[5・6年生]
今週はいよいよディテール決め。
先週何とか完成させたあらすじに基づいて、情景、出来事、人物描
写、会話を詳細かついきいきと文章化していかなければなりません。
ストーリーが魅力的に展開するかどうかはこの作業にかかっており、
まさに今回のテーマの正念場を迎えたと言えます。
子ども達と相談し、ストーリーを前半部と後半部に分けて、2班に
分かれて作業を進めていくことにしました。
以前に映画製作のテーマで使用したワークシートを用いて、シーン
のイメージを膨らませながら、場面の状況や台詞、あと紙芝居の絵
のイメージを書き込んでいきます。
ストーリーの前半部を担当したグループ。
早速、肝心の出だしのシーンで議論が紛糾します。
原因不明の病気が世界各地で蔓延していることを表す最初の場面。
ナレーションに説明を任せるのではなく、ニュース番組中にニュー
スキャスターが状況を説明するという案にすることまではすんなり
決まったのですが・・・
ニュースキャスターは番組中にこの事件のことを一体どう切り出す
のか?
紙芝居のイメージは、登場人物がテレビでニュースを観ている場面
を俯瞰的に表すのか?それとも視聴者目線の構図にするのか?
テレビは現在の技術の延長線にあるような形態をしているのか?ま
たは、プロジェクターのようにスクリーンに映し出しているのか?
それとも3D形式で番組が浮かび上がって表示されるのか?
作り手側がストーリーを具体的にイメージできていないと、観てい
る人を作品の世界感に引き込むことはできません。
リアリティを追究しようとすればするほど、表現の細かいところも
気になってくるため、すんなり次に進まないのです。
ストーリーの後半部を担当したグループ。
自分たちで考えた案を聞いてほしいと相談にきました。
後半部の始まりは、宇宙船の不測のトラブルにより避難用のサブロ
ケットで脱出した主人公達がある惑星に到着した場面。
サブロケットはあくまで避難用であるため、地球に帰還できるだけ
の燃料を積んでいないという設定です。
「はあ、ついた。」
キャプテンの第一声で場面が幕を開けるとのことでしたが、それに
違和感を感じた私は素朴な疑問を子ども達にぶつけます。
「生死の境目をくぐり抜けて、やっとの思いで脱出した主人公達が
最初に発する言葉がそんなに軽いかなあ?」
「確かに・・・」
主人公達の心境を想像した時にそのセリフは適切だろうか。
私からのダメだしに頭をぐるぐるさせて再び考え始める子ども達。
「ぷはあ、思った以上に大変だ・・・」
ネタバレになるため、これ以上は詳しくは書けませんが、何とか今
週いっぱいかけて、シナリオと紙芝居のイメージのラフを完成させ
ることができました。
ただ、残すところ後1週間で、まだ紙芝居の製作には着手できてお
らず、シナリオの推敲も必要な状況です。
シナリオの推敲については、私の判断で、脚本家を目指すと公言して
いる6年生の男の子にお願いすることにしました。
「おお!それは適任だね!!」
子ども達から歓声があがります。
残りのメンバーは紙芝居の製作に注力してもらいます。
どの場面を担当するかを割り振り、週末のホームワークとして、紙
芝居に描く内容の参考資料を探してきてもらうことに。
エンジンフル稼働でラストスパートをかけます!
HY
※TCS2013年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。