバラだったことが
それを象徴したと思います。
「何か伝えたいことがあるから、作品をつくる。」
昨年度、現在の中一メンバーたちと映画製作に取り組んだ際に参考
にした『表現の技術』の一フレーズが思い出されます。
作品のテーマそのものが不明確だと、オーディエンスの共感を得る
ことは難しい。そのことを子ども達は今回のテーマで嫌というほど
実感しました。
グッドな点だけでなく、ベターな点もフィードバックして頂けるこ
とで次につなげることができる。
厳しい意見にも耳を傾け、より良いアウトプットをつくる糧にしよ
うとするそんな強さを高学年の子ども達から感じ取ることができま
した。
現在の5・6年生とテーマ学習を行なうのはほぼ一年ぶり。
彼らの心の成長を十分に感じる学びとなりました。
HY
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